「Dell New Latitude 7350 デタッチャブル」を実機レビュー。ペンとタッチが必要な業務におすすめ

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今回の記事では、デル・テクノロジーズが国内法人向けとして2024年3月13日に発表した Latitude シリーズのうち、着脱式キーボードを採用した 2-in-1 タイプの Windows デバイス「Dell New Latitude 7350 Detachable (デタッチャブル)」のレビューをお届けします。なお、今回は実機の貸出を受けてレビューしています。

今年4月には Latitude シリーズや Precision シリーズ、OptiPlex シリーズなどから多数のラインナップが発表されており、前回は13.3インチの「Latidue 7350 Ultralight」の実機レビューをしています。今回レビューしている「New Latitude 7350 Detachable」も同じように、Intel Core Ultra プロセッサを搭載した1kg前後の軽量なノートパソコンですが、本体にキックスタンドが統合されたタブレットタイプであり、着脱式キーボードとスタイラスペンを備えていることが特長となります。

目次

今回の実機のスペック

まずは今回レビューしている「Dell New Laitude 7350 Detachable」のスペックから紹介していきます。

OSWindows 11 Pro
ディスプレイ13インチ IPS
2880×1920
反射防止・防汚加工
Corning Gorilla Glass Victus
低ブルーライト
タッチスクリーン
アクティブペン対応
CPUIntel Ultra 5 134U
RAM16GB LPDDR5X
内部ストレージ256GB NVMe SSD
外部ストレージ
Webカメラ8MP HDR IR
Windows Hello 顔認証
リアカメラ8MP
ネットワークWi-Fi 7 (Intel BE200)
Bluetooth 5.4
ポートUSB-C (Thunderbolt 4) ×2
3.5mm オーディオジャック
バッテリー46.5 Wh
その他指紋認証
キーボードバックライト
コラボレーションタッチパッド
アクティブペン
サイズ292.94×208×8.9mm
重さ本体のみ : 830g
キーボード+ペン込み :

今回のモデルはベースモデルに相当する構成で、Core Ultra 5 134U と 16GBRAM、256GB ストレージを搭載しています。最大では Intel Ultra 7 164、32GBRAM、1TBストレージを選択できるほか、5Gネットワークを選択することもできます。

法人向けモデルとなるため Intel vPro アドバンスマネージメントや保守サービスなどのサポートのオプションや期間延長・アップグレードを導入することができます。

デザイン

「Dell New Latitude 7350 Detachable」のボディはマグネシウムの本体(90%リサイクル)、キックスタンドはアルミニウム(75%低炭素リサイクル)を使用しており、本体の重さは約800g(実測)、着脱式キーボードとペンを含めた重さは約1.2kg(実測)となっています。

背面パネルは上部とキックスタンドで色の異なるツートンカラーを採用しており、落ち着いた色合いになっています。キックスタンドの開度はかなりあり、ペンでの筆記時などにはちょうど良い角度まで倒れます。

ヒンジ部分やキックスタンド部分もしっかりとした剛性感があるため、安心して使うことができます。ただ、サイズ的に膝の上に置いてキーボードと一緒に使う場合、使えないことはないですが不安定になるのであまりおすすめはしません。

着脱式キーボードを装着した状態の向きで、上部側面には電源ボタン、左側面には上から3.5mmオーディオジャック、ボリュームボタン、USB-C ポートがあり、右側面には USB-C ポートがあります。どちらの USB-C ポートも Thunderbolt 4 規格となっており、外部モニター出力や高速なデータ転送だけでなく、TB4対応のドッキングステーションなどを使うことで機能を拡張することもできます。

今回レビューしているモデルは背面パネル(電源ボタンの近く)に指紋センサが搭載されており、フロントカメラの Windows Hello 顔認証と含めて2つのログイン方法とセキュリティを選択することができます。

