いい意味でも悪い意味でもChromebookが話題になるのは嬉しい限り。この勢いで興味を持ってくれる方が増えればなお嬉しいですね。
それはさておき、今回は私の愛機「Acer Chromebook R13」とこれから販売がはじまるであろう「Acer Chromebook 514」、「ASUS Chromebook C423」についてスペックの比較をしていこうと思います。
というのも、個人的に「R13」とスペックや価格帯も同程度の2機種なので乗り換え先として検討しているわけですが、自分の中で完結しても面白くないので、もし今後購入を検討している方や乗り換えを考えている方の役に立ればと思い、この記事をまとめておきます。
ということで、「Acer Chromebook R13」、「Acer Chromebook 514」、「ASUS Chromebook C423」のスペックを比較しつつ個人的な結論をまとめていこうと思います。
熱くなりすぎて文章量多くなってしまいました…。
スペックの比較
Acer Chromebook R13 | Acer Chromebook 514 | ASUS Chromebook C423 | |
ディスプレイ | 13.3インチ IPS 1,920 × 1,080 タッチスクリーン | 14インチ IPS 1,920 × 1,080 (タッチオプション) | 14インチ 1,366 × 768 1,920 × 1,080 (タッチオプション) |
CPU | MediaTek M8173C 2.4GHz(4core) | Celeron N3450 Pentium N4200 | Celeron N3350 Pentium N4200 |
RAM | 4GB | 4GB 8GB | 4GB 8GB |
内部ストレージ | 32GB | 32GB 64GB | 32GB 64GB |
外部ストレージ | microSD | microSD | microSD |
ポート | USB-C ×1 USB3.0 ×1 HDMI ×1 イヤホンジャック | USB-C ×2 USB-A ×2 イヤホンジャック | USB-C ×2 USB3.1 ×2 イヤホンジャック |
その他 | ヒンジ回転360度 | バックライト付きキーボード | – |
バッテリー | 最大12時間 | 最大12時間 | |
サイズ | 幅326 × 奥行228 × 厚み15.5 mm | – | 幅322.6 × 奥行228 × 厚み16.1mm |
重さ | 1.45kg | – | 1.2kg〜1.34kg |
価格 | $365 約41,000円 | $349~ 約39,000円 | $299~ 約34,000円 |
3機種のスペックについてはこのようになっています。
未発売の2機種については、現状で明らかになっている範囲で記載していますのでご了承ください。
当然ながらいずれもChromeOSを採用しています。
今回はわかっているスペックの範囲に限らず、いろいろ妄想も含めて比較していこうと思います。
ディスプレイについて
いずれの機種もフルHDのディスプレイとタッチスクリーンに対応するモデルがあることは共通しています。しかし「ASUS C423」のみHD解像度のものが存在し、それが価格にも反映されているようですね。
後ほど書きますが、「R13」は13.3インチでスタンダードな装いですが、新型2機種は13.3インチクラスの筐体に14インチディスプレイを搭載した、いわゆるベゼルレスなデザインになっています。
そのため今回「R13」との比較で採用しているということを前置きついでに書いておきます。
「R13」はヒンジが360度回転するタブレットモード対応のタッチスクリーンですが、新型2機種はクラムシェルモデルのため、テントやタブレットモードの利用はできません。
新型はタッチスクリーンはオプション、おそらくフルHDや上位CPUモデルを選ぶと勝手についてくるパターンだと思いますが、タッチ操作に魅力を感じる方なら悪くないところだと思います。
また液晶は「R13」はグレアですが、「514」は動画を見る限り、「ASUS C423」は公式にノングレア(アンチグレア)となっているようです。
なお、AcerはIPSと明記していますがASUSにはありません。これは公式サイトでも同様です。
個人的に「ASUS C223」を考えると、色味や視野角にやや不安のありそうな「ASUS C423」ですがビジネス用途などであれば目の負担も減るでしょうし、テキストベースならそこまで影響はないと思われます。
CPU周り
ここではARM系とIntelとざっくりわかれていますね。
