今回の記事では、ASUS JAPAN が 2026 年 5 月 22 日に国内発表した新しい Chromebook タブレット「ASUS Chromebook CM32 Detachable」の実機レビューをお届けします。
このモデルは、今年 1 月に CES 2026 で最初に発表され、MediaTek の Kompanio 540 を採用し、120Hz リフレッシュレートと 2,560×1,600 の高解像度な 12.1 インチディスプレイを搭載したデタッチャブルタイプであることが特長です。
さらに eSIM 対応のセルラーモデルも用意されているため、出先でもネットワークを気にせず作業できる実用性の高さも魅力です。
前モデル「CM30 Detachable」から大型化・高解像度化・高リフレッシュレート化・パフォーマンスの改善が行われており、ブラウザベースの作業が中心であればメインデバイスとしても活用できる仕上がりになりました。
スペック
今回レビューしている「ASUS Chromebook CM32 Detachable」のスペックです。
| ディスプレイ | 12.1 インチ 2,560 × 1,600 120Hz リフレッシュレート 最大 600nits タッチスクリーン USI ペン対応 指紋防止加工 Gorilla Glass 3 |
|---|---|
| CPU | Kompanio 540 |
| RAM | 8GB LPDDR5X-6400 |
| 内部ストレージ | 64GB eMMC |
| 外部ストレージ | – |
| ポート | USB-C × 1 3.5mm Audio jack |
| Web カメラ | 5MP |
| アウトカメラ | 5MP |
| ネットワーク | Wi-Fi 7 Bluetooth 5.3 4G-LTE (au) |
| バッテリー | 最大 13 時間 |
| その他 | MIL-STD 810H (24 項目) 磁気式ワイヤレス充電対応 USI ペン |
| サイズ | 本体のみ : 279.16 × 181.41 × 7.65mm 全部込み : 279.159 x 190.01 x 16.59mm |
| 重さ | 本体のみ : 0.625 kg 全部込み : 1.096 kg |
| コードネーム | Padme |
| リファレンス | Skywalker |
このモデルは上位モデルかつ 4G-LTE (eSIM) に対応したセルラーモデルとなっていますが、通常の Wi-Fi のみのモデルや 4GB RAM モデルも用意されており、合計 4 つの構成を選択できます。
なお、セルラーモデルは au 専売となっているため、au Online Shop や KDDI 店舗などで購入する必要があります。
ちなみに eSIM のセットアップは、Chromebook の [設定] > [ネットワーク] > [モバイルデータ] > [新しいプロファイル] > [スキャン] するか、同画面で「アクティベーションコード」を入力するだけで済みます。
デザイン
「ASUS Chromebook CM32 Detachable」は着脱式キーボードとキックスタンド付きカバーを備えたタブレットタイプで、Chromebook タブレットとしては久々の 11 インチ超えという大きめのディスプレイを採用しています。


前モデル「CM30 Detachable」の 10.5 インチから大型化したことで、全体の大きさも幅約 20mm、縦 11mm 程度の増加となりましたが、厚みは約 1.3mm 程度薄型化しています。


さらに、重さが 6g 程度しか増加しておらず、取り回しのしやすさはそのままで大画面ディスプレイになりました。実際にタブレットとして使ったときでも、そこまで重さを感じないため 12.1 インチサイズでも扱いやすいです。
Chromebook として使ったときには、本体左側面上部に電源ボタン、ボリュームボタンは上側面の左寄りに、USB-C と 3.5mm コンボジャックは右側面の下部にあります。


ポートは電源に接続しながら使っても邪魔になりにくい点はメリットですが、USB-C 1 ポートしかないため、複数の周辺機器を接続したり HDMI 経由でモニターに接続したい場合はハブが必要になります。
周辺機器は Bluetooth で充電以外使わないユーザーや、USB-C 対応ハブモニターなどがあれば気になりませんが、USB-C がもう 1 ポートあるとさらに便利です。
ディスプレイ
このディスプレイは 12.1 インチに 2,560×1,600 という高解像度なだけでなく、120Hz リフレッシュレートに対応している点が大きな特徴です。120Hz になることで画面表示がより滑らかになり、通常のカーソルやスクロール操作時、動画視聴時などによくわかります。


