MediaTek が Googlebook 向けのチップにスマートフォン向け最上位ブランド「Dimensity」を採用することを、2026 年 5 月 14 日(現地時間)に発表しました。
Chromebook 向けとして確立されてきた「Kompanio」ブランドは引き継がず、新たに「Dimensity CX(Compute Experience)」というカテゴリーを設けて Googlebook 市場に参入します。
Dimensity ブランドの拡張
MediaTek の Dimensity ブランドは現在、スマートフォン向けの「Dimensity」、コンピューティング向けの「Dimensity CX」、車載向けの「Dimensity AX(Automotive Experience)」という 3 つのカテゴリーで構成されています。
今回の Googlebook 向け製品は「Dimensity CX」に位置づけられ、MediaTek は Googlebook が Android のテックスタックをベースに構築されていることを挙げ、スマートフォン向けで世界中の数十億台のデバイスをすでに支えてきた Dimensity プロセッサが Googlebook に対しても最適化された選択肢であると説明しています。


Android ベースのエコシステムとの共通性により、ソフトウェアの変換レイヤーを排除してハードウェアレベルでの AI 処理を深化させる、というのが MediaTek の主張です。
Kompanio ブランドが Chromebook 向けとして継続されるのに対し、Dimensity CX は新カテゴリーの Googlebook 専用として位置づけられます。
ただし、MediaTek はすでに今年 4 月に「One MediaTek」と題したブランド戦略の転換を発表しており、Kompanio などの製品ファミリー名はスペックシートの製品識別子として残しつつも、ファミリーブランドとしての対外プロモーションは段階的に縮小していく方針を示しています。
ローカル AI 処理への注力
Googlebook は Gemini Intelligence を前面に打ち出した AI ファーストのデバイスとして設計されており、MediaTek はその要件に応えるため、NPU(ニューラルプロセッシングユニット)によるデバイス上での AI 処理を強みとして訴求しています。
クラウドへの依存を減らし、低遅延のローカル AI を実現しながら終日使用できる電力効率を両立させることが、Dimensity CX の設計思想として示されています。
Sapphire への影響は不明
Googlebook 向けの Dimensity CX 採用が明らかになった一方で、現在 Lenovo が開発を進めている Googlebook 候補「Sapphire」への影響は不明です。
Sapphire はこれまで Kompanio Ultra をベースにしたボードで開発が進められてきたことが確認されており、Dimensity CX への切り替えが行われるのか、Kompanio Ultra のまま投入されるのかは明らかになっていません。
しかし、MediaTek の新戦略では Kompanio という名称そのものはスペックシートの製品識別子として存続するとされているため、Kompanio Ultra 910 搭載のまま Googlebook として投入される可能性は考えられます。
また、Dimensity CX が完全に新しいシリコンなのか、既存チップのブランド名を切り替えたものなのかについても、現時点では明らかになっていません。
まとめ
Googlebook の最初のリリースは 2026 年秋が予定されており、MediaTek・Qualcomm・Intel の 3 社がチップを適用することが発表されています。
今回の発表は Googlebook 全体を対象にしたものですが、具体的なチップの型番や搭載モデルの詳細はまだ公開されていません。
- 関連記事:








