2026 年に搭載機種の登場が予告されている、MediaTek の新しいチップセット「Kompanio 540 (MT8189)」を採用した Chromebook の開発が進んでいます。
今回、Chromium Gerrit のコミットから新たに「Vader」と呼ばれる機種の開発が始まっていることを確認しました。これは Kompanio 540 のリファレンスボードである「Skywalker」から派生した 13 番目のモデルとなります。
「Skywalker」から派生した「Vader」
今回発見された「Vader」は、MediaTek MT8189のリファレンスボードである「Skywalker」から直接派生したベースボードを使用しています。

通常、新しい Chromebook が開発される際は、Google やチップセットベンダーが提供するリファレンスボード(この場合は Skywalker)をもとに、各 PC メーカーが独自のカスタマイズを加えて製品化していきます。
コミット内容を見る限り、Vader は Skywalker の構成を引き継いでいますが、現段階ではまだ基礎的な検証が行われているフェーズの可能性があります。
ちなみに、開発コードの「Vader」はもちろんスター・ウォーズの「ダース・ベイダー」に由来していると考えられますが、同一人物である「Anakin (アナキン・スカイウォーカー)」の名前を冠したボードも別途開発されています。
これまでに分かっていること
まず、MT8189 は学生向け Chromebook に搭載される Kompanio 540 であることがすでに MediaTek から発表されています。
これはミドルレンジクラスの Kompanio 838 と同等の性能を備えており、従来の Kompanio 500 シリーズや Intel N4000 シリーズに比べて、パフォーマンスは大きく向上しています。
「Vader」は「Skywalker」をベースにしていることや開発コードから、テンキーなしで 14 インチ以下のコンバーチブル Chromebook になる可能性があります。
また、2 つの USB-C ポート(おそらく左右)を備え、外部出力対応(DP Alt Mode) と最大 65W 充電をサポートしていると考えられます。
まとめ
現状では、「Vader」はまだ開発が始まったばかりなのでどのメーカーからリリースされるかや、具体的な仕様については不明です。
これまでに MediaTek MT8189 (Kompanio 540) を採用した Chromebook は 14 機種(リファレンスを含むと 16 種類)が開発されており、このチップは過去最大規模で開発が進められています。
なお、MediaTek によれば Kompanio 540 を搭載した Chromebook は 2026 年初頭に発売されるとしており、CES や BETT などでの発表が期待されています。
出典: Chromium Gerrit


