今回の記事では、12月6日にAmazfitブランドから新発売されたスマートウォッチ「Amazfit Active」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機の提供を受けています。
Amazfit Active はシリーズでも安価なモデルとなっていて、四角いスクリーンなどデザイン含めて昨年リリースされた Amazfit GTS4 mini の実質的な後継機となります。昨年のモデルも完成度の高い軽量・スリムなスマートウォッチでしたが、新しい Amazfit Active はスクリーンの大型化や様々な新機能を追加しており、日常生活だけでなく運動時にもさらに使いやすいモデルに進化しています。
販売価格は21,900円からとなり、前世代よりも少し値上がりしてしまいましたが、新機能なども追加されているため手頃な価格という印象は変わりません。
昨年の「GTS 4 Mini」からの進化したポイントをまとめると、より大型・高解像度になったスクリーン、円偏波GPS搭載、Zepp OS 2.0にアップグレード、新しくレディネススコア、Zepp Coach、ルートインポート&ナビゲーション、Bluetooth通話といった機能の追加が挙げられます。もちろん各種健康測定機能も搭載されていて、長い時間のバッテリー駆動といった利点はそのままです。
実機レビュー
Amazfit Active は390×450解像度の1.75インチ AMOLED ディスプレイを搭載しており、前世代よりも大きく高解像度で画面の文字が見やすくなりました。OSアップグレードの影響もあると思いますが、タッチやスワイプ操作への反応もスムーズで操作性も良くなっている印象です。
ディスプレイは2.5D強化ガラスに指紋防止コーティングが施され、ケースはアルミニウム合金とステンレススチールを採用してます。ケースのサイズは42.36×35.9×10.75mmで、重さは同梱されているバンドを含み約36gとなっています。筆者が普段着けている時計はメタルバンドで50gを超えるくらいの重さのため、Amazfit Activeに換えただけでも軽く感じました。
ケースの側面にはボタンが1つ備わっており、1回押すとホーム/機能一覧のショートカット、長押しで設定した機能(デフォルトではAlexa、それ以外に変更するにはアプリから)を呼び出すことができます。
バンド部分もこれまでのモデルと同様にピンで交換できるタイプで、デフォルトではシリコンバンドが同梱されていますが、それ以外のバンドに簡単に取り替えることができます。
背面のセンサー部分もスッキリとしていて、凹凸も抑えられているため長時間装着しても手首への負担はそこまでありません。なお、充電はお馴染みマグネット式充電器で行い、過去のモデルの充電器を流用することができる点は変わらずメリットです。
健康測定
ここで Amazfit Active が搭載している健康測定機能などをざっと紹介しておきます。
健康測定
- 心拍数
- 血中酸素飽和度
- ストレスレベル
睡眠の質
- 睡眠ステージ
- 昼寝測定
- 睡眠スケジュール
- 睡眠時呼吸
- 睡眠スコア
リマインダー機能
- 異常な高心拍・低心拍
- 血中酸素
- ストレスレベル
- ストレス軽減のための呼吸法通知
その他
- PAI健康評価
- レディネススコア
- 心拍数の回復
- 月経周期の追跡
心拍数モニタリング、高心拍・低心拍アラート、血中酸素飽和度モニタリング、低血中酸素アラート、ストレスモニタリングといった継続的な自動モニタリング機能があり、日常生活における健康測定としては十分な機能を備えていると思います。
この中でもZeppの特長的な点は昼寝(昼間に就寝したことを認識する)を測定できることで、大体のスマートウォッチは夜間の睡眠しか測定してくれませんが、Amazfit Active (および対応するAmazfitデバイス)は、日中でも同様に睡眠として扱ってくれます。夜勤などで日中に寝ることがあるユーザーでも睡眠モニタリングを使うことができます。
また、Amazfit Active には新機能として「レディネス スコア」の提供が加わっています。これは睡眠や活動状況などのデータをもとに、朝に身体の回復度合いやメンタルの度合いを数値で教えてくれる機能です。
アプリ側の統計情報では次のように見ることができます。
この数値で休息を取るべきかがわかるようになるため、忙しい日々を送っていて余裕がなくなっているユーザーでも休息を意識することができます。
アクティビティ測定
Amazfit Active では、120以上のスポーツモードを搭載しているだけでなく、これまで上位モデルに搭載されてきた、5つの衛星測位システムと円偏波GPSテクノロジーを採用しているため移動したルートから距離などをさらに正確に測定できるようになりました。
