今回は国内発表がアナウンスされたASUSの最新ゲーミングスマートフォン「ASUS ROG Phone 3」の実機レビューをしていきたいと思います。昨年に引き続き、今回も実機をお借りしてのレビューであることと、相変わらずゲームをしないで視点からゲーミングスマホのレビューをしていきます。
ゲームについての操作性などは他メディアをご覧いただく方が良いと思いますので、当記事ではあえてゲームをしないで普段の使用感から「ASUS ROG Phone 3」を評価していきますので、その点はご了承ください。
結論から言えば、「ASUS ROG Phone 3」はゲームをしないユーザーでも十分選択肢になり得るスマホだと思います。
ASUS ROG Phone 3 の仕様
まずは国内で販売される「ASUS ROG Phone 3」の仕様を紹介。
OS | Android 10 with ROG UI |
ディスプレイ | 6.59インチ AMOLED 2,340×1,080 144Hz Refresh rate 10bit HDR / HDR10+ DCI-P3 113.3% |
CPU | Snapdragon 865 Plus |
RAM | 12GB / 16GB |
内部ストレージ | 512GB UFS 3.1 |
リアカメラ | 64MP(メイン, f/1.8) 13MP(135°広角) 5MP(マクロレンズ) |
フロントカメラ | 24MP |
ネットワーク | 5Gサポート Wi-Fi 6 Bluetooth 5.1 |
ポート | USB-C ×2 Side-mount Port |
バッテリー | 6,000mAh QC4.0 30W急速充電 |
その他 | Dual SIM AeroActive Cooler 3(付属) ゲーミングアタッチメント対応 |
サイズ | 171×78×9.85mm |
重さ | 240g |
価格 | 12GBRAMモデル:119,800円(税別) 16GBRAMモデル:129,800円(税別) |
CPUにはSnapdragon 865 Plusを搭載し、12GBRAMもしくは16GBRAMを搭載するハイエンドデバイスになっていて、現時点(2020/09/23)では世界最高峰のスペックを持っている機種で、例えばAntutuベンチマークでは約65万点を超えるなどの成果を残しています。
ストレージはどちらも512GBを搭載し、RAM容量だけの違いが両者の差となっています。
ディスプレイはAMOLEDを採用し、HDR10+や広色域にも対応するだけでなく、144Hzリフレッシュレートと25msのタッチ反応速度をサポートしています。
また「ROG Phone 3」では、高負荷のゲームプレイ時の発熱対策として、専用の冷却システムを備えるだけでなく、最初から専用のキックスタンド付きクーラーが付属しており、さらに別売りのゲーム向けアクセサリも豊富にありますので、まさにゲーミングスマートフォンというべき仕上がりとなっています。
バッテリーも大容量かつ高速充電に対応しており、横持ち、縦持ちのどちらでも邪魔にならないよう充電できるようUSB-Cポートが2箇所に取り付けられているのも特長です。
ネットワークは5GやWi-Fi 6をサポートしているため、ゲーム中のネットワークの安定感や速度はこれまで以上に素晴らしいものとなっているはずです。
一方、リアカメラの性能も非常に高く、ソニーのIMX686センサを搭載する64MPのメインカメラと13MPの広角カメラ、5MPマクロレンズのトリプル仕様となっています。
フロントカメラも25MPと高画素のため、ゲーム以外の普段使いでも十分に使えるスマートフォンです。
さらに8K撮影(7680×4320)に対応するだけでなく、4K UHD(3840×2160)の30/60fpsにも対応しており、4Kでは120fpsのスローモーション撮影も可能になっています。
最高峰の性能を活かして動画撮影にも使える点は、「ASUS ROG Phone 3」がゲーマーだけでなく幅広いユーザーでも使いやすい一つの理由になると言えそうですね。
では実際に「ASUS ROG Phone 3」を触ってのレビューをまとめていきます。
単純に無骨でカッコいい
先代に比べて「ROG Phone 3」は、メカメカしさは控えめになって、よりスタイリッシュなデザインとなりました。
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また付属している専用のケースのデザインもなかなかカッコよく、必要なところはちゃんと守りつつ、アタッチメント装着を邪魔しない純正ならではのケースです。
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そして先代をレビューしたときもそうでしたが、とにかく背面を光らせることができるのは熱い!と思っています。
ただ今回、光らせるためにはゲーミング設定を行える「Armoury Crate」を使うことで設定が可能になります。
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このアプリでは、スマートフォンの状態をチェックできたり、ゲーム中のスペック設定、ブーストモードのなど様々な項目で、ゲームプレイを快適にするための設定が可能です。
Xモードの性能ブーストは強力
専用アプリ「Armoury Crate」では、コンソールという設定から”Xモード”を選択することで、「ROG Phone 3」の性能を最大限引き出すことができます。
スペックのところで紹介したAntutuの結果も、このXモードを利用した状態での結果となっています。
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普段はバッテリーなどのことも考え、控えめに使用することになると思いますが、それでもハイスペックは伊達ではないですし、ゲームプレイでは十分すぎるほどの性能になるので、まさにヘビーゲーマー向けスマホとしては申し分ないですね。
スタンド付き冷却ファンはゲーム以外でも便利
ゲームプレイ中などの高負荷時には、さすがに発熱が気になってくると思いますが専用の外付け冷却ファンを使うことで、幾分かは低減されます。
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この冷却ファンの下部には、USB-Cポートと3.5mmヘッドホンジャックが備わっているため、ゲームプレイ中に充電やヘッドセットと接続しながら使うこともできます。
また電源を取らなくても、画像のような状態で自動でファンが動いてくれるのも良いですね。
さらにこのファンは、裏側に足がついていて、スタンド代わりに利用することもできます。
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個人的にはこの状態は動画を見るのに便利だと感じました。
