この記事では、2025 年 7 月 12 日から 7 月 18 日までの間にあった、Chromebook / ChromeOS および関連サービスの主な出来事をまとめる「週間まとめ」です。
今週は ChromeOS のマイナーアップデートの展開、Google が Android と ChromeOS を将来的に統合させる方針であることを再び明らかにしたこと、MediaTek Kompanio Ultra 910 を搭載した Lenovo の Chromebook Plus の実機レビューの投稿などがありました。
ChromeOS のマイナーアップデート展開(安定版、LTS)
今週は、ChromeOS および ChromeOS Flex の安定版となる ChromeOS 137 に対して、3 回目のマイナーアップデートが展開されました。
Google からはアップデート内容について言及はありませんでしたが、IssueTracker などで確認したところ、ChromeOS 137 のメジャーアップデート以後に発生していた Wi-Fi 接続の問題が修正されているようです。
当初、ChromeOS 138 で修正が提供されると言われていましたが、問題の影響を考えて早めにリリースした可能性があります。
一方、ChromeOS LTS (長期サポートチャンネル) では、深刻度「高」を含む 4 件の脆弱性への対処のためのセキュリティアップデートが提供されました。
ChromeOS と Android が将来的に統合することを再確認
昨年 6 月、Google は Chromium Blog を通じて ChromeOS に Android ベースの技術スタックを採用することを発表しており、昨年末にも ChromeOS に基幹技術を Android に置き換えるプロジェクトに取り組んでいることが報告されています。
今回、Google の幹部である Sameer Samat 氏が、インタビューのなかで「ChromeOS と Android を 1 つのプラットフォームに統合する予定」と発言したことで、Google が実際にこのプロジェクトに取り組んでいることが公の場で初めて明らかにされました。
その後、同氏はこの発言に関するフォローをしており、あくまで「Android の基盤技術の上に ChromeOS のエクスペリエンスを構築している」ことを伝えました。
つまり、目に見えない部分は Android ベースになるが、目に見える部分は ChromeOS を維持する方向性であることが確認されました。おそらく、Android の良い部分(柔軟性やメンテナンス性、AI 機能など)と ChromeOS の良い部分(操作性、高いセキュリティや管理のしやすさ)をミックスさせるような取り組みになると予想されます。
現時点ではこれ以上の詳細はありませんが、少なくとも「単純な統合」や「新しい OS」ではなく、両者の利点を生かしたプラットフォームになることが期待できます。
Kompanio Ultra の Chromebook Plus をレビュー
日本でもまもなく発売となる、Kompanio Ultra 910 を初めて搭載した Lenovo の Chromebook Plus Gen 10 (海外では Chromebook Plus 14 Gen 10) の実機レビューを投稿しました。
簡単にまとめると、このモデルは高性能 Arm チップ、OLED ディスプレイ、Dolby Atmos 対応スピーカー、多数の AI 機能を備え、パフォーマンスとバッテリー駆動時間の両立が特長です。特に、バッテリー駆動時間は驚異的で、使い方によっては 10 時間以上の連続使用が可能であり、外出先での作業に最適です。

価格も約 12 万円前後という手の届きやすいところで、筆者としては日常使用から学校、ビジネスまで幅広いユーザーに非常におすすめできる 1 台です。ただし、ファンレスであることやポート数が限られていること、4K モニターを使用している場合は安定しないことに注意が必要です。
「クイックインサート」の解説記事
前述の「Lenovo Chromebook Plus Gen 10」にも搭載されている「クイックインサートキー」とその機能である「クイックインサート」について、簡単な解説と使い方を紹介する記事を投稿しました。
あまり知られていないのか、使われていないのかは分かりませんが、知っておくと便利なこともあるので、もし Chromebook をお持ちであれば試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
今週は Android と ChromeOS の統合に関する話題が再燃し、「Chromebook 終わった論」が再び聞かれましたが、以前ほどはネガティブな意見は少ないように感じました
。すでに ChromeOS では Android アプリが使えるようになってからしばらく経過してることや、Android 基盤になるほうがより便利であることは想像できるため、ユーザーとしては特に否定する要素もないためだと思います。ビジネスユーザーとしては現状の ChromeOS のセキュリティや管理などに影響が出ないことに期待ですね。
最後に紹介している Lenovo Chromebook Plus Gen 10 については、2025 年 8 月 25 日から Amazon や家電量販店などで販売を開始しますので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。
- 過去の週間まとめ:
- Chromebook 週間まとめ (7/11週): Amazon プライムデー、特設ページ、モンハンコラボステッカーなど
- Chromebook 週間まとめ (7/4週): Kompanio Ultra 搭載モデル日本発売、ASUS 鉛筆操作対応など
- Chromebook 週間まとめ (6/27週): Kompanio Ultra 910 搭載機登場、新AI機能、Acer Plus 国内発売など
- Chromebook・Workspace 週間まとめ (6/20週): 137 更新、NotebookLM ウェブアプリ、Plus の機能紹介など
- Chromebook・Workspace 週間まとめ (6/14週): 137 安定版の展開、ASUS 教育向け新モデル発表など