また、事前にアプリからルートファイルをインポートすることで Amazfit Active のみでナビゲーション機能を利用することもできます。仮想ペーサー機能やトラックランモードなども搭載しています。
さらにAIを活用してトレーニングプランを作成してくれる Zepp Coach も搭載しています。これはランニングなどハードな運動に限らず、運動習慣を身につけて心肺機能を向上させる目的であればウォーキングやストレッチなどの運動でも、どれくらいのペースや負荷をかければ良いかを教えてくれます。
スケジュールの設定や目標の設定、トレーニングの進捗状況、休憩のタイミングなどを通知するため、自分だけで運動するとついサボりがちなユーザーにはちょうど良い機能だと思います。
なお、スポーツモードに関しては7つのスポーツは自動的に検出するため、手動でモードを有効にし忘れても安心です。対象の運動はランニング、ランニングマシン、ウォーキング(屋内/屋外)、サイクリング、ローイング、エリプティカルです。
その他の便利機能
Amazfit Active に搭載されている便利な機能は他のAmazfitデバイスや前世代と共通する部分も多いですが、このモデルで新たに追加された大きなポイントは Bluetooth 通話機能です。
これによりペアリングされているスマートフォンが近くにあって着信を受けた場合、スマートウォッチを使って通話することが可能になりました。そのため運動中などで手元にない場合やすぐ取り出せない場合でも電話をすることができます。もちろん、Amazfit Active で電話を受けるだけでなく、最近かかってきた電話やよく使う連絡先、電話番号を入力して電話をかけることもできます。
この他には会員証(QR、バーコード)保存機能、本体ストレージに音楽等を保存、Alexa 内蔵、各種通知機能に対応、おやすみモードやサイレントモードの自動設定などがあります。
今回のモデルも Suica などの電子マネー決済に対応しておらず、Googleアシスタントではないことが少々残念です。
バッテリー
バッテリー駆動時間に関しては、筆者の使い方であれば1日あたり8〜10%の消費でした。健康モニタリングの機能も全て有効(時間はデフォルト)で、主に7:00〜22:30に通知を受ける設定で22:30〜7:00はおやすみモード、日中は通知を〜100件ほど受け取り、1時間ほどGPSを有効にしてウォーキングをしています。
この状態で10〜12日ほど持つ計算になるためこれまでのシリーズ同様に長持ちだと思います。常時表示ディスプレイを有効にするとより短くなりますが、Wear OS スマートウォッチよりも確実に長持ちなので、充電を手間に感じるユーザーや長い時間充電できない状況が続くユーザーには良いデバイスです。
アプリ
最後にアプリについて紹介します。 Amazfit Active では前世代よりバージョンアップした Zepp OS 2.0 で動作しており、より詳細な設定やミニアプリの利用などができるようになっています。
スマートフォンのアプリから行える設定には、各種健康測定機能(センサ)の有効・無効の切り替え、通知やリマインダーの設定、ウォッチフェイス(文字盤)の変更、おやすみモードやサイレントモード(DNDモード)、サウンドやバイブレーションの変更、長押し操作の変更、ウォッチに表示させるウィジェット(Wear OS で言うタイル)といったものがあります。
かなり細かく調整することができ、スマートウォッチの小さい画面を見なくても大きいスマートフォンからほぼ設定できるため見づらい操作しづらいといったことがなく楽です。
ただ、今回のモデルもAmazfitシリーズの例に漏れず個性的なウォッチフェイスが多いので、気に入るデザインを見つけるのが大変かもしれません。それでも少しずつ種類も増えて選択肢が広がっているのが救いです。とは言え、どれも表示されている情報をカスタマイズすることができない(背景画像は変えられるものはあるが)ため、表示する項目のカスタマイズとかができるようになればもっと便利でしたね。
まとめ
ということで、Amazfit Active は GTS 4 Mini の後継機という立ち位置ながら、これまで上位機種で採用されてきた機能が追加されているため、日常生活で健康管理を重視するユーザーはより使いやすくなったスマートウォッチです。惜しむらくはSuicaに対応しないことや文字盤の自由度が低いことですが、21,900円で購入できるのであればここは妥協できるポイントかと思います。
設定も多く扱いやすいモデルなので、スマートウォッチの入門用としておすすめできる1台です。