EDIX 2025 で見つけた Chromebook と Google Workspace for Education の動向  

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EDIX Tokyo 2025

今回の記事では、東京ビッグサイトで 2025 年 4 月 23 日から 25 日まで開催された日本国内で最大級となる教育分野向け展示会「教育総合展 / EDIX 2025」の参加レポートをお届けしていきます。

視点は教育関係者ではなくいちユーザーとなりますが、Chromebook はもちろん教育向けならではの製品、企業でも使えそうなサービスやデバイスが様々展示されていました。また、Japan IT Week が並行して開催されており、企業向けの IT / DX サービスやソリューションなども見ることができました。

ただし、今回も取材範囲に限りがあったため、Chromebook/ChromeOS を中心とした展示に焦点を当ててレポートしています。

目次

Google Workspace for Education / ChromeOS 関連

最初は Google for Education のブースから。今回も様々なミニセミナーが行われていましたが、昨年までとは違ってデバイスの紹介というより、Chromebook と Google Workspace の実際の導入事例や活用事例など、より「現場」に近い内容が中心となっていました。

Chromebook と Google Workspace は GIGA スクール構想でシェアを伸ばし、導入事例も多く報告されるようになったことから、PR のポイントを転換したのかもしれません。

また、Google ブースでは今年 1 月末に開催された BETT 2025 (海外の大規模教育向け展示会)で発表されている Google Workspace for Education の新機能「Class Tools (クラスツール)」や、Gemini と NotebookLM などの紹介も行っていました。

「Class Tools」は、Google Workspace for Education Plus で利用可能で、管理対象の Chromebook に向けてデジタルワークブックの作成、コンテンツの共有と生徒の画面への固定表示、リアルタイムで生徒へ個別サポートなどが可能になる機能です。

Gemini については海外で年齢に関するポリシーが変更されており、10代(13歳以上)の学生向け Gemini アプリの提供が開始されています。Class Tools と同様に日本でも年内に提供予定とされていました。

一方、NotebookLM は最近人気が出ており、ビジネスだけでなく勉強や研究など幅広い用途で使うことができる便利なツールです。これについては主に教員向けの使い方が紹介されていました。

なお、ブース内の機能のデモでは ChromeOS 132 から導入された「顔コントロール」で Android のレースゲームをプレイするというものがありました。

慣れるまで時間はかかりますが、意外とプレイできました。実際の Chromebook に搭載されている Web カメラを使いましたが、表情をちゃんと認識して動作するのはさすがです。

ちなみに「外部の Web カメラを使ってプレイできるか?」と質問してみましたが、よくよく考えたら ChromeOS では常時外部カメラを設定する項目がない(アプリ起動時にのみ表示される)ため、「顔コントロール」だけのために外部カメラを使うことはできないようです。

Chromebook 関連

Chromebook などデバイスの面では、今年はすでに GIGA スクール構想 第 2 期向けに新機種が投入された後になるため、既存のデバイスの展示がほとんどでした。

ただし、いくつかの国内未発表機種が展示されており、例えば、BETT 2025 で発表されている Acer Chromebook Tab 311 や新しい Acer Chromebook Spin 311 (ROA731T/TN)、新しい ASUS Chromebook CR11 / CR12 シリーズと、ASUS Chromebook CB14 (CB1405) などがありました。あとコンシューマーで見かけることはほぼない、NEC Chromebook Y4 も。

また、新製品ではありませんが、日本HPとチエル社が協力して CEU の管理・登録機能を拡張するサービス「InterCLASS Console Support 」に、新たにバッテリーの経年劣化やネットワーク速度を管理画面で一覧把握できる機能を導入したことが推されていました。

これは通常 1 台ごとに費用がかかりますが、HP の Chromebook を購入すると無償でバンドルされるため、台数が多くなるほどお得です。

このほかには、Dynabook のブースではより子どもに近い環境を再現した実演(デモ)コーナーや ASUSブースでは耐久性の参加型デモなどを行っていました。

ちなみに先日投稿したように、今年の CES 2025 で発表された 14インチの Lenovo Chromebook Plus 2-in-1 も展示されていました。

最後に、今回のイベントでは MediaTek が出展しており、これまでリリースされた Kompanio チップシリーズ搭載の Chromebook の展示と、今月初めに発表されたばかりの「Kompanio Ultra 910」に関する情報が出ていました。

残念ながら Lenovo からのリリースが期待される Chromebook 「Navi」 の情報は貰えませんでしたが、近いうちに何らかの動きがあることは間違いなさそうなので、MediaTek の今後の動向に注目ですね。

まとめ

全体的に、GIGA スクール構想第 2 期における戦いが終わり、いったん落ち着いた雰囲気があるようにも思いました。しかし、様々なサービスの参入や拡張が示すように、デバイスとサービス導入後の活用の拡張や今後の授業における変化などは激しくなりそうです。

教育関係者でなくても、最新のChromebookや教育向けIT技術のトレンドを知ることができるイベントですので、もしスケジュールの都合ができれば、足を運んでみても面白いかもしれません。

なお、次回は 2026 年 5 月 13 日から 15 日に開催される予定です。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Technical Writer

月間平均130万PVの当サイトを8年以上運営している 尾村 真英 です。これまでに 50台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動中で、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。

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