Google と各メーカーは、MediaTek の MT8189 (Kompanio 540) を採用した Chromebook の開発を進めています。その中で新たに「Dooku」と呼ばれる開発ボードが Chromium Gerrit に追加されたことを確認しました。
このボードは、同じく Kompanio 540 を採用する「Skywalker」リファレンスボードをベースにした「Baze」から派生しています。また、開発者やバッテリー情報からは、Acer または HP の Chromebook になる可能性も示唆されています。
「Baze」から派生した新ボード「Dooku」
「Baze」は「Skywalker」をベースにした初期の派生ボードで、これまでの開発状況から、コンバーチブルとクラムシェルの両対応、タッチ対応・非対応など柔軟性を備えた、テンキー付きの 15.6 インチになる可能性が示唆されています。
今回の「Dooku」はその「Baze」から派生しており、仕様や設定を引き継いだ派生モデルとなる可能性が高いです。

現時点で「Dooku」の確認できている仕様としては、「Baze」と同様にテンキー (KEYPAD) が搭載され、クラムシェルタイプのみであること(モーションセンサーとタブレットモードを削除するというコミットがあるため)、キーボードバックライトを搭載することなどがあります。

また、USB-C ポートは 1 つだけ搭載することも確認できました。

このほか、まだ未確定ではあるものの、開発者の一人が過去に複数の Acer の Chromebook の開発に関わっているため、「Dooku」は Acer のモデルである可能性があります。
しかし、バッテリー関連の情報を見ると、対応するバッテリーが過去に HP のデバイスで使用されているもののため、HP のデバイスになる可能性も考えられます。

現状ではまだ断定はできませんが、Acer と HP のどちらかのデバイスとなる可能性が高いと言えます。
Skywalker シリーズはこれで 12 機種目
今回、新しく「Dooku」の開発が始まったことで、Skywalker リファレンスボードから構築された Chromebook は 12 機種目となりました。
すでに Kompanio 540 (MT8189) は「学生向け Chromebook の新チップ」として発表されているため、これらのデバイスが教育市場向けの Chromebook になることは疑いの余地はありません。
一方で、新しい Kompanio 540 は、同じエントリークラスの前世代 Kompanio 520 ではなく、ミッドレンジに位置する Kompanio 838 (MT8188) をベースに構築されています。そのため、従来のエントリークラスの Chromebook よりも、パフォーマンスとバッテリー駆動時間の向上が期待できます。
学校・法人や個人であれ、快適なパフォーマンスと 1 日の授業に耐えられるバッテリーは必須ですし、何より導入コストの問題がつきまといます。従来の Intel チップ以上に、開発に取り組まれているデバイスの多い今回の MediaTek チップは、それらの課題をうまくクリアしたことで、採用数が増えているものと考えられます。
なお、Kompanio 540 (MT8189) を搭載した Chromebook は、2026 年 1 月から順次発表・発売されることが明らかになっています。
HelenTech では、Dooku を含む Kompanio 540 を搭載する Chromebook の開発動向を今後も追っていきます。
出典: Chromium Gerrit


