Google はサポートされる Chromebook などの ChromeOS デバイスに向けて、ChromeOS 133 のメジャーアップデートをリリースしました。このアップデートによって、ほとんどのデバイスが 132.0.6834.208 から 133.0.6943.132 へと更新されます。
今回のアップデートは、珍しくリリースノートが先行して公開されており、いくつかの新機能が導入されてることはすでに明らかになっています。
ChromeOS 133 では、新しいユーザー補助機能、Bluetooth のマイク機能の改善、スクリーンキャストの言語サポート拡大などが導入されます。
以下では、ChromeOS 133 で導入された新機能について、改めて紹介しています。なお、Chrome Enterprise / Education 管理者向けの ChromeOS の変更点もまとめました。
バウンスキー の導入
バウンスキーは、短時間の間隔でキーを繰り返し押すと無視する機能で、必要に応じてカスタマイズすることができます。これにより、意図しないキーの押下によって、意図しない文字を入力されることを防ぎます。
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「バウンスキー」の設定は、ChromeOS の [設定] > [ユーザー補助機能] > [キーボードとテキスト入力] のページにあります。「バウンスキー」のトグルを有効にすると、スライダー形式で最小0秒(短い)から最大2秒(長い)まで、0.1秒刻みで同じキーを再び有効にするまでの待機時間を変更することができます。
ウェルカムツアー
新しい ChromeOS ユーザーはデバイスのセットアップ後にウェルカムツアーが表示されるようになりました。すでに Chromebook にログインしたことがあるユーザーには表示されないのか、ただ「使い方・ヒント」が表示されるだけなのかはわかりませんが、私の環境ではそれっぽいものが表示されませんでした。
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なお、Chromebook の使い方を再確認したい場合は、アプリランチャーから「使い方・ヒント」アプリを開くか、[設定] > [ChromeOS について] > [ヘルプ] から「使い方・ヒント」アプリを起動し、[ヘルプ] の項目を見ると、「Chromebook の使い方」を確認できます。
Bluetooth マイク 超解像度の導入
ChromeOS 133 では、Bluetooth マイクの超解像度をコントロールするための切り替えトグルが追加されました。この切り替えは、[設定] > [デバイス] > [音声] のページに表示され、機能をサポートしているかつ選択した入力デバイスが Bluetooth ヘッドセットの場合のみ表示されます。
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なお、この機能は「古い Chromebook の Bluetooth マイクのオーディオ品質を向上させることを目的としている」ため、最新の Chromebook では表示されません。
ChromeOS.dev によれば、Bluetooth マイク 超解像度は、NBS (狭帯域幅) オーディオ接続のみをサポートし、機械学習モデルを使用できる一定以上の性能を備えた Chromebook が対象となります。この機能のサポートには、少なくとも次のデバイスが含まれます。
- Google Pixelbook
- Acer Chromebook 13 / Spin 13
- Google Pixel Slate
- ASUS Chromebook Flip C434
- Lenovo Chromebook C340-15
- Dell Inspiron 14 2-in-1 Model 7486
- Yoga Chromebook C630
- ASUS Chromebook C425
- ASUS Chromebook Flip C433TA
スクリーンキャストの言語サポート拡大
ChromeOS 組み込みアプリの1つ「スクリーンキャスト」は、50以上の言語をサポートするようになりました。
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Chrome Enterprise および Education 管理者向けの変更点
最後に、Chrome Enterprise および Education 管理者向けに導入されている、ChromeOS 133 の変更点をまとめます。すでにリリースノートは公開されていますが、記事執筆時点では英語のみとなっています。
管理対象ユーザー向けの Office ファイル処理の強化
ChromeOS 133 以降では、管理対象ユーザーは、Microsoft 365 または Google Workspace のどちらでウェブ版 Office を使用しているかに関係なく、Microsoft Office ファイル (Word、PowerPoint、Excel) をシームレスに開いて編集できるようになりました。
Web 版 Office を使用している組織は、ファイルアプリへの OneDrive の統合、デスクトップのようなエクスペリエンスを実現する Microsoft 365 PWA システムの統合、アプリケーションの SSO、事前構成のための高度なポリシー制御などを利用することができます。
詳細はこちらのヘルプページをご覧ください。
ChromeOS デバイスでローカルストレージを使用させない
ChromeOS 133 では、管理者がローカル ストレージをブロックすることで、すべてのファイルをGoogle Workspace または Microsoft OneDrive に保存されるようにすることができます。
この機能は、データ損失を防ぎ、セキュリティ リスクを軽減し、法的保留要件をサポートし、共有デバイスに特に役立ちます。
詳細はこちらのヘルプページをご覧ください。
キーボード言語に関する新しい ChromeOS ポリシー
ChromeOS 133 では、新しい AllowedInputMethodsForceEnabled ポリシーにより、管理者は AllowedInputMethods によって以前に設定されたキーボード言語を自動的にインストールできます。ポリシーが設定されている場合、ユーザーは新しいキーボード言語を追加したり、選択したキーボード言語を削除したりすることはできません。
キオスクデバイスの稼働状況モニタリング
ChromeOS 133 では、キオスク デバイスのヘルス モニタリングのステータス更新のレイテンシが改善されました。理想的な状況では、キオスク デバイスのステータス更新は約 1 分で報告されるようになりました。オフライン ステータスは 11 分以内に送信または更新されるようになりました。
詳細についてはこちらのヘルプページをご覧ください。
以上が、ChromeOS 133 で導入された新機能と変更点の内容です。
すでに私がメインで使用している数台の Chromebook は ChromeOS 133 にアップデートされており、サーバーでアップデート状況を確認したところ、ほぼすべてのサポートされるデバイスが更新され、目立った遅れはないようです。