2020年以降、スタイラスペンの新規格となる「USI」に対応したChromebookと「USI規格のスタイラスペン」が複数のメーカーから登場しています。
機種はあるけどペンがないメーカーやペンだけのメーカーもあるわけですが、現在国内外である程度の数が出揃って来たことと、まだこの規格の存在を知らない方や間違って購入される方もいるようなので、ここで一度まとめておきたいと思います。
ということで今回は、Chromebook向けの「USI規格対応のスタイラスペン」についてまとめ&紹介をしていきます。
USIペンとは
大雑把に説明すると「USI (Universal Stylus Initiative)」とは、スタイラスペンの新しい入力方式として2019年に発売されたHPのChromebookに初搭載され、それ以降はほぼChromebook専用として採用が進んでいるスタイラスペンの新規格のことです。
これまでスタイラスペンの入力方式で一般的だったのは、EMR方式やAES方式と呼ばれるものでしたが、それらとは違う、第3の選択肢がUSI方式となります。
そのため注意して頂きたいのは、Chromebook側でUSIをサポートしていないとUSIペンは使えず、EMRやAESに対応してもUSIに対応していなければ使用できないという点です。
USIペンの特徴
どのペンの規格にも一長一短はありますが、USIに関しては以下のような特徴が挙げられます。
- パームリジェクション対応
- 筆圧検知あり(4,096段階)
- 傾き検知あり
- 複数のペン使用をサポート
- ペアリング不要
- ※USB-C充電対応(電池式もある)
一部のペンでしか対応していないものもありますが、共通するのはパームリジェクションと筆圧・傾き検知がサポートされ、ペアリング不要であることが主な特徴になります。
またペアリング不要であるため、USI規格のスタイラスペンを1本持っていればそのまま複数のデバイスで使用することができますし。とくに設定など必要ないのも利点だと思います。
問題点としては、現状で発売しているメーカーが限られていることと、やや高価であるところですが、最近では安価に購入できるUSIペンが登場しつつあるため、これらの問題も今後解消される見通しです。
ChromebookメーカーのUSIペン
ではさっそくChromebookをリリースしているメーカーから発売されているUSIペンを紹介していきます。
HP USIアクティブペン
まずは国内外で初登場となった、HPの「HP USIアクティブペン」です。
- USI(Universal Stylus Initiative)規格対応
- 4,096段階の筆圧検知
- 9軸の感性測定
- 最大20日間のバッテリー
- USB-Cポート充電
- 電池残量確認インジケーター
- Chromebookとのペアリング不要
- マグネットによりくっつく(機種による)
- 長さ145mm、φ9.5mm
USB-Cによる充電に対応しているため、電池不要で軽いというのが特徴です。
USI規格でスタンダードなものと言えますが、少しお値段が高めなのが難点なことと、現状在庫切れが続いているため、購入できるかどうかわからないのが最大の問題です。
ちなみに「HP USIアクティブペン」については実機でレビューしています。
HP ワイヤレスリチャージャブル USIペン
これは現時点(2022/07/03)において、「HP Chromebook x2 11」専用状態となっていますが、マグネット式ワイヤレス充電に対応したUSIペンも存在しています。このペンについては「x2 11」のレビューで触れていますので、興味のある方はそちらをご覧ください。
公式サイトで10,780円にて販売されています。
Lenovo USI Pen
続いてLenovoから発売されている「Lenovo USI Pen」です。
こちらも基本仕様はUSI標準となっていますが、HPのペンとは異なり電池式になっています。
- Chrome OSに対応
- 4096段階の筆圧感知
- 単6形電池1個同梱
- バッテリー駆動時間 : 約150日程度 (1日に約2時間程度ご利用頂いた場合。使用状況により変動します。)
- 長さ:137.3mm 直径:9.5mm
- 重量:16g
