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Intel Panther Lake 搭載 Googlebook の開発状況と分かっていることまとめ

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2024 年から Intel の次世代モバイル向けプロセッサ「Panther Lake (PTL)」を採用する Chromebook Plus の開発が進められてきましたが、2026 年 5 月に Google が新しい「Googlebook」カテゴリを発表したことで、Panther Lake を搭載する Chromebook は「Googlebook」としてリリースされることになります。

すでに Chromium Gerrit の公開コードからは、Panther Lake 搭載 Googlebook の設計基盤となる「Fatcat」を中心に、Felino、Francka、Kinmen、Lapis、Ruby、Moonstone の 6 つのモデルの開発が進められていることが確認されています。

本記事では、記事執筆時点で確認できている Panther Lake を搭載する Googlebook の開発状況と、それぞれに分かっていることをまとめて紹介します。

更新情報

2026 年 7 月 14 日: 「Lenovo GB 15IPH12」というデバイスが TCO や Geekbench に掲載されていることを確認し、調査により「Ruby」であることが判明したため追記しました。

目次

Fatcat シリーズの構成

「Fatcat」は Panther Lake を搭載する Chromebook Plus 向けのリファレンスボード (量産機の開発前段階で使う設計基盤) として、2024 年末ごろに初めて確認されました。

その後、Google が進める ChromeOS と Android の統合プロジェクト「Aluminium (Aluminium OS)」と Fatcat が紐づいて開発されていることが分かり、2026 年 5 月に Google が発表した「Googlebook」カテゴリにおいて、Fatcat が Intel チップを採用する最初のシリーズとして扱われています。

現在確認されている 6 モデルの内訳は次のとおりです。

ボート名メーカーフォームファクタ
Felino(Acer)クラムシェル
Francka(Acer)コンバーチブル
Kinmen(Acer)クラムシェル
LapisASUSクラムシェル
RubyLenovoクラムシェル
MoonstoneAcerコンバーチブル

これらのモデルのうち、Lapis、Ruby、Moonstone については、開発コードの中から各メーカー (OEM) のロゴに言及する記述が確認されており、メーカーがそれぞれ ASUS、Lenovo、Acer であることが分かりました。

残されている Felino、Francka、Kinmen については、メーカーを直接示すような記述は見つかりませんでした。しかし、3 つのモデルのバッテリーに関するコードから、Acer のデバイスで採用されるバッテリーと、Acer のデバイスで表記される記述方式を確認することができたため、いずれも Acer 製になる可能性があります。

一方で、Google は Googlebook の初期リリースパートナーとして Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo の 5 社を挙げています。

今回の Panther Lake を搭載する Googlebook では、Dell と HP を示すような情報は確認できませんでした。ただし、この 2 つのメーカーは Qualcomm のチップを採用した Googlebook である可能性が示されています。

Fatcat の共通仕様と各モデルの仕様

Chromium Gerrit や AOSP (Android Open Source Project) の開発情報からは、Fatcat シリーズ全体で次のような構成が示されています。

  • プロセッサ: Intel Core Ultra Series 3 (Panther Lake)
    • Intel Core Ultra 5 335 (8 コア)
    • Intel Core Ultra 7 355 (8 コア)
    • Intel Core Ultra X7 または X9 (16 コア)
  • メモリ・ストレージ:
    • 16GB または 32GB RAM LPDDR5X
    • UFS または NVMe SSD Gen4 / Gen 5
  • ポート・インターフェース
    • 最大 3 ポートの USB-C (Thunderbolt 4 / USB4 対応を含む)
    • USB-A
    • HDMI
  • ネットワーク: 5G 対応あり (Fibocom FM350GL 5G Modem)
  • 電源: 最大 100W 急速充電に対応
  • その他:
    • 指紋センサ対応あり
    • キーボードバックライト対応あり
    • テンキー対応あり
    • Glow Bar (LED ライトバー) 搭載

 各モデルごとの詳細は以下のとおりです。

Felino

Felino は 2024 年末の開発初期に発見されたモデルで、タブレットモードや回転ヒンジに関する記述がないことから、クラムシェルタイプの設計であることが分かっています。

バッテリーに関するコードからは、SMP の「AP23B7Q」や LGES の「AP22A8N」「AP23A8L」といった型番が確認されており、いずれも Acer のデバイスで広く採用されているものです。

このほか、2 つの USB-C やテンキー、1,080p Web カメラ、SD カード (または microSD) リーダーを備える可能性がありますが、指紋センサやバックライトキーボードに関する記述は見当たりませんでした。

また、流出した出荷マニフェストには「Felino」の名称とともに、15.6〜16 インチ、テンキー付き、Panther Lake の上位チップ (X7 / X9 相当)、32 GB RAM、1 TB ストレージという構成が記録されていましたが、これは開発ボードで選択できる最大の仕様を示している可能性が高いです。

Francka

Francka はコンバーチブルタイプとして設計されており、テンキーを搭載していないことなどから、14 インチ程度になる可能性があります。

このほか、2 つの USB-C と 1 つの USB-A を搭載することも確認できます。また、指紋センサや 5G に対応する可能性があることもコードから確認されています。

こちらもバッテリーに関するコードから、「AP20CBI」や「AP23A8L」といった型番が確認されており、Acer のデバイスになる可能性を示しています。

Kinmen

Kinmen は 2025 年 4 月に開発が始まったボードで、テンキーを搭載していないことから 14 インチサイズになる可能性があります。また、タッチに対応したクラムシェルタイプとして設計されています。