「R13」がリリースされた当初は、Androidアプリとの互換性の問題もあってARMプロセッサと導入したと考えられますが、現状ではその問題も解決できつつあるようなので、Intel系プロセッサでも問題はないと思います。何より新型2つはタブレットになりませんし。
新型2機種はCeleronとPentiumを採用しており、Pentiumは共通してN4200となっています。
しかしCeleronでは「514」がN3450、「C423」がN3350と違いが出ています。
CPUの性能比較は以前記事としてまとめていますが、ここでは必要な箇所だけ抜いてざっくりと紹介しておきます。
CPU | クロック数 | コア数 | Octane | Geekbench シングル | Geekbench マルチ | |
R13 | MediaTek M8173C | 2.1Ghz | 4 | 10000 | 1700 | 3500 |
C423 | Celeron N3350 | 1.1Ghz | 2 | 11000 | 1400 | 2500 |
514 | Celeron N3450 | 1.1Ghz | 4 | 10000 | 1300 | 4400 |
C423 514 | Pentium N4200 | 1.1Ghz | 4 | 11000 | 1600 | 5200 |
こうしてみると、意外と「R13」が健闘していることに驚きます。
最近低価格ChromebookのスタンダードになりつつあるN3350がひとつの基準かと思いますが、このスコアであってもChromeOSは快適に動くということだけは忘れないでください。
シングルスコアはどれも似たようなところなので、どの機種も単純な作業であれば似たり寄ったりというところでしょう。
しかしマルチタスク、例えば動画を見ながらネットやメール、文章作ったりと何か並行して作業する場合には、微妙な違いが出てきます。
Geekbenchのマルチスコアで単純に比較すると、N3350を採用する「C423」が複数タブを開いて作業すると他に比べて体感的にも違いが出るかと思います。
対してN3450やN4200であれば、いくつかの作業を並行したとしてもそこまで快適性が犠牲にならないというところです。
個人的な感想ではありますが、「R13」で作業中はタブを15個前後までであればカクつきなど気になりませんが、N3350を採用するモデルだとさすがに気になってきます。
もともとChromeOSではできることが限られていますので、写真や動画編集したいとなるとそもそもChromebookは…というお話になります。
といっても、ここまで使う方はそう多くはないと思うので、いずれにしてもネットやメール、動画見るくらいという方ならどれを選んでも問題はないかと思います。
RAMとストレージ
RAM容量に関しても同様で、多くのことを並行してやりたいという方は8GBを選ぶ方が無難ですが、そこまでやらない、そもそも何を言っているかわからないという方は4GBでも何ら問題はないはずです。
またストレージに関しても、eMMCというSSDの一種なのでどれも共通ですし、容量的にもほぼ同じです。
microSDカードも使えますから、ここに関してはドローというところでしょう。
いわゆる性能面で見れば、性能に大きな差があるのはN3350かN3450で並行して作業をする場合くらいなものなので、これだけでは判断が難しいですね。
ポートとオプション
ここについては「R13」が負けているところだと思います。
新型2機種はUSB-CとUSB-Aがそれぞれ2つずつついていますので、ビジネス用途としても学生であっても周辺機器を活用しやすいというのがメリットだと思います。
ただHDMIがないので、プロジェクターなどへの外部出力をするさいには変換コネクタが必要になる点に注意です。
USB-C対応のものなら問題はないですが、それこそほとんどないですし。
また「514」のみバックライト付きキーボードを採用しているのがポイントです。
実は「R13」は個人的に最高と思っている機種ですが、ポートの少なさとバックライトキーボードがないことが残念なポイントでした。ここを改善しているあたり、Acerも攻めてきている感じです。
反対にASUSはキーボード付きバックライトは搭載していないようなので、ここがどう出るかという感じです。
ただ使い方によっては必ずしも必要な部分ではないので、コスト削減を重視するのであればASUSの選択は間違いではないと思います。
ですので、バックライトキーボードが必要だという方はAcer一択ですが、そうでない方はどちらを選んでも問題はなさそうです。
個人的にはここでAcerに傾いてしまいますね。
バッテリー駆動時間
ここについてはASUSが公表していないのでなんとも言えないところですが、これまでの機種の傾向から10時間くらいだと予想されます。
とすると、Acer側は12時間を謳っていますので公称値ではAcer側が優位です。
しかし実働になるとどうなるか…というかここは使い方で大きく変化する部分なのでなんとも言えませんが、いずれにせよ出先でネットやメール、文章作成など軽度な作業であれば6~7時間は持つかと思いますので、引き分けと考えても差し支えなさそうです。
サイズと重さ
当ブログでは重要視しているポイントがここ。
そして「R13」が絶対に勝てない部分もここです。
ディスプレイの項目でも書いていますが、新型2機種は13.3インチのボディに14インチディスプレイを搭載しているので、筐体はコンパクトながら作業領域(FHDの場合)が、物理的にも広がっているところがポイントです。
ただ「514」はサイズの詳細が不明なのでなとも言えませんが、動画などで確認する限り、「R13」と同程度の大きさかと思います。
となると、大きさという面では「C423」が「R13」と奥行はほぼ変わりませんが幅4mmほど小さくなっているので、新型は14インチのわりにとてもコンパクトになっているというのがわかるかと思います。
そしてサイズより何より重さです。
「R13」のネックは約1.5kgという13インチノートPCらしい重さをしていましたが、新型2機種、とくに「C423」は1.3kg前後とスマホ1台分は軽くなっているのがポイントです。
数字上ではわずかな違いなんですが、いざ持ち歩くとなるとこの微妙な違いがあとから効いてくるんですよね…。なにより14インチサイズのディスプレイを搭載しながら1.3kg前後というところが大切だと思います。
「514」は重さについて公表されていないので強くは言えませんが、少なくともより軽量な大画面Chromebookが欲しいという方は「C423」がオススメと言えそうです。
価格について
ということで、価格について比較をしてみましょう。
すでに発売されている「R13」はセールなどで特価になることもあるため、一概に比較対象とするのは難しいところがありますが、ここでは定価で考えてみます。
「R13」は現状1モデルしかないのでわかりやすく、$365(約41,000円)で販売されています。
対する「514」は$349(約39,000円)から、「C423」は$299(約34,000円)からとなっています。
「514」は「R13」同様のFHD解像度のうちN3450を採用したモデルの価格ですが、「C423」はHD解像度のものとなるので、ちょっとここでは引き合いに出すのが難しいところです。
まず「R13」と「514」を比較すれば、まぁどっちもどっちというところですけど、全体的な面を見ると「514」の方が性能面でもやや上回っていますし、コストパフォーマンスでも優位かと思います。
このあたりは新型モデルですし、「R13」の弱点も改善されている点を見ても仕方のないことかと思います。
対して「C423」はFHDモデルの価格がはっきりとわかりませんが、おそらくN3350採用モデルが$350程度になると思うので、スペック面から言うと少々パンチ力不足感があります。
ただ軽さという面もありますし、低価格帯Chromebookとしての価値もあるので、「C423」は選択肢があるということが強みかと思います。
なにより「C423」の上位モデル(N4200)は、「514」と単純なスペックには差がなく負けているわけではないと思うので、ここはユーザー側の好みであったり、法人であれば諸費用との兼ね合いになるかと思います。
価格について言えば、上位モデルを選ぶのであれば性能面で見れば価格的には差はないと思いますが、機能面で違いがあるので、バックライトキーボードが欲しいのか、軽さが欲しいのかなど別のポイントを考えて選ぶべきだと思います。
下位モデルについては、とにかくコストを抑えつつ大画面で軽量なChromebookが必要だと思えば「C423」でしょうし、フルHDでそれなりに動くものが必要なら「514」を選ぶという流れだと思います。
正直、今回の3機種だと価格はそこまで重要じゃない気がします。機能面というか、使い勝手の面を重視するほうが良さそうな印象です。
ちょっと気になる点
この記事を書いていて改めて新型2機種で気になったポイントをいくつか挙げておきます。
ちょっとした愚痴みたいなもんなので、あまり気にせず読んでください。
- タッチオプションの組み合わせ
- バックライトキーボードは前モデル?
