今回の記事では、ASUS JAPAN が 2026 年 5 月に国内投入を発表し、6 月 26 日から販売を開始した 15.6 インチ Chromebook「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたりデモ機の貸し出しを受けています。
このモデルは、MediaTek Kompanio 540 を搭載する一般向け Chromebook としては 3 機種目となり、 15.6 インチの大画面にテンキーを備えたクラムシェルタイプで、数字入力の機会が多いユーザーや、広い画面で作業したいユーザーに向けた選択肢となっています。
記事執筆時点では、公式サイトおよび Amazon での販売価格は 76,800 円 (8GB RAM / 64GB ストレージ) で販売されていますが、Intel N50 搭載モデル (CX1505) も引き続き約 5.8 万円で販売されているため、性能と価格のバランスをどう見るかがポイントになります。
CM15 (CM1505) のスペック
「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」のスペックは次のとおりです。
| 型番 | CM1505CM4A-464 | CM1505CM4A-864 | CM1505CM4A-8128 |
|---|---|---|---|
| ディスプレイ | 15.6 インチ TFT 1,920×1,080 60Hz リフレッシュレート ノングレア | ||
| CPU | MediaTek Kompanio 540 | ||
| RAM | 4GB LPDDR5X-6400 | 8GB LPDDR5X-6400 | |
| 内部ストレージ | 64GB eMMC | 128GB eMMC | |
| 外部ストレージ | なし | ||
| Web カメラ | 207 万画素 (プライバシーシャッター付) | ||
| ポート | USB-C (3.2 Gen 1) × 2 USB-A (3.2 Gen 1) × 1 HDMI × 1 3.5mm コンボジャック | ||
| バッテリー | 約 12.6 時間 | ||
| ネットワーク | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 | ||
| その他 | MIL-STD 810H 日本語キーボード (JIS配列) テンキー付き | ||
| 本体カラー | クリームピンク ミスティグリーン ピュアグレー ファブリックブルー | ||
| サイズ | 359.5 × 232.2 × 20.1 mm | ||
| 重さ | 約 1.56 kg | ||
| 自動更新ポリシー | 2036 年 6 月 | ||
| ベースボード | Phasma | ||
| リファレンスボード | Skywalker | ||
今回レビューしている実機は、8GB RAM と 64GB ストレージを搭載しているモデルです。他の構成とは、RAM とストレージが異なる以外に違いはありません。
デザイン・外観
本体は、過去何機種かの CM14 / CM15 シリーズに共通した和紙のような質感の樹脂素材を採用しています。MIL-STD 810H に準拠した堅牢性を備えており、たわみも目立たず全体的にしっかりとした作りです。


15.6 インチと大きめですが、約 1.56kg と同サイズ帯の Chromebook としては軽量な部類で、持ち運ぶ機会があっても大きな負担になりづらいことがメリットです。
ポート・インターフェース
ポートは、本体の左側面に 2 つの USB-C、1 つの USB-A、HDMI と 3.5mm ジャックが搭載されています。Intel N50 モデルに引き続き、初期の Celeron モデルとは異なる USB-C 2 ポート仕様になっています。右側にはケンジントンロックホールがあります。


充電と映像出力、周辺機器の接続が被らずに対応できますが、すべてのポートが左側にあることは好みが分かれます。筆者としては、右側に USB-C が 1 つあると取り回しがしやすくなるため、ここが惜しい点の一つです。
キーボードとタッチパッド
キーボードは「G」キーと「クイックインサート」キーを採用した新しいレイアウトで、スペースキーを削って英数・かな切り替えキーが配置されています。


このレイアウトだと、スペース隣の固定キーの配置が崩れないため、英語配列や Mac ユーザーでもそこまで抵抗がないことがメリットです。
エンター周りについては、ASUS の日本語配列らしく 「Shift / ろ」と「エンター / む」、「Backspace / ¥」が隣接しているレイアウトとなっています。ただ、幸いにも Backspace キー自体の幅がしっかりとあるため、慣れれば問題はありませんが、「¥」キーがかなり小さく削られているため、頻繁に使う場合には慣れが必要です。


テンキーを備えているため、数字入力の機会が多いユーザーには便利ですが、「¥」キーで入力する機会が多い場合には注意が必要です。
最近の ASUS は Chromebook に限らず Windows でも似たような配列を採用している傾向にあり、ここは毎回改善を期待したい点です。
タッチパッドについては、テンキーが搭載されているため中央から左寄りになっています。やや小さめのサイズですが、操作上の問題はなく、エントリークラスとして十分な使い勝手です。
ディスプレイ
ディスプレイは 15.6 インチに 1,920×1,080 解像度のノングレアパネルを採用しています。


一般的な FHD 解像度で反射しづらい画面のため、長時間の作業でも目への負担は少なめです。色味・発色・明るさもまずまずで、普段使いやドキュメント作成、表計算といったビジネス用途や学習用途、動画視聴などのライトな使い方であれば特に問題はありません。
タッチ非対応ですが、Android アプリを中心に使うといった用途でなければ、こちらも大きな支障はありません。
パフォーマンス
「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」で採用されている Kompanio 540 と 8GB RAM の組み合わせは、ブラウザベースの作業が中心であればおおむね快適に使えます。Google Meet をしながらスライドを操作したり、ドキュメントを編集するといった並列作業でも、ある程度のゆとりがあります。
Gmail / チャット、Gemini、スライドとドキュメント、スプレッドシート、検索画面などタブを 10 個程度開いた状態であれば、スムーズに作業ができます。ただし、一気にタブを開いたり、描画の多い Google データポータルやスプレッドシートの場合は若干重くなりますが、ほとんどのブラウザベースの作業は快適です。


