Google は 2025 年 5 月 20 日(米国時間)に開催した Google I/O 2025 に合わせて、Pixel デバイス向けに最新ベータ版となる Android 16 QPR1 Beta 1 をリリースしました。
今回、このベータ版のリリースのなかに、ロック画面の壁紙をぼかした状態で常時表示ディスプレイ (AOD) に映し出す新機能「アンビエント AOD (ambient AOD)」の導入に取り組んでいる可能性が報じられています。
この機能は、Android 16 で導入される新しいデザインシステムである Material 3 Expressive デザインにおける背景ぼかしの活用をさらに推し進めるものとなりそうです。
開発中の「アンビエント AOD」とは?
常時表示ディスプレイ (AOD) は、日本語では「時間と情報を常に表示」という設定項目になっており、ロック画面の設定から変更することが可能です。
「アンビエント AOD」は、ユーザーが設定したロック画面の壁紙を、ぼかし処理を施した上で AOD に表示する機能です。
これまでの AOD 壁紙表示機能(Android 9 Pie で Pixel 3 シリーズに短期間実装されたものなど)とは異なり、壁紙全体を表示することを目指しているとされています。
Google は先日の「The Android Show: I/O Edition」で、この機能を短時間ながら示唆する映像を公開しました。 Android Authority の Mishaal Rahman 氏が Pixel 8 Pro で早期バージョンを動作させたところ、期待通りに機能したものの、画面の点滅といったバグも確認されたとのことです。


現状の課題と今後の展望
Mishaal Rahman 氏によると、Pixel 8 Pro での「アンビエント AOD」の動作は不安定で、画面が定期的にちらつく問題が発生しているようです。
これは、Pixel 8 Pro のディスプレイがこの機能に完全に対応していないためかもしれず、内部コードからは「特定のディスプレイでのみサポートされる」との記述が見つかったことを伝えています。
このことから、「アンビエント AOD」機能は、現行の Pixel デバイスでは利用できず、将来登場する「Google Pixel 10」シリーズのような、特定のディスプレイ性能を備えたデバイス限定の機能となる可能性が考えられます。
現在開発中のため、この機能が正常に動作するために必要なディスプレイの具体的な特性(リフレッシュレートや色再現性など)はまだ不明です。 Android スマートフォン (Pixel デバイスを含む) は、AOD アクティブ時に特殊な低電力表示状態を利用しており、これが現行デバイスでの動作を妨げている可能性も指摘されています。
この新機能が実現すれば、AOD がよりパーソナルで豊かな表現力を持つようになる一方で、バッテリー消費への影響も気になるところです。
まとめ
Android 16 で導入される可能性のある「アンビエント AOD」は、ロック画面の壁紙をより活用し、AOD の表現力を高める魅力的な機能と言えそうです。
ただし、現時点では Google からの正式発表はなく、開発途中であり、特定のディスプレイ機能を必要とするため、実際に利用できるデバイスは限定されるかもしれません。
現時点では開発中の機能ですが、Android 16 QPR1 Beta 1 で導入されていることから、今後展開される Android 16 の四半期ごとのプラットフォームリリース (QPR)で導入されること期待されます。
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