ディスプレイはタッチとスタイラスペン入力に対応し、アスペクト3:2を採用した13インチ 2880×1920 解像度となっています。Corning Gorilla Glass Victus やブルーライトを低減する ComfortView Plus を採用、反射防止と防汚加工が施されています。

IPS 方式と適度な明るさ、高解像度のおかげで画面の見え方はとても良く、事務的な作業やコーディングなどであれば長時間の作業でも負担が少なく使うことができます。色味に関しては何とも言えませんが、正確な色精度が必要な作業やデザイン向きではないと思います。とはいえ、デバイスのターゲットはそこではないため、ほとんどのユーザーは問題にならないはずです。

今回レビューしているキーボードは日本語配列で、エンターキー周りのキーは少し小さめですが、エンターキー自体はしっかりと幅もあり、それ以外のキーもキーピッチとサイズがしっかり取られているので、文字入力はしやすいです。打鍵感はしっとりとして、カチカチというタイプではありませんが打ちやすいです。

なお、キーボードはフラットにすることもできますし、本体側にマグネットでくっつけて角度をつけることもできます。角度をつけたときには下から浮くので文字入力はしやすく、キーボードそのものも柔らかい作りではないため、よほどのハードタイパー出ない限りは不安はないと思います。

ただ、角度をつけた使い方はあまり重視されていないのかもしれませんが、マグネットが少し弱めのため、ちょっと端末をずらしたときなどでもフラットな状態に戻ってしまうことがありました。大きな問題ではありませんが、傾斜をつけて使いたい人は少し気になるかもしれません。

また、キーボードの上部にはアクティブペンを収納・充電しておけるスペースがあり、ペンは左右どちらの向きでも収納することができますが、充電はピンと接触させるタイプなので裏表の向きの確認は必要です。

ちなみにこのキーボードはバックライトが搭載されており、オフ・50%・100%の3つの段階を切り替えることができます。さらに、今回の実機は日本語配列でしたがオプションで英語配列を選ぶこともできます。

タッチパッドについては、反応も滑りも良く、触り心地も含めてスムーズで扱いやすいです。ただ、細かい操作はやや苦手な印象を受けましたので、場合によってはマウスを用意しておくほうが良さそうです。

また、Dell New Latitude 7350 Detachable は着脱式キーボードですが、対応するオンライン会議アプリを使用すると操作のショートカットが表示されるコラボレーションタッチパッドを採用しています。

そのため、例えば Teams や Zoom を立ち上げて会議に参加している、タッチパッドの上部にショートカットが表示されて使えるようになります。出先などでノートパソコンから会議に参加することが多いユーザーには便利な機能です。オンになっていると白、オフの場合(カメラとマイク)は赤色に変わって分かりやすいことも便利です。

パフォーマンス

実際に「Dell New Latitude 7350 Detachable」を使ってみての印象ですが、私が普段から行っているブラウザベースの作業やオフィスソフトを利用した作業では、ほぼ不満のないレベルでスムーズに動作します。Chrome でタブを40個くらい開いても問題はありませんし、Word や Excel でも特に目立つ不満はありません。Lightroom による RAW 写真編集や Photoshop による簡単な画像編集もスムーズに行うことができます。

参考までに実機で測定した各ベンチマークソフトウェアの結果です。

ベンチマークソフトスコア
Geekbench Single2,071
Geekbench Multi8,582
Geekbench OpenCL14,408
Geekbench Vulkan17,775
PCMARK5,145
Passmark3,702
FF14
(高品質 ノートPC 1920×1080)
2,528
(設定変更を推奨)
FF14
(標準品質 ノートPC 1920×1080)
3,321
(設定変更を推奨)
BlueProtocol
(低画質 1920×1080)
4,710
(設定変更が必要)
Octane v2 Plus Single71,321
Octane v2 Plus Multi403,401
JetStream2233
Speedometer 320