とはいえ、これまでのレビューでもお伝えしているように、Kompanio 540 はエントリーからミッドレンジクラスの性能帯であるため、Intel N150 / N250 搭載モデルや Chromebook Plus ほどの性能はなく、負荷の高いマルチタスクや Android アプリの多重起動、Linux アプリをメインとした作業には向いていません。
実際に仕事中にアクティブなタブを 8 個開いているときと、その状態で Google Meet を起動したときの CPU / RAM 使用率です。




比較的余裕はあるものの、Google Meet 中の CPU 使用率は、仮想背景やぼかしを使わないと 35 〜 40% あたりに落ち着くものの、オンにすると 50 〜 75% と跳ね上がるので注意が必要です。
ベンチマーク
以下は、「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」の実機で測定した各種ベンチマークの結果です。
| ベンチマークソフト | スコア |
|---|---|
| Geekbench Single | 996 |
| Geekbench Multi | 1,917 |
| Geekbench Vulkan | 1,758 |
| PCMARK 10 | 10,288 |
| Octane 2.0 Plus Single | 40,447 |
| Octane 2.0 Plus Multi | 223,208 |
| JetStream 3 | 90 |
| Speedometer 3 | 6 |
| MotionMark | 638@60fps |
この結果は、同じく Kompanio 540 と 8GB RAM を搭載する「ASUS Chromebook CM32 Detachable」などと同等です。Kompanio 540 と近いクラスのチップセットとのベンチマーク比較については、以下の記事も参考にしてください。
バッテリー駆動時間
バッテリー駆動時間については、筆者の普段の使用状況で 6 〜 7 時間程度でした。
通常、筆者の使い方だと公称値のちょうど半分が実働時間になるケースが多く、このモデルの公称値は約 12.6 時間であるため、予想どおりの結果といえます。
MediaTek チップの場合、同クラスの Intel チップと比べて 1 〜 2 時間程度長く使えることがメリットです。使い方次第ではもう少し持たせることはできるため、充電できない時間が長い外出先での使用でも、安心して使うことができます。
価格と比較
「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」の販売価格は、8GB RAM / 64GB ストレージ構成で 76,800 円です。以下は各構成ごとの価格です。
- 4GB RAM / 64GB ストレージ : 64,800 円
- 8GB RAM / 64GB ストレージ : 76,800 円
- 8GB RAM / 128GB ストレージ : 89,800 円
一方で、Intel N50 を搭載したモデル「CX1505」が約 5.8 万円で引き続き販売されており、約 2 万円の差をどう見るかが選択のポイントになります。
以下は、CM15 (CM1505) と CX15 (CX1505) で異なる点です。
| CM1505 | CX1505 | |
|---|---|---|
| CPU | Kompanio 540 | Intel N50 |
| メモリ | 8GB LPDDR5X-6400 | 8GB LPDDR4X |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.3 |
| バッテリー駆動時間 | 約 12.6 時間 | 最大 8.2 時間 |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E Bluetooth 5.3 | Wi-Fi 6 Bluetooth 5.3 |
筐体やポートの仕様は両モデルで共通しているため、実質的な違いは CPU 性能とバッテリー駆動時間ですが、単純なブラウジングやドキュメント・スライド作業など、一度に一つの作業をする使い方や電源を確保できるのであれば N50 搭載の CX1505 でも十分です。
一方、Google Meet を使いながら別の作業をするといった並列作業が多い場合は、Kompanio 540 のほうがゆとりがあります。
昨今の PC 価格の上昇の影響は Chromebook も例外ではなく、過去の同クラスのモデルよりも高くなっている傾向があります。
そのため、Kompanio 540 と 8GB RAM の「CM1505」も悪くはありませんが、Intel N150 や N250 と 8GB RAM を搭載したモデル、あるいは Chromebook Plus がこの価格を下回ったり、同程度の価格で購入できるのであれば、そちらを選ぶのも良い選択です。
まとめ
「ASUS Chromebook CM15 (CM1505)」は、全体的に地味で無難な仕上がりですが、性能とバッテリーのバランスは良く、エントリー Chromebook の候補として申し分ない選択肢です。
15.6 インチとテンキーを備えながら約 1.56kg に抑えられており、大画面で数字入力の機会が多いユーザーには悪くない選択肢です。しかし、N50 / 8GB RAM から大きな変化がないことも事実のため、まだ販売されている以上、予算を重視するなら「CX15 (CX1505)」も検討してみてください。
とはいえ、今後 PC 価格の上昇傾向は続くと予想され、N50 モデルもいつまで販売されているかは分からないため、現段階で新しい Kompanio 540 搭載を選ぶのも決して悪くはありません。
なお、持ち運びを重視する場合やサブデバイスとして探している場合は、Kompanio 540 を搭載するタブレットタイプの「ASUS Chromebook CM32 Detachable」も選択肢の一つです。
また、同シリーズの 14 インチモデルも販売されているため、画面サイズにこだわりがなければそちらも検討してみてください。