Youtubeなどを見ていても、高解像度である程度の時間見ていれば、発熱も気になってきますし、充電しながら見るとなおさらだと思います。
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充電も本体側のUSB-Cポートに接続すれば良いわけなので、ファンで冷却しつつスタンドで置きっぱなしにして動画を見る…というのは良い使い方ですね。
ちなみにファンのROGロゴも光らせることができます。
あと本体の使い方ではないと思いますが、このスタンドを使った状態でGoogle MeetなどのWeb会議でも使えるんじゃないかと思って試してみましたが、カメラの位置とスタンドの角度的な問題で置く位置を相当考えないと難しい印象でした。
ディスプレイはキレイでヌルサク
6.59インチのフルHD+ディスプレイは、広色域とHDR10+のくっきり、はっきりとした色味が特長なだけでなく、144Hzのリフレッシュレートによりヌルヌルと画面が動くのはスゴイです。
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普段の操作でもヌルヌルと動くので操作性は良く感じますし、動画閲覧時にはその滑らかさはとても見やすいと思います。
ただ、そうは言っても本領発揮はゲーム中だと思いますので、普段使いだけで考えるとそこまでは必要ないかもしれません。
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またディスプレイといえば、指紋センサの反応がとても良く、ログインもとてもスムーズなため総合的な使いやすさという面でも素晴らしいと思います。
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ここの反応が悪い機種を一つ持っているので、それと比べると雲泥の差どころの話ではありません。
こういうところもしっかりと作られている点は良いですね。
内蔵スピーカーの音も良い
ディスプレイの流れでお伝えすると、上下に配置されたスピーカーの音がとても良いです。
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あまり重要視してはいませんでしたが、スタンドを付けた状態で試しにYoutubeやSpotifyなどで音楽を流してみたところ、低音もしっかりと出ていて部屋などでちょっとしたときに流すならコレでも十分じゃないかと思うくらいでした。
バッテリーは十分過ぎるほど持つ
今回実機を試していた数日間は、1日の間に何度かニュースチェックしたり、写真を十数枚撮影してツイートしたり、ハングアウトしたりSlackで連絡を取ったりしていましたが、半日で大体6〜70%は残っている感じでした。
ゲームをするとさすがにキツいと思うけど、負荷のかかる作業がそこまでなければ1日は余裕で持つはずです。また高速充電を備えているおかげで、充電スピードが早いのも嬉しいポイントです。おそらくこのあたりの数値や時間については、大手メディアがしっかり計測してくれると思うので割愛。
カメラは想像以上に良い出来
ゲームをしない代わりにこのハイエンドを活かす方法として真っ先に考えられるのは、動画と写真の撮影です。
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動画もとてもキレイに撮影できましたが、中でも写真撮影したみてかなり良かったですね。
また通常モードだけでなく広角モードもかなり便利です。
色味も非常にキレイに見えますし、通常モードでも十分満足出来る画質だと思いますが、より精細に撮影したいときには64MPモードで撮影するのもアリだと思います。
動画も8Kまで対応していますが、64MPと合わせてあまり長時間や大量に撮影していると、ストレージがガンガン消費されていきますので、常用するには少々悩ましいところです。普段から写真は通常モード、動画も4k撮影がちょうど良い感じですね。
また撮影時の発熱に関しては、便利なクーリングファンを取り付ければかなり軽減されると思いますので、うまく活用すると良いと思います。
ただしサイズは大きすぎる気もする
ゲーミングスマホとしてもやや大きめサイズですが、広い画面と持ちやすさという意味ではちょうど良いくらいだと思います。
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「iPhone SE」と並べてみましたが、かなり大きいことがわかっていただけると思います。
また「ROG Phone 3」を触ったときにふと気づいたのが、過去にレビューしているファブレットフォンの「Xiaomi Mi Max 3」と同じくらいのサイズになるんじゃないかということ。
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実際に比べてみましたが、縦の大きさはほぼ一緒、横幅がわずかに「ROG Phone 3」の方が小さく、このおかげで持ちやすくなっていると感じます。
やや細身のおかげで片手でも操作はしやすいと思いますが、落とす心配があるのでできるだけ両手で操作する方が安心だと思います。
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少しもったいない使い方かもしれませんが、画面の綺麗さやサイズ感からKindleなどで本を読むのにもちょうど良かったです。
Felicaなどがあれば…
使っていて感じたのは、この1台でゲームまで含めて何でもこなせるので、せめて国内ではFelicaなど日常使い向きの機能があると嬉しかったですね。
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実機を触るまでは最近必須と考えていたワイヤレス充電も…と思いますが、充電できるポートが2箇所ありますし、スタンド付きクーリングファンを使えば置き場所にも困らないので、ワイヤレス充電がないのはそこまで気にならなかったです。
ゲーム以外でももっと使いやすくなれば、このユニークなデザインとハイエンドなスペック、カメラを含めたバランスの良い中身のスマホなので、人気が出てもおかしくないと思います
まとめ – ゲームしなくても十分ありな選択肢
ということで、今回はあえてゲームをしないでゲーミングスマホ「ASUS ROG Phone 3」をレビューしてきました。
日常生活に限って言えばFelicaなどが使えない欠点もありますが、カメラ回りの性能面は素晴らしいと思いますので、写真や動画をよく撮影するし、たまにゲームをする人で、ハイエンドかつ他の人と被らないモデルが欲しいと思う方は、「ASUS ROG Phone 3」は検討してみるべきだと思います。
ただし、12GBRAMで119,800円(税別)、16GBRAMで129,800円(税別)と価格は決して安いものではありませんので、少しでもゲーム目的を含む方の方が向いていることも間違いでしょう。