ASUS JAPANは2021年8月18日にフラッグシップスマートフォン「ASUS Zenfone 8」と「ASUS Zenfone 8 Flip」を日本でリリースし、どちらも20日から販売開始となります。
当ブログでも何度かASUSのフラッグシップスマートフォン「Zenfone」シリーズを紹介していますが、今回はシリーズで初となるおサイフケータイ(Felica)をサポートし、IP65/IP68 防水・防塵にも対応した”Flipしない”カメラを搭載した「ASUS Zenfone 8」をお借りすることができましたので、実機レビューをしてきたいと思います。
実機レビュー
今回レビューするのは、これまで当ブログでも紹介したことのあるフリップカメラを採用した最新モデル「Zenfone 8 Flip」ではなく、5.9インチのコンパクトサイズで、ASUSのスマートフォン初となるおサイフケータイ(Felica)を搭載し、IP68防水・防塵を備えたハイエンドスマートフォン「ASUS Zenfone 8」です。
スペックと価格
Zenfone 8 | |
OS | Android 11 Zen UI 8 |
ディスプレイ | 5.9インチ 2400×1080 120Hzリフレッシュレート |
CPU | Snapdragon 888 |
RAM | 8GB / 16GB |
内部ストレージ | 128GB 256GB |
リアカメラ | 64MP / 12MP(超広角) |
フロントカメラ | 12MP |
バッテリー | 4,000mAh |
サイズ | 148×68.5 x8.9mm |
重さ | 169g |
その他 | 5Gサポート おサイフケータイ(Felica) 画面内指紋センサ 顔認証 IP68防水・防塵 |
カラー | オブシディアンブラック ホライゾンシルバー ムーンライトホワイト |
税込価格 | 79,800円 92,800円 108,800円 |
コンパクトなモデルながら、Snapdragon 888と最大16GBRAM、最大256GBストレージを搭載するハイエンドスマートフォンです。
普段使いからゲーム用途まで幅広く活用できますし、選択できる構成も3パターンあるため用途に合わせて選択しやすいのも「Zenfone 8」の良いところです。
税込価格 | |
8GBRAM / 128GBストレージ | 79,800円 |
8GBRAM / 256GBストレージ | 92,800円 |
16GBRAM / 256GBストレージ | 108,800円 |
写真などはほどほどにGoogleフォトなどを活用して日常使いであればベースの8GBRAM、128GBストレージモデルがベストかと思いますが、ストレージに余裕がほしければ256GBです。
ゲーミングも兼ねるのであれば最上位の16GBRAMモデルを選択する方が良いですが、ASUSにはROGというゲーミングスマホシリーズもあるため、日常使いでの利便性をどこまで考えるかがポイントになると思います。
写真や動画撮影がメインになる人は、「Zenfone 8」にはmicroSDカードスロットがないのでストレージが苦しくなると思いますが、「Zenfone 8 Flip」であればmicroSDカードスロットがあってフリップカメラを活用できるので、そちらがオススメです。ただ、Felicaが搭載されていないのでそこをどうするかが問題です。
スペックに関して、今回もベンチマークを取ろうとしましたがうまくいかなかったのでスコア等は割愛します。
なお、「ASUS Zenfone 8」は5Gをサポートし国内マルチキャリア(docomo、au、SoftBank、Y!mobile、ahamo、povo、LIMEMO)に対応しているため、本来であればブラウジングだけでなくゲームや動画などを快適に見ることができるわけですが、静岡の片田舎では残念ながら有り難みがわかりませんでした(Zenfone 8に限ったことではないですが)。
同梱品
ここで先に同梱品を紹介しておきます。
USB-C to USB-C ケーブルとアダプタ、そしてケースが付属しています。
新しいモデルだとケースを探すのに苦労しますが、ASUSのようにケースが付属していると楽で良いですね。ただ私は裸族なのであえて今回は使っていません。
ちなみにアダプタはプラグの部分はたためないタイプなので、写真のとおりの状態がデフォルトととなります。
本体外観
では本体の外観をチェックしていきます。
ボディはさらっとした金属製で、見た目のわりにズッシリとした感じはありますが、重たいとまでは思いません。
サイズ感的にも片手で持ちやすいため、手の小さい人でも握り込む感じで掴むことができると思いますが、サラッとしすぎてて滑る可能性も無きにしもあらずです。
画面を見て右側面にボリュームボタンと電源ボタンがあり、下側面にはUSB-CポートとSIMスロット、スピーカー&マイクがあります。
上側面にはハイエンドスマホとしては珍しくイヤホンジャックが搭載されつつも、IP68防水・防塵に対応しているもの特長です。
ディスプレイ
ディスプレイは左上にパンチホールを備えた5.9インチのAMOLEDディスプレイで、色味や明るさも十分ですし、最大120Hzのリフレッシュレートをサポートするためゲームでも動画でも日常使いでもヌルサクな滑らかさがあります。
