Googleは、Chromebook などの ChromeOS デバイス向けに最新安定版の ChromeOS 135 メジャーアップデートの配信を開始したことを発表しました。
このアップデートにより、Chrome ブラウザのバージョンが 135.0.7049.104 へと更新され、いくつかの新機能追加や改善、セキュリティ修正が行われています。
特にユーザー向けとして今回のアップデートでは、ChromeOS Flex への新しい Bluetooth スタックの展開や、ランチャーでの画像内容検索、マウスのファストペア対応などが主な追加点です。
なお、すでに ChromeOS 135 の管理者向けリリースノートに関する記事を投稿しており、今回の内容と基本的には変わっていません。
ChromeOS 135 の新機能と改善点
Google の Chromebook ヘルプコミュニティへの投稿によると、ChromeOS 135 で導入されたユーザー向けの主な新機能や改善点は以下のとおりです。
Bluetooth スタック「Fluoride」が Flex にも展開
ChromeOS 122 から通常の ChromeOS デバイス向けに展開が始まっていた、Android ベースの新しい Bluetooth スタック「Fluoride」が、今回 ChromeOS Flex デバイスにも展開されます。
この移行はログイン時にシームレスに行われ、既存のペアリング情報は保持されるため、通常はユーザーが何かを意識する必要はありません。Bluetooth 接続の安定性や互換性の向上が期待されますが、もし問題が発生した場合、chrome://flags/#bluetooth-use-floss から一時的に無効化することも可能です。
ランチャーでの画像内容検索
これまでファイル名でしか検索できなかった画像ファイルを、ランチャー(検索キーまたはシェルフの検索アイコン)から画像の内容に基づいて検索できるようになりました。
例えば「犬」と検索すれば、ファイル名に「犬」が含まれていなくても、犬が写っている画像ファイルが検索結果に表示されるようになります。ただし、筆者が実際に試してみたところまだ機能しているかはわかりませんでした。
マウス向けファストペア対応
Google の簡単ペアリング機能「ファストペア (Fast Pair)」が、マウスにも対応しました。ファストペア対応のマウスをペアリング状態にして Chromebook に近づけると、通知が表示され、ワンクリックで簡単にペアリングを完了できます。
ユーザー補助機能強化 (マウスキー、顔コントロール)
マウスの使用が困難なユーザーを支援する、キーボードを使ってマウスポインタを操作できるユーザー補助(アクセシビリティ)機能「マウスキー」が追加されました。


これは ChromeOS の [設定] > [ユーザー補助機能] > [カーソルとタッチパッド] > [マウスキー] から設定の有効・無効と機能の調整を行うことができます。
一方、ChromeOS 132 から導入された顔の動きで操作する「顔コントロール (フェイスコントロール)」機能が有効な場合に、それがより明確に表示されるようになり、機能をオフにするための閉じるボタンも表示されるなど、UIが改善されました。機能がオンになった際の通知も追加されています。

この設定も、[ユーザー補助機能] > [カーソルとタッチパッド] > [顔コントロール] から設定を変更することができます。
余談ですが、ChromeOS 上でも「フェイスコントロール」、「顔コントロール」、「フェイスナビ」など用語が一貫していないので気をつけてください。
セキュリティ修正とバグ修正
Chrome Releases Blog によると、今回の OS アップデートには、Chrome ブラウザ(135.0.7049.104) に含まれるセキュリティ修正も適用されています。
これには、重要度が「高」が 1 件、「中」が 2 件、「低」が 3 件の合計 6 件の脆弱性修正が含まれます。 セキュリティを維持するためにも、アップデートの適用が推奨されます。
なお、Google から公式のアナウンスはありませんが、ChromeOS 134 で発生していた「日本語の変換候補で日付や時間が表示されない」問題については、今回のアップデートで解消されていることを確認しました。
現時点では、135.0.7049.104 における特定の問題などは報告されていないようです。また、大きなアップデートの遅れも確認されませんでした。
まとめ
ChromeOS 135 安定版アップデートは、ChromeOS Flex ユーザーにとっては待望の新しい Bluetooth スタック展開、全てのユーザーにとっては画像検索やマウス接続の利便性向上、そしてアクセシビリティの改善などの機能強化が含まれています。重要なセキュリティ修正も含まれるため、アップデート通知が届き次第、適用することをお勧めします。