2026 年 9 月 4 日 更新: GrapheneOS によると、Pixel 11 シリーズ向けの Android 17 QPR2 Beta 4 ビルドを調査した結果、ハードウェアは MTE に対応していることを確認したため、Pixel 11 のサポートについて再検討することを明らかにしました。
GrapheneOS の開発チームは、最新の Pixel 11 シリーズ向けの GrapheneOS に取り組んでいたものの、1週間かけても完了しなかったことを明らかにしました。
Mastodon での投稿によると、この原因として、Pixel 11 シリーズにおける ARM のハードウェアメモリタグ拡張 (MTE) が、ソフトウェア・ファームウェア、ハードウェアにおいてサポートされていないためだとしており、開発チームは Google がコスト削減のためにこの機能を削除したことを指摘しています。
そのため、現時点では Pixel 11 シリーズにおける GrapheneOS のサポートは未定となっています。
MTE はカーネルからアプリまで幅広く活用
Memory Tagging Extensions (MTE: メモリタグ拡張) は、メモリの不正な読み書きを検出し、メモリ破損に起因する脆弱性の悪用を防ぐハードウェアベースのセキュリティ機能で、脆弱性を悪用した遠隔からの攻撃と、デバイスを物理的に操作する攻撃への対策を大幅に強化します。
GrapheneOS は、カーネルを含む OS のベースとなる全プロセスでこの MTE を使用しており、一部のデバイス固有プロセスに限り一時的に無効化しています。
2023 年 10 月に発売された Pixel 8 シリーズがハードウェア MTE のサポートを備えており、GrapheneOS はこの時点から OS 全体での活用を開始しました。
一方、標準の Android と、GrapheneOS を導入していない通常の Pixel は、これまで MTE をデフォルトで有効化しておらず、Android 16 の「高度な保護機能」では、一部のプロセスに限り MTE が有効になります。
Pixel 11 のセキュリティ強化点にも言及
GrapheneOS は、MTE 以外の面では Pixel 11 に複数のセキュリティ向上が見られるとしており、例えば耐量子計算機暗号に対応した検証済みブート (ML-DSA) の採用や、Samsung 製 Shannon IMS から AOSP IMS への切り替えが挙げられています。
Titan M3 セキュリティチップについても、デバイスが初回ロック解除前 (BFU) の状態でのデータ抽出への耐性を大幅に向上させるとしています。
GrapheneOS は、こうした改善があるにもかかわらず、MTE を削ったことでその価値が損なわれていると述べています。
性能面でも割高との指摘
GrapheneOS は、Pixel 11 について CPU の性能向上は小さく、GPU は前世代から変わらず非力で、Pixel 11 Pro および 11 Pro XL の最小モデルでは RAM が減少しているにもかかわらず、価格は大幅に上がったことを指摘しています。
また、セルラー無線については、ようやく前世代の Qualcomm チップに追いついた水準だとしています。
チップセットの性能比較を例に出し、Snapdragon 8 Elite Gen 5 はシングルスレッド性能が Pixel 11 の Tensor G6 より約 40% 高く、マルチスレッド性能は約 80% 高いといいます。GPU 性能は 100% 以上上回るとしており、セルラー無線の性能面でも優位にあるとしています。
GrapheneOS は、この Snapdragon 8 Elite Gen 5 の次世代チップが、Motorola との提携における最初の対応デバイスに搭載される見込みだとしています。
GrapheneOS のための Pixel 11 購入は非推奨
GrapheneOS は、対応方針についてまだ結論を出していないとしながらも、Pixel 11 シリーズへの対応を見送り、Motorola との提携デバイスに注力することを示唆しています。
また、現時点では Pixel 8、Pixel 9、Pixel 10 の各シリーズの方が GrapheneOS にとって総合的なセキュリティ水準が高いとして、Pixel 11 の購入は推奨しないとの考えを示しています。











