今回の記事では、ミニPCメーカーの GEEKOM がリリースした Intel Core i9-13900H プロセッサと 32GBRAM、2TB SSD ストレージを搭載するハイスペックな Windows ミニPCの新モデル｢GEEKOM GT13 Pro｣の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機の提供を受けています。
このモデルには今回レビューしているデバイスの構成は上位モデルになりますが、Core i7-13620H と 32GBRAM、1TB SSD ストレージを搭載するベースモデルもあります。どちらも筐体のサイズが112.2×112.2×38mmと非常にコンパクトなサイズですが、性能はハイスペックでポートも充実していることが特長です。
過去のモデルのなかでもコンパクトかつ高性能な位置づけであり、最新モデルになりますがベースモデルは10万円以下、上位モデルも13万円台で購入できるためコストパフォーマンスに優れた1台となります。
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ポチップ
スペック
まずは GEEKOM GT13 Pro のスペックです。
| OS | Windows 11 Pro |
|---|---|
| CPU | Core i9-13900H (Core i7-13620H) |
| GPU | Intel Iris Xe Graphics |
| RAM | 32GB DDR4 3200MHz ※最大64GB |
| 内部ストレージ | 2TB M.2 2280 PCIe 4.0 (1TB M.2 2280 PCIe 4.0) ※拡張スロットあり |
| 外部ストレージ | SD カード |
| 前面ポート | USB-A (3.2 Gen 2, PD) ×1 USB-A (3.2 Gen 2) ×1 3.5mm ヘッドホンジャック |
| 背面ポート | USB-C (USB4 40Gbps) ×2 USB-A (3.2 Gen 2, 10Gbps) ×1 USB-A (2.0) ×1 HDMI 2.0 (4K/60Hz) ×2 2.5G Ethernet ×1 |
| ネットワーク | Wi-Fi 6E (Azurewave AW-XB591NF) Bluetooth 5.2 |
| サイズ | 112.4×112.4×37mm |
| その他 | VESAマウント対応 |
ミニPCとして見れば性能面は申し分なく、ポートの数も過去の同サイズのモデルから違いはありません。しかし、今回の GT13 Pro は背面の USB-C ポートがどちらも USB4 規格であること特長で、外部モニター出力だけでなく外部デバイスの充電や電源供給、外部GPUへの接続なども対応しています。
デザイン
本体はグレーに近い色合いで金属製の筐体を採用しています。そのため見た目は家庭でも仕事でも使いやすく、サイズもコンパクトなので一般的なデスクトップPCよりも場所を取りません。
小さい見た目ですがポート類は充実しており、前面には2つの USB-A (3.2 Gen 2 / 1つはPD対応) ポートと3.5mmオーディオジャック、左側面にはフルサイズのSDカードスロットがあります。背面には USB4 規格に対応した2つの USB-C ポート、2つの HDMI 2.0 ポート、2つの USB-A ポート(3.2 Gen 2 10Gbps と 2.0 が1つずつ)、2.5Gbps Ethernet を搭載しています。
とくに背面に2つの USB-C ポートが搭載されていること、どちらも USB4 規格であるということが GEEKOM GT13 Pro のメリットの1つです。これにより外部出力や高速なデータ転送、外部GPUなどの周辺機器を接続することもでき、汎用性が高まります。多くのポートを使うことができるため、有線接続した周辺機器が多い場合には良い選択肢です。SDカードを経由した写真管理・編集などにも便利です。
本体サイズが112×112とコンパクトなので、机の上に置いたり VESA マウントなどでどこかに取り付けるにも便利です。取り回しがしやすいので移動も簡単に行えます。
パフォーマンス
GEEKOM GT13 Pro のパフォーマンスについてですが、恒例のベンチマークをいくつか測定しています。実機で測定した結果は次のとおりです。
| ベンチマークソフトと設定 | スコア |
|---|---|
| Geekbench Single | 2,735 |
| Geekbench Multi | 11,408 |
| Geekbench OpenCL | 16,118 |
| Geekbench Vulkan | 19,394 |
| PCMARK 10 | 5,756 |
