この記事では、2025 年 7 月 26 日から 8 月 1 日までの間にあった Chromebook / ChromeOS および関連サービスの主な出来事をまとめる「週間まとめ」です。
今週の大きな話題では、ChromeOS 138 に 1 回目のマイナーアップデートが展開、ChromeOS LTC (長期サポート候補) のメジャーアップデート、最新のアップデートで一部の Chromebook から Play ストアが消える問題の調査と修正への取り組みが確認、日本の教育市場向けでは ChromeOS のシェアが 6 割に到達といったニュースがありました。
また、Chromebook と直接関係はありませんが、Microsoft が教育市場向けに展開していた ChromeOS 対抗の「Windows 11 SE」のサポートを 2026 年 10 月で終了することが明らかになりました。
ChromeOS 138 の 1 回目のマイナーアップデートが展開
Google は 2025 年 8 月 1 日 (米国時間)、ChromeOS および ChromeOS Flex 向けに ChromeOS 138 安定版の 1 回目のマイナーアップデートを展開しました。
Chrome ブラウザのバージョンが 138.0.7204.178 (プラットフォームバージョン: 16295.65.0) へと更新されます。
このアップデートに関する詳細は公開されていませんが、定例のバグやセキュリティ修正を含むと思われます。また、後述する ChromeOS 138 へのアップデート以降、一部の Chromebook で Play ストアと Android アプリが利用できなくなる問題については、このマイナーアップデートでは解消されませんでした。
ChromeOS LTC-138 のリリース
Google は 2025 年 7 月 29 日 (現地時間)、ChromeOS の長期サポート候補チャンネル (Long-term Support Candidate: LTC ) を利用しているデバイス向けに、最新のメジャーアップデート ChromeOS 138.0.7204.163 (プラットフォームバージョン: 16295.54.0) をリリースしました。
現在はリリースノートが更新されており、Chrome 133 から Chrome 138 までの変更内容が記載されています。
なお、現在安定版として提供されている長期サポート (LTS) チャンネルは、引き続き LTS-132 のままとなり、2025 年 10 月 14 日までこのバージョンが維持されます。
一部の Chromebook から Play ストアが消えるバグは現在修正作業中
ここ10日ほど前から、最新の ChromeOS のアップデート後、一部の Chromebook から Google Play ストアとすべての Android アプリが消えてしまう問題が発生していましたが、これを Google が公式に認め、現在修正に取り組んでいることを明らかにしました。
影響を受けているデバイスの多くは 2019 年頃の Lenovo 製デバイス(コードネーム ”hana”) のようで、アップデート後から Android アプリを実行するための ARC ランタイムが無効化され、再度有効にする項目などもなくなるといった問題が出ています。
ユーザー側から対応できることはありませんが、すでに Google が「バグである」と認めているため、修正のアップデートが提供されるのを待ちましょう。
なお、Google によれば「Chromebook のリカバリメディアを作成」して、該当のデバイスを初期化し、その後に表示される「セキュリティアップデートの延長をキャンセルする」ことで、今回の問題を回避できるとしています。
ただし、Powerwash と同様にローカルに保存されているデータなども削除されるため、実行するときにはバックアップが必須です。
日本の教育市場では ChromeOS のシェアが 6 割を達成
MM総研の調査が公開され、GIGA スクール構想の第 2 期における端末更新では、Google の ChromeOS (Chromebook) がシェアを 60% (18 ポイント増)に拡大し、Apple の iPadOS は 31% (2 ポイント増)、Windows は 10% (19 ポイント減) という結果になりました。
特に大きくシェアを落とした Windows は、第1期での評価として「OS アップデートなど、運用しにくい」、「動作が遅い」といった意見が挙がっており、これがシェア減少の一因と考えられます。
ChromeOS を利用している自治体は約 9 割が継続し、OS を切り替えるに至った自治体では、「周辺の自治体が多く利用している」や「運用しやすい」、「現場の教員からの意見」といった内容が上位にあり、運用面での負担軽減や他校との連携を重視する傾向があったようです。
Windows 11 SE が 2026 年 10 月でサポート終了へ
前述の話題に関連しますが、Microsoft が教育市場向けに展開していた特別な OS となる Windows 11 SE が、2026 年 10 月でサポートを終了することが発表されました。
Windows 11 SE は、教育現場でシェアを拡大する Google の Chrome OS と ChromeOS に対抗するため 2021 年 11 月に発表され、クラウド利用を主体としたシンプルな操作性と、低価格なハードウェアでの動作を特徴としています。
Microsoft Store は搭載されず、従来のデスクトップアプリよりもプログレッシブウェブアプリ (PWA) の利用が推奨されるといった特徴もありますが、全体的に過去にリリースされた「Windows 10 S モード」に似た OS バージョンです。
結局、Windows 11 SE でも ChromeOS のシェアを崩すには至らず、日本に限って言えば大きくシェアを落とすことになっています。これが影響したかは不明ですが、最終的に Microsoft は Windows 11 SE の取り組みを終了することにしたようです。
現在 Windows 11 SE を利用している教育機関やユーザーは、2026 年 10 月のサポート終了までに、後継デバイスへの移行計画を進める必要があります。
その他の Chromebook に関連するニュース
上記以外にも、Chromebook 関連では次のような細かいニュースがありました。
Chromebook Plus に新しい壁紙とスクリーンセーバー「木星」が追加
Chromebook Plus の特典の一つとして、Plus 限定の壁紙とスクリーンセーバー「夜明けから夜更けまで」シリーズに、新たに「木星」テーマが追加されました。
Chromebook の「かこって検索(Google レンズで画面を検索)」に、新しいキーショットカットが登場
ChromeOS 138 から正式に導入された Chromebook の「かこって検索(正式名称は Google レンズで画面を検索)」が、「ランチャー(検索) + スペース」 というキーショートカットで起動できるようになりました。
以下は現時点における「Google レンズで画面を検索」を呼び出すデフォルトのショートカットです。
- [スクリーンキャプチャキー] を押し、表示されるメニューから [Lens] オプションを選択する
- 画面シェルフにある [ランチャーアイコン (G ボタン)]を長押しする
- ランチャーを開き、展開されたビューの中にある [レンズ アイコン]をクリックする
- キーボードで 「ランチャー(検索) + スペース」 を押す
なお、新しく追加された「ランチャー(検索) + スペース」はキーショートカットアプリからカスタマイズすることが可能です。
ChromeOS LTS 132 のマイナーアップデート (132.0.6834.239)
ChromeOS LTS (長期サポート) チャンネルにマイナーアップデートが展開され、バージョンは 132.0.6834.239 (プラットフォームバージョン: 16093.113.0) へと更新されます。
このアップデートには、1 件の「深刻度(中)」とされる脆弱性の修正が含まれています。
次回の LTS 向けメジャーアップデートは、2025 年 10 月 14 日に ChromeOS LTS-138 への更新が予定されています。
2 つのハウツー記事を公開
今週は、以下の 2 つのハウツー記事を公開しました。
今後もこのような解説記事などを投稿していく予定です。
まとめ
今週は、ChromeOS 138 へのマイナーアップデートが展開される一方で、一部デバイスで発生している Play ストアの問題に対する修正が進められていることが明らかになりました。
また、日本の教育市場で ChromeOS がシェアを 6 割に拡大し、競合の Windows 11 SE がサポート終了を発表するなど、Chromebook の市場での存在感がさらに高まりました。
OS の安定性向上はもちろん、教育現場での活用がさらに進み、法人や個人のユーザーへと利用が拡大していくことにも期待したいですね。
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