今回の記事では、日本国内で販売されているChromebookのなかから、2025/01/02時点における最新モデルを中心におすすめのChromebookを紹介していきます。
Chromebookとは、Googleが開発した”Chrome OS”を搭載したノートパソコンのことで、WindowsやMac OSとはまた違う第3のパソコンです。Chrome OSを搭載した機種は様々なメーカーから登場しており、いまでは低価格なものから高機能・高性能なモデルまで幅広くラインナップされているのが特長です。
エントリーモデルからスタンダードモデル、ハイエンドモデルと多数の選択肢がありますが、価格帯で言えば5万円前後で販売されているChromebookが日本で販売されているChromebookの主流となります。ここでは価格で分けずに性能と機能からスタンダード、ハイスペックと2つのカテゴリーに分けて、それぞれのおすすめ機種をまとめます。
ちなみに、筆者はこれまでに30以上の Chromebook 実機を試しており、Professional ChromeOS Administrator やGoogle Workspaceの基礎資格などの資格も取得、Google Workspace と合わせて Chromebook も2015年頃から業務利用しているため経験と知識はそれなりにあります。
スタンダードモデル
Lenovo IdeaPad Flex 3i Chromebook Gen8
「Lenovo IdeaPad Flex 3i Chromebook Gen 8」は2023年7月に国内投入を発表した新しいモデルで、アスペクト比16:10のWUXGA(1920×1200)解像度を採用した12.2インチディスプレイ、新しいIntel N100プロセッサを搭載していることが特長です。
4GBRAMと64GB eMMC 5.1ストレージを搭載するエントリーモデルですがWi-Fi 6サポートやHDMIポートを備え、バッテリー駆動時間は最長12時間、重さも約1.25kgと持ち運びと性能のバランスを重視するユーザー向きの1台です。
通常価格だとやや高めの印象ですが、セール等でお買い得になることもしばしばあるため、そのタイミングで購入できればコストパフォーマンスは良いモデルです。
Lenovo Chromebook Duet 11 Gen 9
新しくなった10.95インチのタブレットタイプで、着脱式キーボードとキックスタンド付きカバーを備えた、Kompanio 838 と 8GBRAM を搭載した Chromebook です。性能面ではミッドレンジモデルに近く、USB-C ポートが2つあることなどで取り回しがしやすいモデルです。価格は69,300円。
ASUS の CM30 Detachable と競合しますが、あちらよりもパフォーマンスは少し上で、より余裕のある使用感を得たいユーザーにはこちらをおすすめします。ただし、ペンの利便性は ASUS のモデルのほうが良い(本体収納式を採用)ため、タブレットとしての使いやすさか、Chromebook としての扱いやすさのどちらを選ぶかです。
Mouse Chromebook U1-DAU01GY-A
国内 BTO PC メーカーのマウスコンピューターが2024年に初めてリリースした11.6インチ「Mouse Chromebook U1-DAU01GY-A」もオススメです。このモデルは Intel N100 と 8GBRAM を搭載しており、GIGA向けでもあるためコンバーチブルタイプで USI ペン対応やアウトカメラも備えている点が魅力です。性能も11.6インチモデルのなかではかなり優れているため、より性能の高い11.6インチ Chromebook を求めているユーザーにはオススメです。価格69,850円。
ただし、購入経路がマウスコンピューター公式サイトに限られている点がネックでしょうか。
ASUS Chromebook CM30 Detachable
手軽さとコンパクトさでは「ASUS Chromebook CM30 Detachable」が現在最もおすすめの1台です。Kompanio 520 と8GBRAMを搭載し、本体収納式スタイラスペン、キーボードカバーとキックスタンドつきカバーを備えたタブレットタイプの Chromebookです。過去におすすめしていた「CM3 Detachable」の後継機で、性能が向上したことでより使いやすくなりました。
- ASUS Chromebook CM30 Detachable (CM3001) をレビュー。4G-LTE対応でさらに使いやすくなった名機
- ASUS Chromebook CM30 Detachable の 8GBRAM Wi-Fiモデルを実機レビュー
Amazon では63,454円で販売されています。なお、LTE対応モデルが au Online shop で販売されているため、持ち運びに特化させたい場合はそちらもおすすめです(ただし4GBGRAM)。
ASUS Chromebook CM14 CM1402C / CM14 Flip CM1402F
「ASUS Chromebook CM14 CM1402C」は、2023年5月に発売された新しい14インチスタンダードモデルです。14インチ フルHDディスプレイ、Kompanio 520 プロセッサと最大8GBRAM、最大64GBストレージを搭載しています。
8GBRAM/64GBストレージモデルでも49,800円と5万円以下に収まるため、バランスの良い1台としておすすめです。
一方、コンバーチブルタイプの「ASUS Chromebook CM14 Flip CM1402F」もあり。選べる構成も同じですがタッチ操作に対応した360度回転するヒンジを備え、さらに本体収納式のスタイラスペン搭載しています。
価格は少し上がって63,345円(Amazon参考)になりますが、性能と価格のバランスは悪くありませんので、タッチ操作とペン、コンバーチブルが必要なユーザーはこちらも検討する価値があります。
ASUS Chromebook CX1 CX1102CKA
「ASUS Chromebook CX1 CX1102CKA」は、11.6インチながらCeleron N5100と8GBRAM、32GBストレージを搭載し、重さは約1.21kgと持ち運びがメインになるユーザーにはちょうど良いモデルです。価格も42,800円と手頃なことが魅力です。
実際に4GBRAMモデルを試用してみましたが、クラウドベースの作業であれば十分な性能となっており、8GBRAMはさらにゆとりがありますので家庭用だけでなく学校やビジネスでもほとんどの場合で問題はないはずです。おすすめは8GBRAMモデルなので、購入時には4GBRAMモデルや古いモデルを買わないようお気をつけください。
