Acer は台湾で開催される Computex 2025 に先駆けて、同社初のスマートリングと新しいワイヤレスイヤホンの 2 つを発表しました。これらのデバイスは Acer の子会社となる Acer Gadget を通じてリリースしたもので、Computex 会場で実際に展示される予定です。
AI 搭載スマートリング「Acer FreeSense Ring」
Acer FreeSense Ring の本体は軽量なチタン合金製(約 2〜3g)で、IP68 防塵・防水性能と 5ATM 耐水性を備えているため、日常生活で安心して使うことができます。カラーはマットなローズゴールドと、光沢のあるブラックの 2 色があります。

なお、リングのサイズは 7 号から 13 号までの全 7 サイズ(US)が用意されます。
健康測定機能は、心拍数、心拍変動、血中酸素レベル、睡眠といった主要な測定が可能で、コンパニオンアプリを通じて収集されたデータを AI が分析し、ユーザーに合わせた健康に関する洞察や提案を提供するとしています。
また、競合製品(Oura Ring や Galaxy Ring)とは異なり、健康・フィットネス追跡機能や AI による分析・提案機能の利用に追加のサブスクリプション料金は必要ありません。そのため、本体を購入すれば全ての機能を利用することができます。
Acer が買い切りに近いモデルで参入することで、ユーザー側としても負担軽減や高度な健康管理機能を手軽に使えるようになるというのはメリットです。ただ、Oura Ring や Galaxy Ring といった競合製品との機能・精度の差や、AI がどの程度実用的なものかは、まだわかりません。加えて、最近ではサブスクリプション不要の高性能スマートリング(例えば、筆者が愛用している RingConn Gen 2 など)も出始めているため、それらとの差別化もポイントになりそうです。
現時点では、詳しい仕様や価格などは明らかにされていませんが、2025 年内の発売が見込まれています。
AI翻訳機能付きワイヤレスイヤホン「Acer AI TransBuds」
Acer が今回発表しているもう一つのデバイスはワイヤレスイヤホン Acer AI TransBuds で、リアルタイム翻訳機能を備え、「多言語間のコミュニケーションを簡素化する」ことを目指して開発されたとしています。

主な特長は、スマートフォンに専用プラグインレシーバーを接続することで、AI ベースの音声認識と意味解析技術を活用したリアルタイムでの双方向音声翻訳を利用することができます。
また、会話の内容をリアルタイムで追跡できるライブキャプション(自動字幕)機能や、後から確認できる文字起こし機能もサポートしています。これら翻訳機能に対応する言語は、アジアやアメリカ、ヨーロッパで話されている 15 言語(日本語を含む)となっています。
このほか、Bluetooth 5.4 をサポートし、イヤホン本体には 50mAh バッテリー、ケースには 400mAh バッテリーが搭載されています。
Acer AI TransBuds はプラグインレシーバー方式を採用することで、イヤホン単体での翻訳機能を持つ製品と比較して、スマートフォンの処理能力を活用した高度な翻訳精度や安定性が期待できるかもしれません。一方で、レシーバーの持ち運びが必要になる点はデメリットとも言えます。
対応言語が今後さらに拡大されるか、また、実際の翻訳精度や遅延がどの程度なのか、特に旅行やビジネスシーンでの実用性が気になるところです。
まとめ
現時点では、Acer FreeSense Ring および Acer AI TransBuds の価格や具体的な発売日、そして日本国内での販売については明らかにされていません。 詳細については、今後の Acer からの正式発表が待たれます。
今回の発表では、特にスマートリング「FreeSense Ring」はサブスクリプションが不要ということもあり、価格次第では人気の出そうな製品だと思います。また、「AI TransBuds」のリアルタイム翻訳機能もレシーバー付きのユニークさと実用的であれば、多くの場面で役立つことが期待できます。
いずれにしても、現状では日本で発売されるかどうかもわかりませんので、今後の展開に期待ですね。