Google が配信した 2026 年 5 月の Pixel 向けアップデートには、Pixel 10 シリーズを対象としたブートローダーのアンチロールバックバージョンを引き上げる更新が含まれていることが確認されました。
これにより、5 月のアップデートより古い Android 16 ビルドへのフラッシュおよび起動ができなくなります。
OTA (自動配信) でアップデートを受け取る一般ユーザーへの影響はありませんが、ファクトリーイメージを手動でフラッシュする場合には注意が必要です。
なお、Pixel 10 シリーズへのアンチロールバック導入については 4 月の段階で報告されており、今回のアップデートでその内容が正式に実施されました。
アンチロールバックとは
アンチロールバック (ARB) 保護は、Android のセキュリティ機能のひとつで、ブートローダーに新しいバージョン番号を書き込み、悪意ある第三者がデバイスを脆弱性のある古いソフトウェアに強制ダウングレードさせるのを防ぐ仕組みです。
バージョン番号はハードウェアに直接紐付けられるため、一度更新すると元に戻すことはできません。


この変更は Pixel 10 シリーズが初めてではなく、2025 年 5 月のセキュリティアップデートでも Pixel 6 シリーズおよび Pixel 8 シリーズに対して同様の更新を実施しています。
手動フラッシュ時の注意点
ベータビルドの検証やカスタム ROM の導入など、ファクトリーイメージを手動でフラッシュする機会があるユーザーは、今回のブートローダー更新によって起動不能に陥るリスクがあります。これは Android の「シームレスアップデート」の仕組みに起因します。
シームレスアップデートでは、アップデート中もデバイスをそのまま使い続けることができます。これは、デバイス内にアクティブとインアクティブの 2 つのスロットを用意することで、バックグラウンドでアップデートを適用できるようになっているためです。
アップデートに失敗した場合は、インアクティブスロットのビルドからの起動を試みるフォールバック機構が働きます。
5 月アップデートを適用すると、アクティブスロットのブートローダーは新しいバージョンに更新されますが、インアクティブスロットには古いブートローダーが残ったままになります。
この状態でアクティブスロットへのフラッシュに失敗すると、フォールバック先のインアクティブスロットにある古いブートローダーがアンチロールバックの要件を満たせず、デバイスが起動できない状態になります。
Google が推奨する対処手順
Google はこの問題を回避するための手順を開発者向けサイトに公開しています。
- 2026 年 5 月のアップデートを適用し、一度正常に起動させる
- 対応するビルドのフル OTA イメージをサイドロードし、デバイスを再起動する
この手順により、両方のスロットに同じブートローダーバージョンが書き込まれ、フォールバック時の起動不能状態を防ぐことができます。
対象となるのは Pixel 10、Pixel 10 Pro、Pixel 10 Pro XL、Pixel 10 Pro Fold の 4 モデルです。Pixel 10a はこの変更の対象外となっています。
まとめ
OTA でアップデートを受け取る一般ユーザーは特に操作は不要です。
一方、ファクトリーイメージや手動フラッシュを活用している場合は、上記の手順に従って両スロットのブートローダーを揃えておくことで、万が一の際の起動不能リスクを回避できます。
なお、記事執筆時点では筆者の Pixel 10 Pro (Android 16 QPR3) でのアップデート展開は確認できていません。
- 関連記事:








