今回はCES 2020 イノベーションアワードとiF デザインアワード 2020のダブル受賞をしている完全ワイヤレスイヤホン、「EarFun Air」の実機レビューをしていきます。なお、レビューにあたり実機を提供していただきました。
この「EarFun Air」は、デザインも機能面も良く、6,000円ほどで購入できるワイヤレスイヤホンとしてはかなりバランスの取れた良いイヤホンです。もし、お手頃価格で使いやすく完成度の高い、USB-Cとワイヤレス充電に対応した完全ワイヤレスイヤホンを探している方であれば、「EarFun Air」は最有力候補だと思います。
ということで、まずは主な仕様から紹介。
EarFun Air の主な仕様
- 直径6mm 複合ダイナミックドライバー
- 最大駆動時間:約7時間(イヤホン)、約35時間(ケース込)
- Qiワイヤレス充電対応、USB-Cポート
- 充電時間:約1.5時間(イヤホン)、約2時間(ケース)
- IPX7防水
- Bluetooth 5.0(動作範囲15m)
- Bluetoothプロファイル: A2DP、AVRCP、HFP、HSP
- 対応コーデック: AAC、SBC
- タッチセンサーコントロール
- 自動装着検知機能
EarFunのワイヤレスイヤホンのケースは、USB-Cポートとワイヤレス充電に対応しているのが特長だと思っていますが、今回の「EarFun Air」も同様にその2つは備えています。
またバッテリー駆動時間が長いことや自動装着検出機能なども搭載しているなど、価格の割に多機能なことも特長と言えます。
ただし、イヤホン自体にはノイズキャンセリング機能があるわけではない点に注意です。
ということで、実機をチェックしていきます。
開封
まずは化粧箱から。
写真はAppleの「EarPods」を意識しているであることはわかります。
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裏面には仕様について簡単に書かれており、日本での技適も取得していることがわかります。
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箱を開封すると、フタになっていた部分にはペアリング方法が書かれていますが割愛。
そして本体とイヤホンは、このように収納されています。
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この時点でもぱっと見てケースがコンパクトなことがわかります。
付属品については以下の3点。
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本体にすでに付属しているMサイズを除いたXS/S/Lが1セットずつとUSB-C ot Aケーブル、取説類となっています。
「EarFun Air」を購入しようと思うユーザーのほとんどは、ワイヤレス充電を使うことになると思いますが、USB-Cで充電できるというのは最近のAndroidスマホを使っている方ならケーブルを増やさず使いやすくなっています。
ケースの外観チェック
ではケースの外観をチェックしていきます。
デザイン・形状としてはAppleの”AirPods”に似ていて、本体の表側には充電やペアリング通知用のLEDがあります。
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裏面(蝶番側)には何もありませんが、底面に充電用のUSB-Cポートが備えられています。
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ちなみに充電はワイヤレスで行うことができますが、底面をワイヤレス充電器に着けた状態(ケースを立てた状態)でないと充電できませんでした。
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なので画像のように置かないと充電できないので、少し気を使う必要があります。
なお充電中は、通知LED部分が赤色でゆっくりと点滅し、完了すると緑色のLEDが点灯します。
イヤホン自体の充電は、ケースに入れておけば自動で充電されます。
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イヤホンも充電中には赤色LEDがゆっくりと点灯します。
Bluetoothのペアリング待ち中は、イヤホンの通知LEDが青色で点灯するため、状態がわかるようになっています。
またケースのフタを開けた状態で見える円形ボタンを長押することで、ペアリングの解除や再接続をすることができます。
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この位置なら間違って押してしまうこともないと思いますが、少し押しづらい感じもあります。
先にイヤホンを収納した状態での重さを測定しておきます。
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サイズと見た目に反して、55gと非常に軽いため、ポケットに入れて持ち運ぶにも苦労はないと思います。
イヤホンの外観チェック
イヤホンは軸の部分が長めの”AirPods”ライクになっていますが、本体部分はやや大きめの印象です。
