プレミアム Chromebook 向けに MediaTek MT8196 チップセットが今後登場する可能性があります

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MediaTek は COMPUTEX 2024 でプレミアム Chromebook 向けの新しいチップセット Kompanio 838 (MT8188) を発表していますが、それとは別のプレミアム Chromebook 向け MT8196 チップセットにも取り組んでいることが明らかになりました。

この報告は Chrome Unboxed によるもので、開発中デバイスのコードを掘り下げていたところ MediaTek MT8196 というチップセットを Chromebook に搭載する取り組みを発見しています。この取り組みは数ヶ月前から行われていたようですが、現時点では MT8196 の詳細は明らかになっておらず、どのメーカーやデバイスに採用されるかも不明です。

MediaTek MT8196 はその名称から、おそらく2022年に発表された MT8195 (Kompanio 1380) からのアップグレード版になると予想されます。このチップセットを採用した Chromebook は Acer Chromebook Spin 513HP Chromebook x360 14b の2つしかなく、いつの間にか消えてしまっていますが、海外の評価などを見ると MT8195 はそこまで悪いものではなかったようです。

また、今年発表された MT8188 (Kompanio 838) の性能も Kompanio 500 シリーズからは大幅に向上しており、Kompanio 800 シリーズよりも高性能な位置づけてある Kompanio 1000 シリーズの新チップセットとなればパフォーマンスに期待が持てます。

一方、少し MT8196 に関する情報を調べてみたところ、Microsoft のブログで2024年3月26日の記事に MediaTek MT8196 SoC に関する記載がありました。これによれば、「MediaTek から今後登場する MT8196 SoC はプレミアムデバイスで MDEP (Microsoft Device Ecosystem Platform) をサポートし、Edge で生成 AI 機能を提供してプライバシーを強化する」とのことです。

Microsoft デバイス エコシステム プラットフォーム (MDEP) は、Microsoft の Android ベースのプラットフォームであり、デバイス メーカーやソフトウェア開発者が、セキュリティ、信頼性、管理に関する Microsoft の評判に裏打ちされた革新的なソリューションを提供できるようにします。

Android オープン ソース プロジェクト (AOSP) に基づいて構築されたこのプラットフォームは、ハードウェア ソリューションとソフトウェア ソリューションの両方に合わせて拡張およびカスタマイズできるように設計されています。

 Microsoft デバイス エコシステム プラットフォーム (MDEP) 

MDEP に関するご指摘があったので一部修正しています。

今年の後半には MediaTek Kompanio 838 (MT8188) が Chromebook Plus タブレットとしてようやくリリースされることになると思われますが、開発に取り組まれたばかりの MT8196 はもう少し先のリリースになるはずです。最も早いタイミングでは来年の春頃(発表はもう少し早いかもしれない)になると思われます。

Chromium Gerrit

いずれにしても Chromebook に搭載するべく開発が行われていることは確かで、MediaTek はこれまでのようなエントリーやミッドレンジだけでなく、よりハイスペックな Chromebook にも対応するチップセットをリリースすることが期待できます。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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