Microsoft の保護者向け管理機能「ファミリーセーフティ」で、Google Chrome ブラウザが起動しなくなるという問題が、2025 年 6 月 3 日から 2 週間以上にわたって発生しているようです。
これは保護者や教育機関で広く利用されている機能のため、一部の環境で影響が出ていることが報告されています。
問題の詳細と原因
この問題は、Windows に搭載されている「Microsoft Family Safety(ファミリー セーフティ)」機能が有効になっている環境で、Google Chrome が開かない、あるいは起動してもすぐに閉じてしまうというものです。
Google Chrome ヘルプでの報告に対して、Google のサポートマネージャーである Ellen T. 氏によると、チームの調査によって Microsoft Family Safety が有効になっている場合に Chrome の実行が妨げられることが原因だと特定されています。この問題は Chrome に特有のようで、Firefox や Opera といった他のブラウザでは影響は確認されていません。
現在利用可能な回避策
Microsoft から公式な修正は提供されていませんが、ユーザーによっていくつかの回避策が発見されています。
実行ファイル名を変更する
一時的な回避策として、Chrome の実行ファイル(Chrome.exe)の名前を「Chrome1.exe」などに変更することで、問題なく起動できるようになったという報告があります。
ファミリーセーフティの設定を変更する
Microsoft 365 サブスクリプションの一部としてファミリーセーフティを利用している場合、設定から「不適切な Web サイトをフィルターする」を無効にすることでも Chrome が再び利用可能になります。
ただし、この方法では Web フィルタリング機能が停止してしまうため、お子様などがいる環境ではあらゆる Web サイトにアクセス可能になる点に注意が必要です。
もしくは Windows タブ→アプリとゲーム→ Chrome のブロックを解除 することも挙げられています。

Microsoft と Google の対応状況
Google によると、この問題の原因は特定済みであるものの、Microsoft 側からの修正プログラムの展開についてはまだ情報がない状況としています。Chromium の IssueTracker では、Chromium のエンジニアが 6 月 10 日の時点で、「Microsoft がユーザーに回避策を案内していることは把握しているが、それが広範な解決策になるとは考えにくい」と述べています。
まとめ
現在、Microsoft Family Safety のバグにより、一部の Windows 環境で Google Chrome が起動しない問題が続いています。Microsoft からの正式な修正はまだ提供されていませんが、「実行ファイルのリネーム」や「フィルター機能の無効化」といった回避策で一時的に対処することは可能です。
ファミリーセーフティ機能を利用しているユーザーで、Chrome の動作に問題が発生している場合は、修正が提供されるまでこれらの回避策を試すことをお勧めします。
ちなみに、今回の一件は偶発的なバグである可能性が高いと考えられますが、これまでにも Microsoft は自社の Edge ブラウザの利用を促すため、Windows 上でさまざまな手法を試みてきた経緯があります。この手の問題はユーザーにとってあまり良い印象を与えないため、Microsoft 側の素早い対応に期待です。
出典: The Verge