MediaTek が昨年発表した Chromebook 向けの新しいチップセット「Kompanio 540」を採用するモデルは、 2026 年に入ってから各メーカーから順次発表・販売を開始しています。
記事執筆時点では、まだ日本国内での販売は開始されていませんが、一足先に Kompanio 540 を搭載した Chromebook の実機を購入できたので、今回の記事では Kompanio 540 のベンチマークスコアについて紹介していきます。
この記事で使用した実機「Lenovo Chromebook m 14″ (14M8911)」の実機レビューを公開しました。詳しくは以下の記事をご覧ください。
Kompanio 540 のポイント
Kompanio 540 は、学生向け Chromebook への搭載が想定された新しいエントリークラスの新チップで、Kompanio 520 の後継として 2025 年 10 月に発表されました。
MediaTek の公表によれば、前世代の Kompanio 520 と比べて、CPU のシングルコア性能は 50% 向上、マルチコア性能は 30% 向上、グラフィックス性能は 75% 向上、バッテリー駆動時間は最大 35% 向上しています。
さらに、Wi-Fi 7 のサポートや、より高解像度な内蔵ディスプレイと外部モニター出力、LPDDR5 / UFS 3.1 などのより高速な規格に対応するといったアップグレードも含まれています。
この Kompanio 540 は、520 からの直接的な後継というよりも「Lenovo Chromebook Duet 11 Gen 9」に搭載されている Kompanio 838 と共通した仕様を備えているため、従来のような完全にエントリー向けというよりも、ミッドレンジに近い性能となっていることが特長です。
より詳しい仕様と比較については、以下の記事でまとめています。
Kompanio 540 のベンチマークスコア
以下のベンチマークは、Kompanio 540 と 8GB RAM を搭載する「Lenovo Chromebook m 14”」で実際に測定したものです。比較対象として、前世代 Kompanio 520 / 8GB RAM と上位の Kompanio 838 / 8GB RAM を搭載した実機でのベンチマークスコアと並べたものを掲載しておきます。
| Kompanio 520 / 8GBRAM | Kompanio 540 / 8GBRAM | Kompanio 838 / 8GBRAM | |
|---|---|---|---|
| Geekbench (Single) | 650 | 1,006 | 1,013 |
| Geekbench (Multi) | 1,619 | 2,097 | 2,275 |
| Geekbench (GPU Vulkan) | 0 | 1,785 | 1,876 |
| PCMARK | 7,350 | 9,854 | 10,665 |
| Octane 2.0 Plus (Single) | 22,642 | 42,341 | 37,347 |
| Octane 2.0 Plus (Multi) | 155,121 | 225,467 | 204,724 |
| JetStream 2 | 73 | 139 | 121 |
| JetStream 3 | – | 91 | 93 |
| Speedometer (2.0) | 57 | 75 | 94 |
| Speedometer (3.1) | – | 6 | 6 |
| MotionMark | – | 768 | 836 |
この数字を見る限り、MediaTek が公称しているとおりのスコア向上がしっかりと確認できます。また、ミッドレンジ向けの Kompanio 838 とほぼ同等のスコアを記録しており、エントリークラスのチップとしては優秀です。
続いて、同クラス帯で広く採用されている Intel 製チップセットとの比較結果です。
| Geekbench (Single) | Geekbench (Multi) | Octane 2.0 Plus (Single) | Octane 2.0 Plus (Multi) | Speedometer 3 | |
|---|---|---|---|---|---|
| Core 3 100U / 8GBRAM | 1,931 | 5,943 | 88,414 | 403,773 | 19 |
| Intel N100 / 8GBRAM | 1,018 | 2,197 | 46,954 | 172,355 | 9 |
| Kompanio 540 / 8GBRAM | 1,006 | 2,097 | 42,341 | 225,467 | 6 |
| Intel N50 / 8GBRAM | 1,033 | 1,383 | 49,149 | 144,437 | 11 |
| Celeron N4500 / 8GBRAM | 467 | 756 | 28,180 | 123,317 | 5 |
| Celeron N4020 / 4GBRAM | 340 | 540 | 20,379 | 100,714 | 4 |
このベンチマーク結果から、Kompanio 540 は一部のミッドレンジモデルに採用されていた Intel N100 と近い性能を備えていることがわかります。
昨年までのエントリークラス Chromebook に多数採用されていた Celeron N4500 のスコアを大きく上回り、Intel N50 と比較してもマルチコア性能で優位に立っています。
実際に動作を確認してみても、もたつく感覚は抑えられており、エントリークラスの Chromebook としては十分に快適なパフォーマンスを発揮できる水準に達しています。
バッテリー駆動時間について
Kompanio 540 の実使用におけるバッテリー消費は、筆者の平均的な使い方で 1 時間あたり 8 〜12% といった結果で、実働 8 〜 10 時間程度の駆動時間が期待できます。
また、上位モデル Kompanio 838 を搭載した「Lenovo Chromebook Duet 11 Gen 9」は 7 〜 8 時間程度のバッテリー駆動時間でしたが、画面サイズが小さいことで、今回の検証時ほどの負荷をかけていませんでした。
そのため、より高負荷な作業で試した Kompanio 540 は、520 や 838 よりも長いバッテリー駆動時間が期待されます。
Intel N50 や N100 では、同じような作業をして 5 〜 6 時間あたりが一つの目安でしたので、Kompanio 540 はバッテリー駆動時間とパフォーマンスのバランスを重視するユーザーに向いています。
まとめ
Kompanio 540 を搭載する Chromebook は日本国内ではまだ発売されていませんが、Intel N100 に近い性能を備えつつ、バッテリー駆動時間の長さが特長となります。
あとは価格次第となりますが、今後のエントリー向け Chromebook の新たな選択肢として、外出先で充電を気にせず長時間使いたい学生やビジネスユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢になると言えます。
なお、今回ベンチマーク測定に使用した実機「Lenovo Chromebook m 14″」のファーストインプレッションは X で投稿しています。


