Google は Gemini に、ソフトウェア開発プラットフォームである GitHub と連携する機能(アプリ)を追加しました。これにより、開発者は Gemini との対話を通じて、GitHub 上のリポジトリにあるコードについて質問したり、改善提案を受けたりできるようになります。
GitHub 連携でできること・できないこと
Gemini の GitHub アプリ連携を利用すると、主に以下のことが可能になります。
- コードベースについてより深く理解できるようサポートする
- 特定の関数についての質問に回答する
- コードの追加や改善について提案する
- 問題をデバッグする
例えば、以下のようなプロンプトが考えられます。
- 「添付したコードにはどんな外部ライブラリが使われてる?」
- 「添付したコードをもっと効率的にするにはどうしたらいい?」
- 「添付したコードで商品をユーザーにおすすめするイベント ハンドラを書いて」
この機能を利用するためには、18 歳以上であること、パソコン版 Gemini ウェブアプリ ( gemini.google.com ) にログインしていること、Gemini アプリのアクティビティが有効になっている必要があります。また、現時点では個人の Google アカウントでのみ利用でき、仕事用や学校用の Google アカウントでは利用できません。
なお、以下のような制限があることにも注意してください。
- 1 つのチャットに追加できるリポジトリは 1 つのみ、最大ファイル数は 5,000 個、最大サイズは 100 MB
- 現在のところ、リポジトリのインポートはパソコン版の Gemini ウェブアプリでのみ可能
- パソコンでリポジトリをチャットに追加した後は、Gemini モバイルアプリやモバイルデバイスの Gemini ウェブアプリでそのチャットを続けることができる
- インポート後に GitHub 上でリポジトリが変更されても、その内容は Gemini には同期されない
さらに、現在のところ Gemini の GitHub アプリ連携では以下のことはできません。
- コミットの履歴、プルリクエストなどのメタデータを取得すること
- GitHub の URL を直接プロンプトに入力することでリポジトリを読み取ること
- コード リポジトリに書き込むこと
Gemini アプリの管理について
GitHub アプリは初めて GitHub リポジトリのインポートを試みたときに有効になり、Gemini の設定の [アプリ] ページでいつでも有効または無効にできます。
また、同じく設定ページの [アプリ] セクションから、Google アカウントと GitHub アカウントのリンクを解除することも可能です。[GitHub] で [詳細] > [接続を解除] をクリックします。リンクを解除すると非公開リポジトリはインポートできなくなりますが、公開 GitHub リポジトリのインポートは引き続き行えます。
今回の機能の使いどころ
IDE などに統合して利用できる AI 機能とは違い、Gemini アプリと Github の連携は、学習やレビューのサポートがメインになります。例えば、次のような場合に活用することが想定されます。
- 学習と理解の促進: 新しいプロジェクトに参加した際や、複雑なコードベースを理解する必要がある場合に、Gemini に質問することで迅速なキャッチアップが期待できる
- コードレビューの補助: コードの改善点や潜在的な問題を Gemini に指摘させることで、レビューの質を高めたり、レビュー担当者の負担を軽減したりできるかもしれません
- コーディング支援: 定型的なコードの生成や、効率化のためのアイデア出しなど、コーディング作業の一部を Gemini に任せることで、開発者の負担が減る可能性があります
まとめ
GitHub Copilot のような既存の AI コーディング支援ツールがコード補完や生成に強みを持つ一方、Gemini の連携は、既存のコードベース全体に対する対話的な理解や分析に向いているという印象です。
将来的には、プルリクエストの内容を要約・レビュー支援したり、Issue の内容に基づいてコード修正案を提示したりといった、より高度な連携機能の登場も期待されます。
なお、記事執筆時点では筆者の Google アカウント (Gemini Advanced) では Gemini アプリページに Github は表示されておらず、今後利用可能になることに期待です。
出典: 9to5Google, Gemini アプリ ヘルプ