このほか、2 つの USB-C と 2 つの USB-A、HDMI、最大 100W 充電のサポートを備えており、USB4 のサポートや指紋センサのオプションが用意されている可能性がコードから確認できました。

さらに Felino と Francka と同様に、Acer 製であることを示すバッテリーが記載されています。

Lapis

Lapis は 2025 年 9 月から開発が始まり、タッチ対応のクラムシェルタイプとして設計されています。こちらもテンキーを搭載しないことから、14 インチ相当のモデルになることが予想されます。

このほか、コードからは 2 つの USB-C と 1 つの USB-A、指紋センサを備え、キーボードバックライトはオプションとなる可能性が示されています。また、USB4 にも対応する可能性があります。

なお、Lapis は ASUS の Zenbook や Chromebook Flip CX などと同じ「C22N」というバッテリーが採用されており、ASUS 製であることが当初から示されていましたが、後に OS 起動画面のロゴに関するコードから、ASUS デバイスであることが確定となりました。

Ruby

Ruby は 2025 年 10 月から開発が始まったボードで、タッチ対応のクラムシェルタイプとして設計されています。

テンキーの有無についての記述はありませんが、18 列のキーマトリクスを備えていることから、14 インチまたはそれ以上のバリエーションも含まれる可能性が示されています。

このほか、コードからは 2 つの USB-C と 2 つの USB-A、HDMI、指紋センサー、1080p Web カメラを備えることが確認できます。さらに、別のコードから触覚タッチパッド (ハプティックタッチパッド) を搭載する可能性も示唆されています。

バッテリーに関するコードには、「smp,l24m4pk5」や「byd,l25b4pk5」といった記述が確認でき、過去の Lenovo の Chromebook の表記と一致しています。また、Lapis 同様に OS 起動画面のロゴに関するコードから、Lenovo のデバイスであることが確定となりました。

2026 年 7 月 14 日 追記: TCO データベースで「Lenovo GB 15IPH12」という型番を発見し、調べたところ「Ruby」に該当する Lenovo の Googlebook であることが分かりました。また、Geekbench でベンチマークが複数回登場していることも確認しています。

Moonstone

シリーズとして最後に開発が始まった Moonstone は、Kinmen から構成をコピーしていますが、こちらはコンバーチブルタイプとして設計されています。同様にテンキーなしの 14 インチクラスになると予想されます。

基本設計は Kinmen と共通しているようですが、USB-C ポートの 3 つのみが確認でき、USB-A や HDMI の搭載は確認できませんでした。一方、指紋センサやバックライトキーボードを搭載する可能性は示されています。

なお、USB4 への対応について、その後のコミットで 1 ポートだけが USB4 に対応することが確認されました。このほか、最大 100W 充電に対応しています。

Moonstone は、Kinmen と同じく Acer デバイスに多く採用されるバッテリーの記述があるほか、OS 起動画面のロゴに関するコードから、Acer のデバイスであることが確認されました。

「Fatcat」のベンチマークはすでに掲載

すでに Geekbench で「Google Fatcat」という名前のベンチマークが掲載されており、CPU 情報が Panther Lake の CPUID と一致していることが確認されています。

一方、Intel Core Ultra 5 335 で動作していると記載されていますが、公式の仕様と違いが見られるため、Core Ultra 5 335 であると確定したわけではありません。

とはいえ、Panther Lake 世代であることはほぼ間違いなく、発売に向けて着実に開発が進んでいることを示しています。

手頃な Wildcat Lake と次世代 Nova Lake も開発中

Fatcat シリーズと並行して、Intel のチップセットでは、より手頃な価格帯を想定した Wildcat Lake (Intel Core Series 3) と次世代の Nova Lake を採用する Googlebook の開発も進められています。

Wildcat Lake(Core Series 3)を搭載するモデルは、リファレンスボード「Ocelot」を起点に Ojal と MatsuKodkod と OcicatHekla の 5 つが確認されています。

一方、Nova Lake を搭載するモデルは、リファレンスボード「Atria」をベースに Penghu というデバイスの開発が始まっています。ちなみに、この Penghu は Moonstone からコピーして構築されており、コミット上では「すべてのコンポーネントが同じで調整するだけ」と記載されていることから、Acer のデバイスになる可能性があります。

まとめ

Panther Lake を搭載する Googlebook の開発は、Fatcat をベースに Felino、Francka、Kinmen、Lapis、Ruby、Moonstone の 6 モデルで進められています。

このうち Lapis は ASUS、Ruby は Lenovo、Moonstone は Acer のデバイスであることが確定しており、Felino、Kinmen、Francka の 3 モデルについては Acer 製になる可能性が示されているものの、正式な確定には至っていません。

Google が Googlebook の初期リリースパートナーとして挙げている Acer、ASUS、Dell、HP、Lenovo のうち、Dell と HP を示す情報は Fatcat シリーズの中では確認されていませんが、Qualcomm の Snapdragon X を採用する「Bluey」シリーズのモデルが両者に当てはまる可能性が示されています。

Intel チップを搭載する Googlebook としては、Fatcat と並行して Wildcat Lake と Nova Lake での 開発が進められています。

なお、各モデルの仕様やメーカーは開発状況から予想されたものであり、実際の製品とは異なる可能性があることに注意してください。

Googlebook だけを知りたい方に

Googlebook および Aluminium OS に関する情報は新サイト「GbookHub」でも随時お伝えしていきます。

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尾村 真英
Technical Writer
HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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