Google と Qualcomm は、手頃な価格帯向けの Windows ノート PC 向けとしてリリースされた 「Snapdragon X Plus」チップを Chromebook にも搭載するべく開発に取り組んでいることは、これまでに何度か報告しています。
数週間前に存在が確認された開発ベースボード「Bluey」に続き、それを基にした最初の具体的なデバイスとして「Quenbi」というコードネームが登場しました。これにより、高性能な ARM ベース Chromebook の開発が本格化していることが示唆されます。
開発ベースボード「Bluey」からの派生
これまで、Snapdragon X Plus を搭載する Chromebook の開発は、「Bluey」というベースボードの存在によって示されていました。ベースボードは、特定のチップセットを搭載するデバイス群の基礎となるリファレンスプラットフォームです。
今回、Chromium Gerrit の複数のコミットから、「Quenbi」という新しいコードネームが、この「Bluey」をベースに構築されている最初のデバイスであることが確認されました。

これは、単なる開発プラットフォームの段階から、実際に市場投入を目指すための取り組みを進めていることの裏付けとなります。
Snapdragon X Plus への期待
Snapdragon X Plus 搭載の Chromebook に期待が集まる理由は、このチップの性能にあります。Snapdragon X Plus は、過去のモバイル向けチップを転用したものではなく、Intel の Core Ultra や Apple の M シリーズに対抗するために設計された最新の SoC (System-on-a-Chip) です。
このプロセッサは、高いパフォーマンスと優れた電力効率の両立を目指しており、ファンレス設計でありながら長時間のバッテリー駆動を実現する可能性があります。これは、すでに市場に登場している MediaTek Kompanio Ultra を搭載したデバイスと同様に、高性能 ARM Chromebook の新たな選択肢となることを意味します。
なお、これまでの開発状況から考えると、今回発見された「Quenbi」も「Snapdragon X Plus X1P-42-100」を搭載するものと思われます。
まとめ
「Quenbi」は、Snapdragon X Plus を搭載する最初の Chromebook となる可能性がありますが、おそらく今後もさらにデバイスが増えることが期待されます。
現時点ではコードネーム以外の情報を確認することはできませんでしたが、Google は Snapdragon X Plus を搭載する Chromebook のリリースに向けて取り組みを進めていることは間違いないため、今後の開発動向に注目です。
出典: Chrome Unboxed