Googlebook の正式発表から 2 週間が経ち、「今 Chromebook を買うのは損」といった意見も出ていますが、用途と予算次第では現状でも Chromebook を選ぶ価値は大いにあります。
この記事では、Googlebook 登場後も Chromebook を選ぶ理由と、逆に Googlebook を待つべきケースを整理します。
今 Chromebook を買っても「損」にはならない
まず、Googlebook が発表・発売されたからと言っても、すぐに Chromebook が使えなくなるわけではありません。
Google は Googlebook 発表後も Chromebook の継続方針を明言しており、既存の Chromebook はサポート期限まで引き続きアップデートが提供されます。また、企業・教育向けにも継続方針が改めて示されており、Googlebook への移行は段階的なアプローチが取られる予定です。
とくに 2021 年以降発売のモデルは最長 10 年間のサポートが保証されているため、今購入したとしても長期間にわたって安全に使い続けられます。
なお、現在販売されているモデル (主に 2026 年に発売される最新モデル) では、最長のサポート期限は 2036 年までとなっています。
一方で、Googlebook 自体のサポート期限についてはこれまで言及されておらず、ChromeOS のように Google が一律で保証するのか、Android デバイスのように各メーカーによって異なるのかについても、現時点では不明です。
用途が変わらなければ今でも十分
ウェブブラウジング、Google Workspace アプリ、動画視聴といったブラウザベースの用途に Chromebook を選ぶなら、Googlebook 登場後もその役割は変わりません。
ChromeOS への新機能追加ペースが今後さらに落ちる可能性はありますが、セキュリティアップデートと安定性に関する修正は引き続き提供されます。
また、現時点では Googlebook に搭載される OS (暫定的に Aluminium OS と呼ばれる) は Android がベースとなっているため、Web アプリに加えて Android アプリも安定して利用できるようになります。
選択肢が広がることはメリットになりますが、Android アプリをデスクトップ環境で快適に使うには、開発者側がデスクトップ向けのデザインガイドラインまたは大画面に対応している必要があります。
現状の Chromebook でも Android アプリを使えばわかるように、大画面に対応するアプリはまだ限られており、Googlebook のリリース時に実際に使えるアプリがどの程度あるかが課題となります。
結果として、Chrome ブラウザで必要な作業が完結しているユーザーにとっては、Android ベースに移行する理由はそれほど大きくありません。
移行対象かどうかは条件にしなくていい
また、Googlebook への移行対象となりうるモデルかどうかを確認したうえで購入するという考え方もあります。
現時点では、少なくとも Intel 第 12 世代以降の Core プロセッサや MediaTek Kompanio Ultra を搭載する Chromebook Plus が移行すると見られていますが、あえて「Googlebook に移行できること」を気にする必要はないと思います。
これは前述の用途にもよりますが、予算の範囲で用途に合った Chromebook あるいは Chromebook Plus が見つかれば十分です。
とはいえ、Chromebook でも Linux やマルチタスク、ブラウザでも高負荷な作業が多い(タブを大量に開く、描画負荷の高いアプリを使うなど)場合には、できる限り上位の性能のモデルを選ぶ必要があります。この場合、自然と Aluminium OS への移行対象モデルとなる可能性は高いです。
Googlebook は超プレミアムからスタート
Google VP の John Maletis 氏は、Googlebook の初期ラインナップについて「これらの最初のデバイスは超プレミアム」と明言しており、将来的にはより手頃な価格帯へも展開していく方針を示しています。
Google のシニアディレクターである Alexander Kuscher 氏も Wired に対して、Googlebook は「よりプレミアムなラップトップ市場の上位に位置づけられる」と語っており、海外では 699 ドル前後から購入できる Chromebook Plus をさらに上回る価格帯が想定されます。
日本では、為替や輸入コストの影響により海外の定価よりもさらに高くなる傾向があり、超プレミアム帯からスタートする Googlebook であれば、その差はさらに大きくなる可能性があります。また、昨今の情勢から PC 価格の値上げが行われており、Chromebook もその影響を受けています。
記事執筆時点では、Chromebook Plus モデルの下限は 8 〜 10 万円程度となっており、今後この価格帯が下限となる場合、Googlebook は 10 万円以上、場合によっては 20 万円を超えることになる可能性も十分に考えられます。
加えて、現時点では日本でのラインナップがどうなるかも不明です。過去の Chromebook の展開は海外で発売されたすべてのモデルが購入できるわけではなかったため、Googlebook でも同様の可能性が高いと考えられます。
ブラウザを中心とした用途であれば、今のうちに Chromebook を購入するほうが、コストの面でも悪い選択ではありません。
Googlebook が欲しいなら、素直に待つのが正解
Gemini など AI 機能との統合や、ネイティブな Android アプリ、Glow Bar や新しいカテゴリのハードウェアを求めるのであれば、Googlebook を待つのが正解です。
Googlebook には Intel、Qualcomm、MediaTek の 3 社からプロセッサが提供されることが確認されており、これまで追ってきた開発状況から、従来の Chromebook よりも各メーカーがユニークなデバイスを投入する可能性が高いことも魅力となります。
とはいえ、現時点ではスペックや価格を含めた詳細は発表されておらず、詳細な情報が出てから改めて検討するのが無難です。
ちなみに、Android ベースになることで Chrome ブラウザのアップデートやその他のアプリのアップデートの足並みが揃います。これにより、Chromebook では新機能展開の遅れが解消されたり、使えなかったアプリ・機能が利用できるようになるといったメリットもあります。
Chrome ブラウザを使い倒したいなら Chromebook が今も最適
Googlebook が Android ベースになることで、ネイティブアプリの動作やシステムの自由度が上がる点は魅力ですが、Chromebook の本質はそうした自由度にあるわけではありません。
Chromebook は軽量に最適化された ChromeOS 上で Chrome ブラウザを高速・安全・安定的に動かすことが目的であり、これまでの Chromebook が一貫して提供してきたものです。
これまで 10 年以上 Chromebook を使ってきた経験と様々な機種をレビューしてきた経験から、ウェブを中心に作業するユーザーにとって、この点での完成度は高いと感じています。
また、管理者視点でも、ポリシーの一括・クラウド管理というメリットも大きく、Google アカウントを管理することが Chromebook を管理することになるという点もシンプルで分かりやすいメリットでした。これが Android ベースに変わることでどう変化するかは、懸念の一つとなります。
いずれにしても、少なくとも純粋に Chrome ブラウザを快適に動かしたいというユーザーにとっては、依然として Chromebook が最良の選択肢です。
まとめ
予算の範囲で用途に合った Chromebook または Chromebook Plus が見つかるのであれば、いま購入を検討する価値は十分にあります。
一方で Googlebook を検討しているなら、価格やスペック、日本での発売モデルが出揃う秋以降まで待つことをおすすめします。
現行の Chromebook Plus の国内価格は 7 〜 15 万円台が中心ですが、超プレミアム帯からスタートする Googlebook の日本価格はそれを大きく上回ることが予想されます。
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