9月25日から27日までの3日間、インテックス大阪にて『学校・教育 総合展(EDIX)関西 2019』 という教育者向けの展示会が開催されていました。
昨年、ちょこっとだけGoogleブースで登壇させてもらった展示会なわけですが、今回はChromebookが教育現場でどのような活用がされているか、活用のためのツールなどについて興味がありましたので、セミナーなど聞く目的でフラフラと2日間行ってきました。
で、やっぱり今回もしれっと色んなChromebookが展示されていまして、かなり気になるモデルも置いてありましたので、写真OKなモデルとともに、個人的に気になったサービスやツールも紹介しておこうと思います。
気になるChromebookたち
今回のEDIXでは、なんと国内でChromebookをリリースしているメーカーが勢揃いしていました!
Chromebookをリリースしていて、国内でも有名なメーカーであるHPが日本未発売でしたが、今年に入って突如として「x360 14」と「x2」を発売したので、国内で海外メーカー有名所が出揃ったという感じです。
さらに、HPとAcerは今回の展示で参考出品として、日本未発売のモデルを展示していました。
参考 : HP Chromebook x360 11 G2 EE
このモデルは、今年の1月末に海外で発表されている「HP Chromebook 11 G2 EE(Education Edition)」というChromebookです。
落としたりぶつけたりしても被害を抑えるため、側面部分をポリマー樹脂で保護していたり、タブレットモード時のアウトカメラが搭載されているのが特長的です。
スペックについては、海外発表時点でまとめていますのでそちらをご覧頂くとして、2019年のChromebookとしては割とスタンダードなモデルとなっていますので、教育現場はもちろんのこと、ビジネスでも問題なく使える1台だと思います。
ただ、重さがネックか…。
今回はあくまでも参考出品ということなので、国内投入についてはまだしばらく間が空きそうですが、ここに展示されたということは期待しても良いんじゃないかなと思います。
参考 : Acer Chromebook Spin 311
ふつーに置いてあったのでスルーしそうになりましたが、そう、このモデルも今年の1月末に発表されている「Acer Chromebook Spin 311」なんです。
あっ、赤いAMD A4のシールが貼られていますね。
この「Spin 311」は、MILスペックに準拠した堅牢性を備え、60kgの耐荷重や122cmの落下テストをクリアし、330mlの液体がこぼれても独自の排水設計による防滴キーボード仕様となっています。
今までのラインナップから考えると、国内投入がかなり期待できるモデルだと思いますが、「Spin 311」のほかクラムシェルの「311」も存在するので、どちらが出るか、どっちも出るのかが気になるところです。
…ただ展示物を見た感じ、クラムシェルの「Chromebook 311」が出てくるんじゃなかろうかって感じでしたね。
スペックについては、発表時点の記事以降まとめていませんでしたので、公式サイト(英語)をご覧頂く方がよいかと思います。
- 海外公式 Acer Chromebook Spin 311 (AMD)
- 海外公式 Acer Chromebook 311 (AMD)
もしAMDモデルが国内でも出るとなれば、このシリーズが国内初となりますし、かなり話題になると思います。なので、これも期待できそうですね(笑)
ちなみに海外では、IntelのCPUを採用する「Spin 311 / 311」もありますが、型番が微妙に違っています。
DELL Latitude 5300 2-in-1 Chrome Enterprise
教育現場向け、というかChromebookという扱いではありませんが、DELLの単独ブースに展示されていました。
これはすでに国内で発表されているモデル、「Latitude 5300 2-in-1 Chrome Enterprise」ですが、今回初めて触って衝撃的だったのでざっくり紹介しておきます。
スペックも仕上がりも「Chromebook」ではない別の次元に存在するモデルだと触って気づきました。
それを象徴するかのように、よくよく見ると天板にはChromeのロゴが無かったりするんですよね。
なのでパッと見だと違いはわからず、WindowsノートPCのOSがChrome OSに変わっただけという印象です。
ここで多くは語りませんが、とにかく実際に触ってみるととても魅力的なモデルですし、LTE対応モデルも選択できるため、コレ1台で何でもこなせる最高の1台になりそうです。
「Chromebook」ではなく「Latitude」の意味を実感できましたね、本当に。
法人であれば、DELLならではの管理体制・サポートも魅力的ですし、モデルとしてもChrome OSでハイスペックなモデルの必要性を感じるのであればぜひ検討するべきモデルだと思います。
ぶっちゃけ触ってみたら欲しくなってしまいましたが、基本的に法人向けということなので、個人ユーザーとして購入するのはまず無理そうな…うーむ。
ま、それはそれとして、同じく14インチの「Latitude 5400 Chrome Enterprise」も展示してありました。