また一般的なペンと同じくクリップが付いている点も特徴だと言えます。マグネットで本体にくっつけることもできますが、HPよりも磁力は弱いのでそこはあまり期待しないほうが良いと思います。
ASUS USI Pen SA300
続いて突如国内投入された「ASUS Chromebook Flip C436FA」とともに登場した「ASUS USI Pen SA300」です。
- USI準拠
- 4,096段階の筆圧検知
- 最大9ヶ月のバッテリー寿命
- 単6(AAAA)電池 / ユーザー交換可能
- ASUS Chromebook C436 / CT300 / C536 と互換性
- ペンホルダー付き
Lenovoと同じく電池式となっていてスタンダードな仕様ですが、他のスタイラスペンとは異なり専用のペンホルダーが付いてくるのが特徴です。
こちらは当初「ASUS Chromebook Flip C436FA」とのセット販売だけでしたが、一部家電量販店で単品での取り扱いがあるようです。
ただ現時点ではお取り寄せとなっているため、どの程度の時間がかかるかは未知数です。
その他のメーカー
Chromebookを出しているメーカー以外にもいくつかの選択肢が登場しています。ただし、一部は教育市場向けに限定されているため一般ユーザー(コンシューマー)が購入することができないことにご注意ください。
エレコム アクティブタッチペン 電池式 USIペン
国内のアクセサリメーカーとして一番乗りとなったのがエレコムの「アクティブタッチペン 電池式 USIペン」です。クリップ付きでスタンダードなUSIペンと言え、交換用のペン先が付属している点も他と変わらずです。
- 約141mm×約9.5mm
- ペン先経:約1.5mm
- 約20g(電池含む)
- 1日約90分の使用で約半年の使用時間
- 4096段階 筆圧検知
- 保証期間は6カ月
実際に購入してレビューしていますが、スタンダードなUSIペンの選択肢として考えて損はないと思います。
価格も4,000円前後で販売されていて、Amazonなどでも購入ができるため入手のしやすさと手頃さから、ペンを別売りで買うときには真っ先におすすめするUSIペンです。
ただ、似たような名前でUSIではないペンもありますので、必ず「USI方式対応 / Chromebook対応」となっているかを確認するようにしてください。
MetaPen USI Pen G1
USI 1.0規格でUSB-C充電式の新しい選択肢となったのが「Metapen USI Pen G1」です。このペンは交換用ペン先やポートのキャップなど細かいところまで行き届いていますが、ペンの形状や仕様は教育市場向けにリリースされている「MDS USI タッチペン」とほぼ同じのため、コンシューマー向けOEMと考えても良いかもしれません。
価格は約6,000円となりますが、Amazonや楽天市場で手軽に購入できるUSB-C充電対応USIペンは貴重ですので、検討する価値はあると思います。
教育市場向けUSIペン
この記事では個人向けを想定しているため、あえて個別に紹介しませんが教育市場向けに販売されているUSIペンには、ロジクールとエムディーエスのペンが挙げられます。
- Works With Chromebook認定の「ロジクール Pen USI スタイラス」が日本の教育市場向けにリリース
- エムディーエスのChromebook対応「USI タッチペン」をレビュー。 教育市場向けUSIペンの新たな選択肢
ロジクールは充電式、エムディーエスは充電式と電池式の2種類が用意されていて、価格もそれぞれ異なりますので導入時には用途や予算に合わせて選択が可能となります。日本ではUSIペンに限らず、ChromeOS向け周辺機器というのは限られていますので、どちらのメーカーもリリースしてくれたことには感謝です。
まとめ
ということで、現時点で実機を含めて確認できているUSIペンの紹介でした。
日本でも今後新しいメーカーがUSI対応のペンをリリースしてくる可能性もありますが、やはり現時点では限られたメーカーから、しかも数も限られているという点に注意してください。
もう少し在庫があるなど、入手しやすい環境になってくれれば良いのですが…。
以下の記事ではUSIペンに対応した機種を含め、当サイト管理人のオススメChromebookを紹介していますので、まだご覧になられていない方はぜひご覧頂ければ幸いです。