「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H」を実機レビュー。手頃な価格でちょうど良い Plus モデル

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「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H」を実機レビュー。手頃な価格でちょうど良い Plus モデル

今回の記事では、米国 Amazon.com から購入した「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H-R6G5」の実機レビューをお届けしていきます。

このモデルは日本未発売ですが、米国 Amazon.com から直送で購入することができ、しかもセールで本体価格は約300ドル(諸々込みで約5.5万円前後)というとても手頃な価格で買える Chromebook Plus モデルです。海外からの購入になるので当然リスクは付きものですが、この価格でこの性能であれば購入しても損はありません。

ということで、まずは「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H」のスペックから紹介します。

目次

スペック と ベンチマーク

ディスプレイ14インチ 広視野角
1920×1200
300nits
アンチグレア
CPURyzen 3 7320C
RAM8GB
内部ストレージ128GB SSD
外部ストレージmicroSD
カメラ1080p Webカメラ
プライバシーシャッター
ネットワークWi-Fi 6E
Bluetooth 5.1
ポートUSB-C ×2
USB-A ×1
HDMI ×1
3.5mm Audio
バッテリー最大12時間
その他MIL−STD 810H
DTS Audio
サイズ319×227×19.9mm
重さ1.45kg
自動更新ポリシー2033年6月

「Acer Chromebook Plus 514」は16:10のアスペクト比を採用した14インチ IPS ノングレアディスプレイを搭載、プロセッサには新しい Ryzen 3 7320C と 8GBRAM、128GB SSD を採用しています。なお、今回購入したベースモデルはタッチ非対応である点に注意が必要です。

実機を使用して測定した各種ベンチマークの結果は次のとおりです。

ベンチマークソフトスコア
Geekbench Single1,199
Geekbench Multi3,620
Geekbench GPU5,654
PCMARK12,797
CrXPRT2163
Octane v255,341
Octane v2+ (Multi)333,106
Jetstream2187
Speedometer176

以前、同じく Ryzen 3 7320C と 8GBRAM を搭載するモデル「ASUS Chromebook Plus CM34 Flip (CM3401)」を試していますがほぼ変わらないスコアとなっています。

このスコアを他の Chromebook で測定した結果と比較してみます。

  • acer-chromebook-plus-514-benchmark-geekbench single
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark-geekbench multi
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark- pcmark
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark- octane
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark- jetstream
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark-speedometer
  • acer-chromebook-plus-514-benchmark-crxprt2

インテル第12世代は相変わらずの性能ですが、Ryzen 3 7320C はインテル第10世代 Core i5 並かそれ以上のスコアとなっているため、Chromebook における処理速度としては高速で十分なレベルです。また、以前のレビューでもお伝えしたように Ryzen 7030C シリーズでは電源接続時とバッテリー駆動時に性能の大幅な差が発生しなくなったため、どちらで運用しても安定した性能で使うことができるようになりました。

より高い性能を重視するユーザーはインテル第12世代を選ぶべきだと思いますが、性能とバッテリー駆動時間のバランスの良さを選ぶのであれば Ryzen 3 7320C のモデルは良い選択肢だと思います。

使用感

「Acer Chromebook Plus 514」の実機レビューとポイントになる点をいくつか挙げていきます。

ディスプレイ

まず、「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H」はディスプレイが16:10のアスペクト比を採用した14インチ(1920×1200)のため、一般的な16:9のモデルよりも表示領域がわずかに広いことです。

ノングレアタイプで長時間使う場合の目の負担や映り込みを減らすことができますが、色域はsRGB 64% しかカバーしていないことや300nits未満の明るさのため、色合いが鮮やかではないこと、作業環境によってはディスプレイが見づらくなってしまうことがネックです。画面に強い明かりを受けないように位置も考える必要があります。

IPS なのでそこまでひどくはないですが、やや質を落としている印象です。そのため、屋外での作業や色をしっかり把握して画像や写真を扱いたい場合にはおすすめできませんが、簡単な編集であったりテキストベースの作業であったり、屋内や一定の明るさの場所での作業であればさほど問題はありません。

デザイン

全体的にメタル感が演出されているボディですが。実際に触ってみるとかなりプラスチック感が強いです。ただ MIL-STD 810H に準拠した堅牢性を備えているためヤワではなく、剛性はしっかりとしています。重さは1.45kgといたって普通なので、持ち運び頻度が高いユーザーにも悪くありません。