こちらも変わらず魅力的ですし、ポート類の充実具合も素晴らしいです。
ただ少々重めなので、個人的にはコンパクトな13インチかなあ。
そんなわけでChromebookで目新しいものと言えば、大体この3つという感じでした。
おまけ
あとはASUSは国内でリリースしているChromebookのラインナップが他社より多いので、机の上が賑わってていい感じでしたね。
というか、Type-Cのポータブルモニタがすごく欲しい…(笑)
機種以外にもいろいろ
展示会なのでかなり色んな教育関連のサービスがありましたが、Chromebookの展示と並んでGoogleブース内にいくつか面白いサービスが紹介されていました。
実際にセミナーというかセッションで試してみたりもできるので、体験という意味でも良いかも。
個人的に気になったサービスをちょっと紹介しておきます。
Scratchで使える「AIブロック」
これは「Scratch」というプログラミング言語学習環境に、「AIブロック」という画像認識や音声認識の機能を実装できるようにするものです。
例えばChromebook等のインカメラからAIに画像を認識させ、専用Scratchを起動させると認識させた画像を判定できるようになります。
誰もが手軽にAIを体験できることを目指して開発されたものなだけあって、わかりやすく、敷居もそれほど高いものではなかったです。説明も日本語ですし。
ま、言葉で説明するよりも、実際に試してもらうほうが早い気がしますので、興味のある方はチェックしてみてください。
ちなみに無償で提供されていますし、教育現場限定ということでもないようなので、自宅のChromebookや他OSのブラウザからも遊ぶことができました。
Libry(リブリー)
教科書や参考書、問題集などをスマホやタブレットで使えるようになるアプリで、タブレットやスマホはもちろん、Chromebookでもちゃんと動いてくれるのがある意味ユニークなポイント。
書き込みは普通のノートとペンを使うので、Kindleアプリのようなイメージで良いと思います。
電子書籍化した教科書等を購入して閲覧、目次機能、ブックマーク…ということができるため、たくさんの本を持たなくても良くなります。
もちろんそれだけではなく、例えば問題集であれば、問題を選ぶとその問題のみを表示することができ、回答までの時間計測や自己採点で正誤判定などの学習履歴が保存できるため、自分の得意不得意の傾向がわかったり、さらにAI機能により購入済みの書籍全てから類似問題を自動で抽出してくれたりするんですよね。
さらに教員側の管理ツールも用意されていて、宿題の出題や生徒からの提出(スマホ等で撮影したもの)を受けることもできますし、先の学習履歴等で宿題の進捗状況を把握することもできるため、生徒に合わせた指導が可能になります。
と、まあ私は教員ではないのでアレですが、興味のある方はぜひ公式サイトをチェックしてみてください。
ただこのアプリを聞いて、私はあることを思いました。
私はとある専門職試験を受けたときに、過去10年以上の、それも複数の専門領域の過去問を解いたりして勉強していたんですが、Libryの「類似問題を購入済みの書籍から抽出してくれる」機能って、めっちゃ良くないですか?(笑)
あれこれ探さなくていいわけですし、私の専門職試験では、別の領域だけど似たような内容の問題が出ることもかなりあったので、網羅的にやるには常にたくさんの本を持たないといけなかったんですよね。
Libryであれば、そもそも持つ教科書や参考書の量を減らせますし、抽出機能でピンポイントに問題を解ければすごく便利です。
そうなると、教育現場に限らず個人でも公務員とか専門職試験とかにも広げることが出来たらもっと面白くなりそうなんですよね。予備校とかで使うのもアリかもしれないですし。
とはいっても、教育現場向けなわけですし、今はまだ限られた教科書や参考書、科目だけのようですが、今後が楽しみです。
まとめ – こんな時代に学生したかった
と、いうことでざっくりと今回見てきて、書いてもOKな内容をまとめておきました。
本当、この便利な時代にもう一度学生したかったとか羨ましいとか思ってしまいます。
ただ、実際に活用している学校は増えているとは言え、Gsuite for Educationはともかく、Chromebookはじめとしてまだこれからのところも多いと思います。
あとは実際に使ってみないと心配な方も少なくないですし、こういった展示会でChromebookはじめ様々なサービスを実際に見れる、試せるというのは良い機会だと思います。
何というか、Chromebookでも問題ないというか抵抗感を減らせれば良いんですけどね…クラウドとか管理が便利なのに。
そんなわけで、この2日間は教育関連にどっぷり浸かっていました(笑)
何にしても学校がきっかけとなってChromebookがもっと広まれば、嬉しいなあ。
あと余談ですが、ChromebookというかGoogle for EducationにもGoogleの公式資格「Google 認定教育者」とその上の資格がありますが、話を聞いてみたら個人でも認定教育者のレベル1と2なら取得可能なようです。
たまたま話をした方が、GoogleのPD(専門的能力開発)のパートナー企業の方で、資格取得に向けた2日間の集中セミナーなどもあるそうです。興味のある方はこちらもチェックしてみてください。
おそらく私、挑戦すると思います…。