ASUS Chromebook CX1(CX1500CKA)
15.6インチにテンキー付きのChromebookとして新たな選択肢になったのが「ASUS Chromebook CX1(CX1500CKA)」です。ノングレアのフルHDディスプレイで、Celeron N4500と8GBRAM/64GB eMMCストレージ、ポートもCとAが2つずつ搭載で価格は52,800円となっています。
堅牢性規格のMIL-STD 810H(ミルスペック)に準拠していたり、180度フラットに開く天板、最長11時間のバッテリー駆動などを備えています。5万円前後で 8GBRAM とテンキーを備えたモデルは少ないため、貴重な選択肢となります。
ハイスペック (Chromebook Plus) モデル
ほとんどのモデルが7万円以上となっていて、2020年後半から多くの機種が投入されたことで選択肢も増えましたが、購入のしやすさや使い勝手、価格を考えると案外選択肢が狭められてしまうのが現状です。
なお、昨年10月に Google が定義した「Chromebook Plus」というハードウェア要件を満たした Chromebook も2024年2月から日本国内で販売を開始しました。Chromebook Plus についてはこちらをご覧ください。
ASUS Chromebook Plus CX34 CX3402
2024年2月14日に国内初投入された Chromebook Plus モデルで、とてもバランスが良く筆者イチオシの1台が「ASUS Chromebook Plus CX34 CX3402」です。
ややバッテリー駆動時間が短いことと16:9のディスプレイですが、インテル第12世代 Core i3-1215U と8GBRAM、128GB UFS ストレージを搭載したハイスペックモデルで、ポートの充実やMIL-STD 810Hの堅牢性で約1.45kgと持ち運び許容範囲内、価格も79,800円と性能の割に手頃なことが魅力です。
ハイスペックモデルのスタンダードと言える仕上がりの1台なので、性能の高い Chromebook を最初に買うときにもおすすめです。
ASUS Chromebook Flip CX5(CX5601)
国内では現状唯一、アスペクト比16:10の16インチディスプレイを搭載するChromebookが「ASUS Chromebook Flip CX5 (CX5601)」です。このモデルはテンキー付きで、インテル第12世代Core i3-1215Uと8GBRAMを搭載するハイスペックモデルとなっています。
指紋センサはありませんが、USIペンをサポートしたコンバーチブルモデルで、サイズと性能のバランスがとても良く、据え置きで使いたいユーザーにはおすすめの1台です。また、通常価格は99,800円ですが、たびたびセールになって84,980円前後で購入できることも魅力です。
Acer Chromebook Plus 514 CB514-4H/4HT
日本エイサーが2024年6月に国内投入した Chromebook Plus デバイスの「Acer Chromebook Plus 514 CB514-4H/4HT」です。このモデルは14インチ フルHD、Intel Core i3-N305 と 8GBRAM、128GB ストレージを搭載したモデルです。HDMI はないものの USB-C と A が左右に1つずつ搭載され、microSDカードスロットもあるため、バランスの良い1台です。公式サイトの販売価格は79,800円です。
ASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus
現状、国内のコンシューマー向けに一般販売されている Chromebook および Chromebook Plus のなかで最も高性能と言えるのが、ASUS ExpertBook CX54 Chromebook Plus です。このモデルは 120Hz 対応の 14インチ 2560×1600 解像度ディスプレイ、Core Ultra 5 115U と 16GBRAM、128 GB SSD、2つの Thunderbolt 4 ポートと2つの USB-A (3.2)、HDMI ポート、8MP ウェブカメラ、最大12時間駆動バッテリー、MIL-STD 810H 準拠の堅牢性、指紋センサとスキのない構成です。
価格は154,364円(Amazon価格)と高価ですが、同性能のモデルを海外から輸入するとこれ以上の価格になるため実はお買い得です。ビジネスなどでハイエンドな Chromebook を求めているユーザーにはイチオシです。
購入の前の注意点
最後に、Chromebookを購入する前に気をつけてほしいことが2つあります。
自動更新ポリシーの期限
1つ目はChromebookの購入に際して気をつけて頂きたいのは、購入しようとしているChromebookの「自動更新ポリシーの期限」がいつまであるかということです。
この「自動更新ポリシーの期限」とは、GoogleがChromebookなどのChrome OSデバイスに定めたOSのアップデート保証期間のことで、最長で約10年間の期間が確保されています。しかし、この期間はデバイスごとに定められているため、発売日や購入日から10年ではないことに注意してください。
今の環境を置き換えられるか
Chromebookは、WindowsやMac OSとは違うOSのため、今まで使えていたアプリケーションなどが動作しない可能性は十分にあります。
例えばマイクロソフトのオフィスソフトはその例で、WindowsやMac OSのようにインストールして使うことができませんが、Web版のオフィスオンラインは利用することが可能です。
アクセスしていただければわかると思いますが、他OSにインストールして使うものよりもシンプルな機能しか搭載していません。また、専用ソフトやクラウド非対応の業務基幹ソフトなども使えない可能性があります。
そういった問題を回避するため、OSはWindowsやMacでもChromeブラウザだけを使ってクラウドベースで作業をしてみるなど、自分の環境でどこまで使えるかを確認しておくと安心です。さらなる問題解決として、Amazon WorkspacesといったVDIなどの導入などもあります。
実際にChromebookを導入するメリット・デメリットは皆様違うと思いますが、以下の記事で簡単に紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
当ブログでは、できるだけそういった情報もお届けしますし、今回のように都度おすすめ機種についても更新していきますので、これからもぜひチェックして頂ければ幸いです。