2025 年の Chromebook 市場は、プロセッサの世代交代と「Chromebook Plus」ブランドの拡充が進んだ 1 年でした。
エントリーモデルでは Intel N150 / N250 といった「Twin Lake」世代への移行が進み、ハイエンドモデルでは Core Ultra や Kompanio Ultra といった強力なチップセットが採用されました。
本記事では、HelenTech で取り上げたニュースを基に、2025 年に発表・発売された主要な Chromebook をメーカー別に整理して紹介していきます。
ASUS
ASUS は今年も教育市場とコンシューマー市場の両方で、多数のモデルを投入しました。今年の特徴は、エントリーモデルのプロセッサを最新世代へ更新した点です。一方で、同名のモデル名で内部スペックが異なるマイナーチェンジが繰り返されており、製品選びには型番の確認が必要です。
主な発表モデル
- Chromebook CR11 / CR12 シリーズ : 教育向けとして発表され、Intel N150 / N250 を採用しました。N150 を搭載する CR11 Flip と CR12 Flip は日本でも投入されています。
- Chromebook CZ11 Flip (CZ1104F) : 筐体が刷新されており、前モデルより約 105g の軽量化が行われました。堅牢性を備えつつ、ASUS の教育向けモデルとしては比較的軽いことが特長です。6 月に日本向けに発表されています。
- Chromebook CX14 / CB14 : 14 インチのエントリーモデルです。Intel N50 や N150 を搭載したモデルが国内でも多数展開されましたが、今年前半に発売されたモデルは Celeron N4500 を搭載している点に注意が必要です。
- Chromebook CX15 : テンキー付き 15.6 インチのエントリーモデルです。こちらは 6 月に Celeron N4500 搭載モデルが国内発表されましたが、その後 Intel N50 モデルの販売も開始しました。
- Chromebook Plus CX34 : 5 月に Intel Core i3-1315U を搭載したモデルがリリースされましたが、12 月には Core 3 100U を搭載するモデルも投入されています。
これらのモデルのなかで選ぶとすれば、エントリークラスでは Intel N50 を搭載する Chromebook CX14 または CX15 ですが、より高い性能を求めるユーザーには Intel N150 / 8GB RAM の CX14 が狙い目です。
もし予算が許すのであれば、Core 3 100U を搭載した Chroembook Plus CX34 も選択肢として申し分ありません。
Acer
Acer は、エントリークラスからハイエンド、 Chromebox まで幅広いラインナップを更新しました。
特に Core Ultra や Kompanio Ultra といった上位チップセットの採用と、法人向け(エンタープライズ)モデルの拡充が特長です。
主な発表モデル
- Chromebook Plus Enterprise 714 (CBE794-1) : ビジネス向けの上位モデルです。120Hz 14 インチ (1,920×1,200)、Core Ultra 5、16GB RAM、豊富なポートに約 1.24kg の軽量かつ MIL スペックなど、性能と機能が詰め込まれたモデルです。
- Chromebook Plus Spin 514 (CP514-5HN) : MediaTek Kompanio Ultra 910 を搭載したコンバーチブルタイプで、ハイパフォーマンスと長時間駆動を実現した 2 つ目のモデルです。
- Chromebook Plus 516 / 514 : Chromebook Plus の新しい選択肢として、Core i3-1315U を搭載した 16 インチモデルと Core 3 N355 を搭載する 14 インチモデルが登場しました。
- Chromebook Spin 512 / Spin 511 / 511、Tab 311 : 教育市場向けとして、Intel N150 または N250 を採用した 11.6 インチおよび 12.2 インチの Chromebook が発表されました。さらに Kompanio 520 と着脱式キーボードとキックスタンド付きカバーを備えたタブレットタイプ Tab 311 も登場しました。
- Chromebox CXI6 / MiniCXM2 : 法人・文教向けとして、ハイスペックな Chromebook CXI6 とデジタルサイネージやキオスク向けの小型モデル Mini CXM2 が発表されました。
- Chromebook 315 (CB315-6H) : 国内では Intel N150 搭載の 15.6 インチモデル CB315-6H が発売されました。8GB RAM モデルが 5 万円を切るときが購入のチャンスです。
日本のユーザーが購入できるモデルは限られていますが、Chromebook 315 (CB315-6H) や Core 3 N355 を搭載する Chromebook Plus 514 (CB514-6HT) は狙い目です。
Lenovo
Lenovo はモデル数を絞っていますが、世界で最初に MediaTek Kompanio Ultra を搭載したモデルを含め、法人や文教でも使える Chromebook Plus を投入しました。
主な発表モデル
- Lenovo Chromebook Plus Gen 10 : MediaTek Kompanio Ultra 910 を最初に搭載した 14 インチモデルです。パフォーマンスと電力効率のバランスを重視した構成となっており、ほぼ間違いなく 2025 年最高の Chromebook です。
- Chromebook Plus 2-in-1 (14″, Gen 10) : Core 5 120U / 7 150U プロセッサを搭載したモデルが発表されていましたが、その後 Core 3 N355 を搭載するモデルも海外で販売を開始しました。
投入されたモデルは限定されていますが、実機レビューでもお伝えしているように、Kompanio Ultra を搭載した Lenovo Chromebook Plus Gen 10 は間違いなくおすすめです。高性能かつ長時間駆動の Chromebook を求めている方はぜひ検討してみてください。
その他のメーカー(国内・海外)
大手以外でも、国内メーカーの参入や特定用途向けのデバイスが登場しました。
- aiwa Chromebook S11 : aiwa ブランド初となる Chromebook です。11.6インチのコンバーチブルタイプで、エントリー市場向けに発表されました。
- 富士通 FMV Chromebook 11K : 2024 年に発表されていましたが、年が明けてから販売を開始しました。教育・一般向けの11.6インチモデルです。
- DELL Chromebook 11 2-in-1 : Dell からは教育市場向けとして、Intel N150 を搭載するコンバーチブルタイプが発表されました。
- Chromebox OPS : Google が各ディスプレイメーカーと協力し、インタラクティブディスプレイ向けモジュール「Chromebox OPS 」を発表しました。
まとめ
2025 年は、エントリークラスにおいて「Twin Lake(Intel N150 / N250)」への移行が本格化した年でした。多くの普及帯モデルで基礎スペックが底上げされ、低価格帯でも実用的な性能を備えるようになっています。
一方、Chromebook Plus などの上位モデルでは、主力として「Intel Core 3」の採用が広がりました。また、ハイエンドの新たな選択肢として「Core Ultra」や「Kompanio Ultra」を搭載するモデルも登場するなど、パフォーマンス重視のユーザーにとっても選択の幅が広がった 1 年と言えます。
2026 年には Intel Panther Lake や Qualcomm Snapdragon X シリーズ、MediaTek Kompanio 540 など、さらに刷新されたチップセットを搭載するモデルの登場が期待されています。