画面は外でも見やすくサイズ感もちょうどよいため、前述の防水・防塵対応も含めて、家でも外でもどこでも取り出して使える(遊べる)、扱いやすいスマートフォンに仕上がっています。
ちなみに画面下には反応が良い指紋センサを搭載しているため、昨今のマスク装着時でもスムーズにログインができます。顔認証にも対応しているので使い分けることができるのは良い点でした。
おサイフケータイ(Felica)への対応
コンパクトながらパワフルな「Zenfone 8」ですが、何より嬉しい点はついにおサイフケータイ(Felica)を搭載したことです。
これまでのASUSのスマホや「Zenfone Flip」シリーズは今回も残念ながら搭載されませんでしたが、よりコンパクトな「Zenfone 8」にFelicaが搭載されたため、日常使いにちょうど良い機種になったと感じました。
パット見は気づきませんでしたが、背面のカメラ右側の筐体部分に薄っすらとロゴが入っています。大体的にドーンと入れるのではなく、しれっと入れてデザインを邪魔しないようになっているのも素晴らしい。
これまで電子決済に対応していなかった店舗なども非接触決済というワードが広まったおかげで、QuickpayやSuicaなどの支払いにも対応しつつあるため、おサイフケータイが搭載されているというだけで選択肢になるんじゃないかと思います。
カメラ
「ASUS Zenfone 8」は、ここ数年日本でリリースされていた「Flip」シリーズとは異なり、前後を兼ねるフリップカメラではなく、リアカメラとフロントカメラに分かれています。
「Zenfone 8」のリアカメラには光学式手ブレ補正付きの64MPメインカメラと12MP超広角カメラが搭載されていて、屋内や曇った天気、暗所での撮影に強いことも特長です。
夜景を撮りにいくことができなかったので、いつもどおりの場所でいつもどおりに撮影(天気は悪いですが)してみましたが、メインカメラは非常にキレイに撮影できます。
少し明るさがあればクッキリとした感じで撮影できますし、店内のようにやや暗めの場所でもしっかり撮れます。
続いて広角カメラも同じタイミングで撮影していますが、こちらもかなりキレイに撮れます。
ただ画素数が減った影響か、例えば少し遠くなった木の枝の葉など、輪郭が少しボヤッとした感じになりますが目立つわけではないですし、普段使いのスマートフォンとしては十分なものだと思います。
なおカメラモードにはマニュアルで各種設定ができるProモードも搭載されていて、RAWファイルの保存ができるようになっていますので、写真編集ソフトを使って加工したい人でも楽しめる1台になっています。
「Zenfone 8」は動画撮影にも強く、8K動画撮影にも対応しているため少し触ってみましたが、発熱が結構あることと、バッテリーの減りが心配になるため、常用するものという感じではありません。
4Kなどでもそれなりの発熱とバッテリーを食いますので、高解像度で動画撮影がメインになるとモバイルバッテリーは必須かなという印象です。
ちなみにハイスペックなので写真の保存や再生、編集時に固まることなくスムーズに動作しますのでストレスは感じませんでした。
バッテリーなど
ゲームなどはせず、ニュースチェックやブラウジング、メールやSNS、1日数回数分の電話、ちょっと数枚の写真…といった使い方であれば、1日は問題なく過ごせます。
バッテリー容量が「Zenfone 8 Flip」よりも少ない4,000mAhですが、重たいゲームをしたり動画撮影をしたりすることがなければ、ほとんどの場合は十分持つと思います。
駆動時間について特に問題はありませんでしたが、個人的にはこのサイズ感なのでワイヤレス充電に対応していても嬉しかったかなと思いました。
有線で急速充電できるというメリットはありますが、やはりワイヤレス充電に慣れてしまった身としては毎日毎回これをさすというのは手間に感じます。
とは言うものの、今回は待ち望んでいたおサイフケータイに対応した喜びが勝ったため、これはあくまであったらもっと良かったのに…という希望のようなものです。
ちなみに充電中はUSB-Cポート右側のLEDが点灯するため、充電中か完了しているかがわかるようになっています。
諸々の使用感
手頃なサイズ感とおサイフケータイ、防水・防塵対応と持ち運びするスマートフォンとしてはかなり良くまとまっていると思います。
性能も現行最上位クラスといえますし、普段使いからゲーミングまで幅広く対応でき、かと言ってゴツ過ぎないシンプルなデザインはオススメできるところです。
ただ良くも悪くもシンプルにまとまっていて、フリップカメラやROG Phoneのように尖っていないため地味な印象を受けてしまうかもしれません。
しかし、最近のハイエンドは大型化の傾向があるなかでも持ちやすいサイズにギュッと凝縮した感じの「ASUS Zenfone 8」は、大きいデバイスだと使いづらいと感じる人には向いていると思いますし、尖っていない分、日常でも使いやすいモデルになっています。
派手さはないけど、扱いやすくてハイエンドなスマートフォンが欲しいと思う人にはオススメできる1台です。
まとめ
ということで今回は「ASUS Zenfone 8」のレビューをしてきました。
個人的にはこれまで欲しかった機能が追加されて、持ち運びもしやすく使いやすい1台に進化したと感じましたので、ハイエンドと日常での使いやすさのバランスを重視する人には良い選択肢になると思います。