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イヤホン自体のバッテリー駆動時間が長いことやタッチコントロールに対応していることが影響していると思いますが、それでも「EarFun Free」よりはもコンパクトであることと、軽めなのでそこまで気にしなくても良いかと思います。
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「EarFun Free」は押し込むボタン式の操作だったので、耳に押し込まれた感じがあって少し気になりましたが、「EarFun Air」はタッチコントロールになったおかげで、より使いやすくなりました。
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基本的な操作はほぼでき、音楽の再生停止や曲送り、音量の増減、通話アシスト、音声アシスタント機能に対応していますが、曲の前戻しだけができません。
個人的には音量の増減と再生の一時停止、通話アシストができれば十分なので、この点は問題なく使いやすいイヤホンだと思います。
実際に使用してみて
ということで、この数日間Androidスマホで「EarFun Air」を使ってみて思うところをざっとまとめていきます。
カナル型なのでノイズキャンなしでも十分
ノイズキャンセリング機能はありませんが、カナル型を採用しているためしっかりと装着できますし、イヤーピースも4種類あるため丁度よいところを見つければ、音楽再生時にはかなり音を遮ってくれます。
ただし、あくまでも密閉型だからという理由なので、周りの音が相当煩い場合や騒音など遮ることができないので、普段使う分には十分という意味です。
自動装着検知は便利
あまりこの価格帯でお目にかかったことはありませんでしたが、自動装着検知機能があるため音楽を聞いている途中でイヤホンを外すと、自動で再生が止まります。
このおかげで、急に取り外すようなことがあったときにいちいちスマホやタッチコントロールで操作しなくても良くなります。
これがないと困るわけではありませんが、あると便利な機能だと思います。
音質は価格としては十分だけど、高音が少し気になる
価格から考えても、基本的にはバランスの取れている音なので、悪くはないと思います。
どちらかというと、低音がしっかりと出る感じなのでその点は良いのですが、高音は少し軽く(シャリっぽく)聞こえることもあるので、気になる人は気になるかもしれません。
ただ、音質にそこまで拘らない方や価格なりであることを承知して購入する方であれば、とくに問題はないはずです。
ワイヤレス充電はやっぱり便利
AndroidスマホならUSB-Cポートである点も便利だと思いますが、やっぱりワイヤレスで充電できるのが一番便利だと思います。
ただ先程書いたように、ワイヤレスで充電するためには縦に置かないといけないので、充電器の形状などによっては少し置きにくいとかズレてくるということがあるかもしれません。
気になるようならUSBを使えば良いだけの話なので、そこまで気にすることもないと思います。
IPX7防水もついている
時期や地域によって、突然の雨などに悩まされることがありますが、「EarFun Air」はイヤホンに関してIPX7の防水となっていますので、外で使う際にも安心です。
ただ風呂などでは使えませんし過信は禁物ですが、普段の生活でちょっと濡れてしまったということがあっても大丈夫なので、使いやすいと思います。
コンパクト設計でもバッテリー長持ち
やや厚みがありますが、全体的にはコンパクト設計なのでポケットに入れても邪魔になりにくいですし、持ち運びしやすいのは良いと思います。
また、ケースはコンパクト設計ですがバッテリー駆動時間も長く、イヤホン本体もやや大きめで軸がありますが、最長7時間再生と長持ちなのが良いですね。
移動する時間が長い人や短くても毎日充電するのが面倒だと感じる方にもオススメできると思います。
複数デバイスとの切り替えはできない
最近使って来た高価格帯のワイヤレスイヤホンは、複数のデバイスとペアリングを済ませておけば、イヤホンと接続したデバイスから簡単に接続ができる(切り替える)ことが多かったですが、さすがに「EarFun Air」ではそれができませんでした。
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そのため、切り替えるときには接続済みのデバイスから”切断”した後に、改めて接続したいデバイスのBluetooth設定から接続する必要があります。
複数デバイスを跨いで利用したいと考えている方には少々不便ですが、1台だけに接続するのであれば問題はありません。
この数日使ってみて感じたことは、大まかにこれくらいでしょうか。
正直、価格を考えるとこれだけの機能と性能であれば十分過ぎるものですし、コストパフォーマンスに優れたワイヤレスイヤホンだと思います。
この価格でこれだけあれば十分すぎる
ということで、「EarFun Air」のレビューをまとめてきました。
音質に拘る方だとやや物足りないというか価格なりの音質かもしれませんが、音も決して悪いわけではありませんし、ワイヤレス充電やタッチコントロール、IPX7防水等々を含めると、普段使いから運動時にも幅広く使える完成度の高い、良いイヤホンだと思います。
またバッテリーの駆動時間も長いですし、案外軽いというのもメリットだと思うので、通勤や通学などでポケットに入れやすいものを探している方などにもオススメです。