- 天板部分の切れ込みの有無
- 販売のタイミング
まあいつもどおり気になるところだったりしますが。
今回の新型はどちらも、タッチスクリーンモデルが存在しています。
しかしCPUとの組み合わせなのか、「C423」で言えばフルHDモデルに勝手についてくるのか…など価格も踏まえてわからない点が多いんですよね。
いくつか予想としては出ていますので、おおまかに想像することはできますが難しいところです。
また「514」でのバックライト付きキーボードは、どちらのCPUを選んでもついてくるんでしょうけど、上位モデルだけとかになったら、ちょっとショックなんですよね。
で、毎回気になるのがこの天板部分の切れ込みのこと。
なんのこっちゃと思うかもしれませんが、よく閉じた状態で天板の手前側にある、開けやすくするためのヘコみ部分のことです。
これがあるとないとだと開けやすさが違うので、毎回これが気になるんですよね。
「R13」もありますし、「514」にも画像から何となくあるように見えます。
ただ「C423」は画像を見てもなさそうなんですよね。段差があって指がかけやすくなっている、とかならいいんですが、「ASUS C101PA」のように指かけづらくて開けにくいってなるとちょっとこのサイズだとしんどそうです。
あとは発売のタイミングがどうなるか。
現状イギリスのAmazonでは「C423」のHDモデルが予約開始になっているようですが、おそらく米国でも出始めるとHDモデルが先行して販売となっていきそうです。
できればFHDなどと一緒に出てくれると嬉しいですけどね。というかAmazonで販売して欲しいかな。
という、ざっくりと気になっているような部分です。
本当になんとなく気になっただけなので、あまり深く受け止めないようにお願いいたします(笑)
ではどれを選べばいい?
正直なところ、「R13」でも十分って気がしていますが新型の方がメリットが大きいです。
性能や機能の向上もありますが、なにより自動更新ポリシーの期限などもありますので新型を選ぶ方がより良いんです。
ちなみに自動更新ポリシーについてわからない方は、下記の記事を御覧ください。
私の「R13」は2021年9月までですが、新型は2024年までサポートされていますので、3年ほど寿命が伸びます。
とにかく安く手に入れたいという方は「R13」でも良いとは思いますが、今後のことを考えると「C423」のHDモデルという選択肢が良いかと思います。
できるだけ安くしたいけど、フルHDとそれなりにスペックがほしいという方には「514」の方がやや優勢ではないでしょうか。
価格はさて置いて、スペックとバックライトキーボードが欲しい方は「514 上位モデル」を選ぶべきでしょうし、スペックと軽さを重視するなら「C423 上位モデル」を選ぶ方がより良いかと思います。
結局、上位モデルに関してはキーボードか軽さかというのが選択のポイントになると思います。
実際に価格がどうなるかは現時点でははっきりとしていないというのが問題の気もしますが。
ただいずれにしても、現時点でエントリ~ミドルクラスの14インチChromebookは、この2機種が中心となっていますので、どちらを選んでも間違いはないと思います。
まとめ
ということで、自分の考えを整理するためにも「R13」と「514」、「C423」のスペックを比較してきましたが、いかがでしょうか。
個人的な意見としては、バックライトキーボードは欲しいけど、それよりも軽さを重視しているので、「514」が1.3kg程度であればこちらを選ぶと思いますが、そうでなければ「C423」を選ぶんだろうなと思っています。
ですので、「R13」から純粋に乗り換える、性能の向上と快適性をさらに改善したいということであれば、筐体の雰囲気も近い「514」を選ぶべきだと思います。
ただ軽さに魅力を感じているなら、「C423」を選ぶ方が幸せかなと感じます。
あとは全体的な仕上がりだと思いますけど、これについては実機を見ないと何も言いようがないですので仕方のないところですかね。
できればAcerもサイズとか重さを明らかにしておいてもらえれば、この辺の判断ももっと簡単にできるんですけど、まあメーカー側の作戦なんでしょうか。
ひとまずこんな感じで。
先程も書きましたが、「C423」のHDモデルがぼちぼち出始めてますので、FHDモデルや「514」の登場もそう遠くはないと思います。
こんな記事がこれからChormebookを購入される方や乗り換えを検討している方の何かお役に立てれば嬉しいなあ。