Google は、iPadOS に最適化された Gemini アプリの提供を開始しました。これまでは、iPad で Gemini を利用する場合、iOS 版のアプリを互換モードで動作させるか、ブラウザ経由のウェブ版を使う必要がありましたが、今後は iPad の大画面に最適化されたネイティブアプリとして利用可能になります。
iPad 版 Gemini アプリの特長
Google の広報担当者 Elijah Lawal 氏が The Verge に寄せた情報によると、新しい iPad 版 Gemini アプリでは、iPad の Split View 機能を利用して、Gemini を他のアプリと並べて表示し、マルチタスクを行うことができます。さらに、以下の機能も利用可能です。
- Gemini Live: 45 以上の言語で、自然で自由な会話が可能です。
- Deep Research: レポートの作成や情報収集を迅速に行い、時間を大幅に節約できます。
- 音声概要: 音声ファイルを簡単に処理し、理解することができます。
- Canvas: AI との共同作業のために構築された革新的なスペースで、ドキュメントやコードを共同作成・編集できます。
- 画像・動画生成: iPad 上で直接、魅力的で多様な画像や動画を生成し、アイデアを具現化できます。
また、新しい iPad 版 Gemini アプリは、iPad の全画面を最大限に活用し、縦向き・横向きのどちらでもディスプレイ全体に表示されます。これは、Android タブレットやウェブ版の Gemini と同様のインターフェースです。
iPad 版 Gemini アプリは、バージョン 1.2025.1770102 で利用可能になります。米国の App Store の更新履歴によると、iPad への最適化に加えて、以下の変更が行われています。
- ホーム画面ウィジェットとして Gemini を追加可能に
- Google フォトライブラリとの連携をサポート
- UI の改善とバグ修正
まとめ
筆者はまだ確認できていませんが、App Store の iPad 向けスクリーンショットが更新されていることから、日本でも既に利用可能になっていると考えられます。
ただし、2025年5月7日付けのバージョン 1.2025.1770102 のアップデート内容は、米国の App Store では前述の iPad 最適化やウィジェット対応などが記載されているのに対し、日本の App Store では「パフォーマンスの改善とバグの修正」とのみ記載されています。そのため、機能の展開に差がある可能性も考えられます。
いずれにしても、これまで iPhone アプリを拡大表示するかウェブ版を利用するしかなかった iPad で、Gemini のネイティブアプリが登場したことにより、iPad の大きな画面とマルチタスク性能を活かした作業ができるようになりました。