| PASSMARK | 5,529 |
| Octane 2.0 Plus Single | 87,351 |
| Octane 2.0 Plus Multi | 856,892 |
| JetStream2 | 317 |
| Speedometer 2 | 386 |
| Speedometer 3 | 25 |
| FF14 最高品質 FHD | 2,487 (設定変更を推奨) |
| FF14 高品質 (ノートPC FHD) | 5,646 (普通) |
| FF14 標準品質 (ノートPC FHD) | 5,921 (普通) |
| 3DMARK (Night Raid) | 19,588 |
| 3DMARK (Fire Strike) | 5,441 |
| 3DMARK (Steel Nomad Light) | 1,300 |
| 3DMARK (TimeSpy) | 1,956 |
ミニPCかつ内蔵グラフィックスなのでゲームなどはあまり向いていませんが、それ以外の CPU を使うような作業であればほぼ問題はありません。
例えば、Chrome のタブを30個くらい開いた状態で画像編集や写真編集をしてもフリーズしたりもたつくことなく作業ができます。家庭でも仕事でも Microsoft Office 365 で Word や Excel、Powerpoint を使うといった程度であれば非常に快適ですし、機械学習系ではなく Web 系などのコーディング、高負荷ではない業務や事務作業といった用途であればほぼ困ることはありません。画像や写真編集もグラフィックスよりCPU性能を重視されるため、よほどの同時編集や多層レイヤーでない限りは問題なく使うことができます。
一方、ゲームに関しては Steam で比較的軽めの3Dゲームや古いゲーム(PS2くらいまで)であれば問題ありませんが、例えば FC25 など動きのある最近の3Dゲームのプレイはかなり厳しかったです。また、SO2R などのリメイク作品でもデフォルトの設定では少し重たいものもありました。
設定を変更すればプレイ可能なタイトルもありますが、とは言え内蔵グラフィックスには変わりないため、本格的なAAAタイトルなどゲームをプレイしたいのであれば素直にゲーミングPCやコンソールを買うか、あるいはクラウドゲームサービスなどを活用するほうが確実です。グラフィックス性能については、前回レビューした Intel Arc Graphics を搭載した GEEKOM GT1 MEGA のほうが上でした。
そうは言っても、ミニPCというデバイスでゲームをメインに考えるユーザーはあまりいないと思いますので、家庭での普段使いや仕事でのオフィスソフト利用やブラウザメインの業務、Windows でしか動かないアプリなどを使う目的で使うのであれば十分ハイパフォーマンスですので、検討する価値はあります。
なお、静音性に関しては GT1 MEGA や過去のハイエンドモデルと比べてもかなり高く、負荷がかかったときにはサーっという音が聞こえますが、Chromeでタブを10個くらい開いて Google ドキュメンととスプレッドシートを使って少し作業をするくらいであれば、ほぼファンの音は聞こえません。パフォーマンスと静音のバランスを取るのであれば GEEKOM GT13 Pro は良い選択肢になると思います。
余談ですが、このモデルは ChromeOS Flex をブートすることができました。Wi-Fi は認識しますが Bluetooth は認識しませんでした。ここはレシーバーなどを活用することで回避できますので、ChromeOS Flex 機としてもアリな気がしています。
まとめ
今回は GEEKOM GT13 Pro の実機レビューをお届けしました。これだけ小さな筐体でハイパフォーマンスかつ静音性とバランス良くまとまっており、自宅やオフィスのどちらでも利用できる良いミニPCです。
ただ、今回レビューした上位機種 Core i9-13900H よりもベースモデルとなる Core i7-13620Hを搭載したモデルは10万円以下とコストパフォーマンスに優れている印象です。そのため、大は小を兼ねる精神であれば Core i9 モデルをおすすめしますが、そうでなければ Core i7 モデルを検討してみてはいかがでしょうか。
なお、2024年12月29日までの期間は当サイト限定クーポンが配布されており、公式サイトまたは Amazon.co.jp で GEEKOM GT13 Pro の購入時にクーポンコードを入力すると6％割引となります。これにより Core i7 モデルは88,266円とさらにお得感が増しますので、忘れずにご利用ください。
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