Google は 2025 年 9 月 19 日 (現地時間)、長期サポートチャンネル (Long Term Support: LTS) を利用しているほとんどの ChromeOS デバイスに対し、新たなマイナーアップデートの展開を開始しました。
このアップデートには選択された 2 件のセキュリティ修正が含まれており、バージョンは 132.0.6834.244 (プラットフォームバージョン: 16093.118.0) へと更新されます。
セキュリティ修正の内容
今回のアップデートで修正された主なセキュリティ脆弱性は次のとおりです。
- CVE-2025-10200 (深刻度: Critical): Serviceworker における解放済みメモリの使用 (Use after free)
- CVE-2025-8881 (深刻度: Medium): File Picker における不適切な実装 (Inappropriate implementation)
「Use after free」は、プログラムが不要と判断し解放したメモリ領域に再度アクセスすることで発生する脆弱性です。これにより、予期せぬ動作を引き起こしたり、最悪の場合、悪意のあるコードが実行されたりする可能性があります。今回は特に深刻度が「Critical (緊急)」と評価されており、迅速な対応が求められます。
「Inappropriate implementation (不適切な実装)」は、プログラムの機能が設計通りに実装されていないために生じる脆弱性です。今回のケースではファイルピッカーに問題があり、セキュリティ上の制約を回避される可能性がありました。
今回の修正は、システムの安定性とセキュリティを維持する上で重要な対応となります。
LTS (長期サポート) チャンネルとは
LTS (長期サポート) チャンネルは、機能の安定性を特に重視するユーザー向けに提供されるリリースチャンネルです。通常の Stable (安定版) チャンネルが約 4 週間ごとにメジャーアップデートを受け取るのに対し、LTS は 6 ヶ月ごとにメジャーアップデートが提供されます。
そのため、アップデートの頻度を抑え、安定した動作環境を長期間維持したい企業や教育機関での利用に適しています。
まとめ
今回のアップデートは、深刻度が「Critical」と評価された脆弱性への対応を含む、重要なセキュリティアップデートです。LTS チャンネルを利用しているユーザーは、デバイスを安全に保つため、早めにアップデートを適用することが推奨されます。
アップデートは、今後数日から数週間かけてすべての対象デバイスで利用可能になる見込みです。
なお、次回の LTS 向けメジャーアップデートは、2025 年 10 月 14 日に予定されており、ChromeOS LTS-138 への更新が行われる予定です。
出典: Chrome Releases