ヒンジは90度以上に開くとキーボード側が持ち上がるエルゴリフト構造を採用しており、最大180度のフラットまで開くことができます。

ポートは左側面に USB-C、HDMI、USB-A ポートがあり、右側面には USB-C、3.5mm オーディオジャックがあります。USB-C ポートはどちらも映像出力・充電に使うことが可能です。このあたりも含めて、Chromebook Plus でもスタンダードな位置づけです。

キーボードは至って普通の ChromeOS 配列(ただし英語)で、打鍵感は少しクリッキーな感じでしっかりと反発があり、文字入力はしやすいです。一方でタッチパッドも大きいため操作はしやすいですが、反応がフワっとしているというか甘い部分があるのがネックでした。

ちなみにベースモデルはバックライトキーボードではありません。

パフォーマンス

スペックとベンチマークに関しては前述したとおりですが、実際の使用感としても大きく変わらず、これまでの一般的な Chromebook よりも性能は数段上になっており、30個ほどタブを開いてマルチタスクの作業をしたり、Google Meet でオンライン会議をしながら作業をする場合でも安定して動作します。

また、Chromebook Plus ならではとして 1080p Web カメラを搭載、明るさを上げたり背景ぼかしや仮想背景を使っても負荷で不安定にならず、マイクもノイズキャセリングにも対応しているため仕事でも使いやすいモデルです。

さらに Chromebook Plus では Android アプリの Google フォトで消しゴムマジックや HDR 効果などの機能を利用したり、Adobe Photoshop Web 版の AI 機能を利用することもでき、どちらも安定しています。

Linux で VS Code を利用して簡単なフロントエンドのコーディングや Jupyter Notebook を利用したデータ分析でも安定して動作するため、学校や仕事でもワンランク上の安定性と快適性を求めるユーザーには Chromebook Plus モデルはおすすめです。そして価格も手頃で輸入しやすい「Acer Chromebook Plus 514」は初めて個人輸入& Chromebook Plus の購入を検討するユーザーにもちょうど良い1台です。

バッテリー駆動時間に関しても、公称値では約12時間となっていますが私の普段の使い方では5〜6時間あたりといったところでした。性能は Core i5-10210U相当でバッテリー駆動時間も最近のモデルと性能では長めの印象ですので、バランスは良いと思います。

気になる点

しばらく使っていて気になった点は次のようなものがあります。

  1. ディスプレイがやはり物足りない
  2. トラックパッドの反応がイマイチ
  3. スピーカーがイマイチ

1つ目の点は前述したとおりですが、照明を背にしていたりデスクライトを使っている場合でも明るさや位置によっては画面が見えづらくなってしまうのが残念でした。

2つ目はトラックパッドの反応がやや過剰で、表面も滑りづらく思ったとおりの反応をしないことが多かったことです。押し込んだときも「ペコっ」というようなチープな感じも少々残念です。とは言え、軽く使う程度であればそこまで気にはならず、長時間使うときにはこれはマウスを使えば解決します。

3つ目は DTS Audio と銘打っているものの、実際に音を聞いてみると結構チープな音です。音量はそれなりにありますが、プラスチックの筐体の影響なのか全体的に安っぽく聞こえてしまいます。そのため Chromebook 本体でちゃんと音楽を聞くのであれば、スピーカーは別に用意しておくほうが良いでしょう。

と、しばらく使っていてこの3点が主に気になりましたが、代用すれば良いもののため、全体的には満足しています。そもそも価格は5.5万円前後のデバイス(定価であっても7万円前後)なので、それを考えれば十分なレベルですね。

性能を上げつつも価格を抑えるためにディスプレイや指紋センサなどの質を抑えたという印象なので、そのあたりを理解した上で性能と価格を重視するのであれば「Acer Chromebook Plus 514」は良いモデルです。

まとめ

今回の記事では Amazon.com のセールで購入した「Acer Chromebook Plus 514 CB514-3H-R6G5」のレビューをお届けしましたが、セール価格で購入できるなら間違いなくおすすめです。

もちろん定価でも決して損はしませんが、その場合は現在の為替レートを考えると国内市場で正規販売されている ASUS の Chromebook Plus の2モデルも選択肢になってきます。

英語配列キーボードが必須かつ手頃な価格で Chromebook Plus が欲しいユーザーであれば「Acer Chromebook Plus 514」はおすすめですが、リスクを抑えたい、日本語配列キーボードが良いというユーザーは ASUS のモデルを検討するほうが無難です。

動画レビュー

YouTube で Acer Chromebook Plus 514 のレビュー動画を公開しました。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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