ASUS JAPAN 株式会社は、教育現場向けに展開している Chromebook の一部モデルにおいて、鉛筆による手書き入力を可能にする「ペンシルライティング」機能の提供を開始したことを発表しました。
この機能は ChromeOS のアップデートによって提供され、スタイラスペンを紛失した場合などでも、身近な鉛筆を代替として利用できるため、教育現場での利便性向上が期待されます。
スタイラスペンがなくても鉛筆で書ける「ペンシルライティング」
「ペンシルライティング」機能は、スタイラスペンだけでなく、ごく一般的な鉛筆やシャープペンシルを使って Chromebook のタッチスクリーン上に直接文字や図を書き込めるようにするものです。
手のひらが画面に触れても誤動作しにくいパームリジェクション機能にも対応しているため、紙に書くような自然な体勢で快適に操作できます。これにより、授業中にスタイラスペンを忘れたり、紛失してしまったりした場合でも、生徒は筆箱にある鉛筆ですぐに学習を継続できます。
推奨される筆記具と注意点
ASUS は、本機能を快適に利用するための筆記具として、以下のものを推奨しています。
- 鉛筆: HB、B、2B
- シャープペンシル: 2mm 芯対応のもの
ただし、鉛筆の種類やご利用環境によっては、正常に動作しない場合や動作に差が生じる可能性があります。
また、本機能はあくまでスタイラスペン紛失時の代替手段として設計されています。CBT (Computer Based Testing) 試験やデジタル教科書への細かな書き込みなど、高い精度が求められる場面では、ASUS 純正のスタイラスペンの使用が推奨されています。鉛筆などを使用する際は、横画面での利用が推奨されています。
開発の背景
近年、GIGA スクール構想などを背景に教育現場でのタブレット端末の活用が急速に広がっています。その一方で、専用スタイラスペンの紛失や、交換に伴う追加のコストが課題となっていました。
ASUS はこの状況に対応するため、多くの生徒が日常的に使用している鉛筆での操作を可能にすることで、現場の負担を軽減し、よりスムーズな学習環境を提供することを目的として本機能を開発しました。
なお、鉛筆を使って操作できる機能は、ASUS 以外にも Lenovo などの教育向け Chromebook でも導入されています。
対象モデルと提供について
記事執筆時点(2025 年 7 月 3 日)における、本機能に対応するモデルは以下の通りです。
- ASUS Chromebook CZ11 Flip (CZ1104F)
- ASUS Chromebook CZ12 Flip (CZ1204F)
- ASUS Chromebook CR11 Flip (CR1104F)
- ASUS Chromebook CR12 Flip (CR1204F)
上記の製品名に該当する型番 (CZ1104FM2A, CZ1204FM2A, CR1104FGA, CR1204FGA, CR1104FTA, CR1204FTA) が対象となります。今後、対象モデルが追加される可能性がありますので、詳細は公式サイトをご確認ください。
なお、このペンシルライティング機能は、ChromeOS のオンラインアップデートを通じて自動的に配信、適用されます。対象機種を利用している教育機関では、特別な追加操作は不要です。
本機能は ChromeOS 137 (バージョン 137.0.7151.86) 以降で対応します。
まとめ
GIGA スクール構想で配布されたデバイスを使っていると、どうしてもスタイラスペンの紛失や故障は避けて通れない問題です。そんなときに、普段使っている鉛筆で代用できるというのは、生徒と教員、管理者にとっても大きな安心材料になるはずです。
もちろん、常用は推奨されていませんが、「いざという時」の選択肢があるだけで、運用は格段にしやすくなります。教育現場の実情に寄り添った、ASUS の見事な対応と言えるでしょう。
教育機関向けの専用コールセンターや、法人向けの相談窓口も用意されていますので、導入を検討している担当者の方は、そちらに問い合わせてみることをお勧めします。
- 教育機関・GIGAスクール専用コールセンター: 0800-805-1113
- 法人さま専用ご相談窓口: https://www.asus.com/jp/content/education/
出典: PRTimes