一方、性能面では特に不満はないものの、高い負荷が長時間かかる(ベンチマークやゲームがその例)と CPU 温度が平均75℃くらいまで上がり、ファンが勢いよく回ります。負荷が下がればファンも落ち着きますが、負荷がかかっている間は一般的なノートパソコン並みにファンの音がします。また、本体の上部がかなり熱くなり、意識せずに触ると予想以上に熱く感じる可能性があります。

とは言え、Core Ultra 5 と16GBRAM を搭載することでビジネスでは十分な性能を備えており、CPU 性能を重視する作業であればほとんどは問題ないと思います。また、グラフィックス性能も決して低いものではないもののデバイスの形状や負荷がかかったときのことを考えるとあまり推奨はできません。しかしゲーム目的のデバイスではないですし、グラフィックス性能が重視されるデザインやCAD系の作業というより、持ち運びのしやすさを重視するデバイスなので、用途を間違えなければ問題はないはずです。

また、本体サイズはコンパクトですがディスプレイ解像度が高いことで2つまたは4つのウィンドウを並べた作業もでき、広さが必要な作業も効率的に行うことができます。ただ、解像度を上げればそれだけ見える文字なども小さくなるため、落ち着いて作業するのであれば外部モニターやポータブルモニターを使うほうがより効率的です。

私の場合、出先では Dell New Latitude 7350 Detachable を単体で使ったり、ポータブルモニターの Dell U1422H を組み合わせて使い、自宅では着脱式キーボードを外して外付けモニターに繋げ、別のキーボードとマウスで作業を行うスタイルがちょうど良かったです。

キーボードを外して使うことで、例えばオンライン会議に参加しながらホワイトボードアプリなどで手書きをする場合や、注釈を入れる場合などに Dell New Latitude 7350 Detachable は便利です。この他にもタブレットとして立ったまま使うことや、相手に画面を見せながら操作する場合などにも便利です。

バッテリー駆動時間に関しては、明るさを60%前後に設定してバランスモードで使うことで、ブラウザベースの作業を中心に行ったところ1時間あたり15%程度のバッテリー消費でした。そのため、重たい作業をしなければほぼ5時間は持ち、意識して使うことで7時間前後も期待できます。

全体的に仕事で使うデバイスとして「Dell New Latitude 7350 Detachable」はバランスが取れており、特に持ち運びのしやすさを重視するユーザーで、ペンでの筆記やタブレットとして利用する機会があるユーザーにはオススメできるモデルです。

価格

最後に価格についてですが、法人向けでベースモデルにあたる Core Ultra 5 と 16GBRAM、256GB ストレージを搭載したモデルは287,404円となっており、最上位モデルは346,670円となります。

同じスタイルの Microsoft Surface Pro 10 (法人向け)と比べて、着脱式キーボードとスタイラスペンが同梱された状態での価格になっているため、あちらよりも安価に購入できるというメリットはあります。このあたりの予算をどう捉えるかにもよりますが、AI 機能を含めてタブレットスタイルやペンを活用した業務が多ければ、Dell New Latitude 7350 Detachable は良い選択肢の一つになります。

まとめ

今回は法人向けの「Dell New Latitude 7350 Detachable」を使ってみましたが、デバイスとしての完成度は高く、デバイスを常に持ち運びするユーザーには良い選択肢になります。また、着脱式キーボードを採用していることで、タブレットとして使ったり、ペンを使うことが多いユーザーにこそおすすめできる1台です。

とはいえ、一般的なノートパソコンよりも少し高価になることも含め、予算を下げたい、タブレットスタイル&ペンの使用頻度が低い、もしくはほぼない、グラフィックス性能を重視する、長時間デバイスを駆動させることが多いのであれば、例えば「Latitude 7530 Ultralight」などが良いかもしれません。

このあたりは予算と用途によりますが、例えばセールスやマーケティング、エグゼクティブなどで持ち運びのしやすさと取り回しのしやすさを重視するのであれば、検討する価値はあると思います。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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