ちなみに Chromebook で 120Hz に対応しているモデルは少なく、今のところはごく一部の Chromebook Plus に限られています。
画面輝度も最大 600 nits と一般的な Chromebook よりも明るめになっており、色味や発色の良いため、動画視聴や写真編集・ペンタブ用途としても十分です。
なお、解像度は次のような選択肢があり、HD ディスプレイからの移行であれば 90% または 80% あたりが使いやすく、FHD 慣れしているなら 60% が便利です。
- 2560×1600 (50%)
- 2133×1333 (60%)
- 1829×1143 (70%)
- 1600×1000 (80%)
- 1422×889 (90%)
- 1280×800 (デフォルト)
タブレットとして使うなら 80%、Chromebook として使うなら 60% がちょうど良いと感じましたが、これは作業内容や目への負担などによっても変わります。
着脱式キーボード
「ASUS Chromebook CM32 Detachable」の着脱式キーボードも、前世代から大型化されたことでキー配置などが見直されています。また、新しい「G」キーと「クイックインサート」キーが導入された日本語配列キーボードになっています。


新しいキーボードは ASUS らしい日本語配列ですが、スペースキーの左右を「英数」と「かな」に置き換えており、alt / ctrl などのキーに影響がないため Mac 風に入れ替えているユーザー (alt と ctrl を入れ替え) も扱いやすいです。
右上の「Backspace」キーについては、相変わらず「¥」キーと隣り合わせになっていますが、「Backspace」キーのサイズは他のキーよりもわずかに小さい程度でほぼ同じなため、過去のモデルに比べて入力はしやすいです。


打鍵感はしっとりとした感じで、クリック感はさほど強くなく、キー配列に慣れれば長時間の入力作業でもそこまで負担はありません。
タッチパッドの反応も良く、サイズ感も一般的な11.6インチの Chromebook と同等で違和感がないことはメリットです。
キックスタンド付きカバーとペン
スタンド自体は従来どおりマグネットで背面に取り付けることができます。




一方で、今回のモデルは USI ペンが本体収納ではなく、本体背面にマグネットで吸着してワイヤレス充電するタイプに変更されているため、カバーもそれに合わせて変更されています。




Lenovo Chromebook 11 Duet Gen 9 と同じ位置ですが、あちらはペンをそのまま吸着させるだけなので落下させたり紛失しやすい点がネックでしたが、ASUS Chromebook CM32 Detachable はその心配が減っています。
ただ、ペン収納部分が追加された影響で背面に取り付けているマグネットが少し弱まったためか、スタンドを立てた状態で本体を少し手前に引いたときに、カバーが外れたりズレることがありました。といっても、意識すれば問題はありません。
なお、Samsung Galaxy Tab シリーズのケースのように覆っている部分を外すことはできません。
ASUS USI Pen (スタイラスペン)
新しい ASUS USI Pen は、Apple Pencil に似たデザインを採用しており、従来の本体収納式ペンよりもペンらしいデザインになりました。


USI 規格なのでペアリングは必要なく、4,096 段階の筆圧検知や傾き検知に対応してノートやメモ、イラスト用途にも対応します。
Web アプリでの筆記は通信の関係上、若干のラグがありますが、Android アプリを使う場合はスムーズな筆記ができます。パームリジェクションに対応しているかは明記されていませんが、古いモデルのようにポイントが飛ぶようなことはありませんでした。
ベンチマーク・パフォーマンス・バッテリー
すでに Kompanio 540 を搭載した Chromebook はレビュー済みですが、改めて「ASUS Chromebook CM32 Detachable」で測定した各種ベンチマークの結果を紹介します。
| ベンチマークソフト | スコア |
|---|---|
| Geekbench Single | 974 |
| Geekbench Multi | 2,106 |
| Geekbench Vulkan | 1,777 |
| PCMARK 10 | 9,953 |
| Octane 2.0 Plus Single | 42,757 |
| Octane 2.0 Plus Multi | 220,964 |
| JetStream 3 | 94 |
| Speedometer 3 | 6 |
| MotionMark | 325.16@90fps |
このスコアは前世代の「CM30 Detachable」に搭載されていた Kompanio 520 から大きく改善しており、Celeron N4500 モデルや Intel N50 よりも上の Intel N100 や Kompanio 838 と同程度のパフォーマンスです。
一方で、Intel N150 や Core 3 などの上位モデルに搭載されているプロセッサには届きませんが、過去数年のエントリークラスから順当に性能が向上しています。
また、Kompanio 540 はバッテリー駆動時間も比較的長く、例えば過去に試した Intel N100の実働が 5 ~ 6 時間の駆動時間でしたが、Kompanio 540 は 8 ~ 9 時間の駆動が期待できます。
今回のモデルは高輝度・高リフレッシュレート、タブレットタイプという点が影響したためか、想定よりもバッテリー駆動時間は少し短めの 7 ~ 8 時間でしたが、それでも Intel 搭載のエントリーモデルよりも長く使うことができています。
負荷がかかったり画面輝度を上げていると減りが早く感じるため、実働では最大 6 〜 7 時間程度と考えておく方が安心です。
実際の使用感
実際に 1 週間ほど「ASUS Chromebook CM32 Detachable」をメインで使っていますが、Kompanio 540 と 8GB RAM のおかげで、タブを 10 枚程度開いて並行作業する分には安定しています。


ただ、これらのタブを「おかえりなさい」で一気に開くときはカクつくこともあり、重たいスプレッドシートや Data Studio でグラフを描画するときなどでは、ハイエンドモデルに比べて読み込み時間が少し長い(ワンテンポ遅れる)といったことはあります。
また、15個以上のタブを開く作業や Google Meetと並行した作業はやや苦しく、Android や Linux アプリを複数動かすマルチタスクには向いていません。
しかし、Celeron N4500 や Kompanio 520 と比較しても明らかに動作は改善しているため、エントリークラスの Chromebook としては十分と言えます。
また、ネイティブ解像度で表示することで、たとえばドキュメントとスライドを並べたり、スプレッドシートで広くセルを見たいときなどにも便利です。最近では Google Workspace アプリ内で Gemini サイドパネルを利用する機会も増えているので、こういうときにも高解像度モデルは便利です。


12.1 インチサイズでキーボード&カバー&ペン込み 1.1kg 以下という重さのため、持ち運びや取り回しがしやすく、とくに eSIM 対応モデルは外出先で使うには便利です。Wi-Fi モデルでも、持ち運ぶ機会が多いユーザーにはおすすめです。
また、外部出力も 2560×1440 まで出力できるとは確認できているため、自宅ではモニターと組み合わせるという方法もありです。


ブラウザ作業がメインで重たい作業をしないのであれば、タブレット本体の画面をサブにして、外部モニターと外付けキーボード&マウスを使うといった活用も可能です。
このサイズだと、ペンを使うユーザー以外はタブレットとして使う機会は少ないかもしれませんが、動画視聴や大判の本を読むときなどや、学校や仕事で他の人に画面を見せるときに使うときにもキーボードを外してキックスタンドだけで使うというのが便利です。


一方で、指紋センサが非搭載であることや、プライバシーシャッターがないことは人によっては残念かもしれません。とくに指紋センサはパスキーを利用しやすくなるため、これが搭載されていればタブレットとしての使い勝手がさらに良くなる可能性があります。
価格について
「ASUS Chromebook CM32 Detachable」は、Wi-Fi のみ対応と eSIM 対応を合わせた 4 つの構成が用意されています。構成と価格は次のとおりです。
- 4G-LTE 対応セルラーモデル
- 8GB RAM / 64GB eMMC : 99,800 円
- Wi-Fi 対応のみモデル
- 4GB RAM / 64GB eMMC : 74,800 円
- 8GB RAM / 64GB eMMC : 74,800 円
- 8GB RAM / 128GB eMMC : 94,800 円
昨今のコスト高が影響し、エントリークラスのモデルとしては少し高めの値段ですが、タブレットタイプであることや大型化・パフォーマンス改善などを考慮するとトレードオフと言えます。
セルラーモデルは一択となりますが、Wi-Fi モデルには 3 つの選択肢があるうち、8GB RAM / 64GB eMMC ストレージモデルが最もコストパフォーマンスに優れています。
とはいえ、この価格だと高性能な Chromebook Plus にも手が届いてしまうため、軽量・高解像度なペン付きタブレットタイプが必要かどうかが判断の分かれ目となります。
一方で、セルラーモデルは現状の大型 Chromebook タブレットとして唯一の選択肢のため、どこでも使いたい場合には検討する価値があります。
まとめ
ASUS Chromebook CM32 Detachable は、昨年までのエントリーモデルからパフォーマンスが改善し、全体的にバランスの良いデバイスという印象です。
15 個以上のタブを開く作業や重いアプリを複数動かすマルチタスクには向いていませんが、10 個程度のタブとドキュメント・スライド作成といった作業であれば、ストレスなくこなすことができ、ほとんどのユーザーには十分なレベルです。
出先でネットワークを探す手間を省きたい方や、ペンを使った筆記、電子書籍の閲覧といったタブレットならではの用途を重視する方には特におすすめできます。
また、現状では eSIM 対応かつ最新チップを搭載した 12.1 インチ Chromebook タブレットはこれが唯一の選択肢となるため、セルラーモデルを検討される方は au Online Shop や KDDI 系列の店舗でご確認ください。









