MENU

HelenTech の最新記事を、検索結果や Google ニュースで見つけやすくなります。


Google 検索 優先ソースに登録

Google ニュース リンクバナー

Google、Chrome 158 の管理者向けリリースノートを公開。XSLT のサポート終了や Android での WebHID 対応など

当サイトは Google Adsense、Amazon アソシエイト等 アフィリエイト広告を利用して収益を得ています.
Google、Chrome 158 の管理者向けリリースノートを公開

Google は 2026 年 11 月 4 日付けで、Chrome 158 に関する企業および教育機関の管理者向けのリリースノートを公開しました。  

今回のアップデートでは、以前より予告されていた XSLT のサポート終了が Stable リリースで適用されるほか、Android 版での WebHID の対応や、生成 AI の使用状況レポートの展開などが行われています。  

目次

Chrome ブラウザの主な変更内容

Chrome 158 ブラウザ向けには、主に以下のアップデートが含まれています。  

XSLT のサポート終了と削除

1999 年に標準化された XSLT v1.0 は、JavaScript フレームワークの普及に伴いブラウザ環境での利用が大幅に減少していました。

また、Chromium で処理を行う C 言語ライブラリ「libxslt」のメンテナンス体制やメモリ安全性に起因する脆弱性リスクが指摘されており、主要ブラウザエンジン間で段階的な廃止が進められています。

Chrome 158 では、オリジントライアルやエンタープライズポリシーを適用している環境を除き、すべてのユーザーを対象に Stable リリースで XSLT が機能しなくなります。なお、Chrome 176 ではすべてのユーザーに対して完全に無効化されます。  

HTML インストール要素

マニフェスト URL や任意の ID を指定することで、ブラウザに対して Web アプリのインストールを要求できる <install> 要素が導入されました。

従来の beforeinstallprompt イベントを JavaScript で処理する方法に比べ、簡潔な記述でクロスオリジンでの Web アプリインストールが可能になります。

管理者は WebAppInstallByUserEnabled ポリシー、または web-app-installation 権限ポリシーを使用して、この機能を制御することができます。

WebHID のサポート (Android)

デスクトップ版では Chrome 89 から提供されていた WebHID API が、Android 版 Chrome 158 (Android 17 / API レベル 37 以降が必要) でもサポートされます。

これにより、ウェブアプリが USB や Bluetooth 経由で特殊な Human Interface Devices (HID) と連携できるようになります。

管理者は、DefaultWebHidGuardSetting や WebHidAllowDevicesForUrls、WebHidBlockedForUrls などのポリシーを用いて接続を許可・制限できます。

Web Install API

HTML インストール要素と並行して、ウェブアプリのインストールを促すことができる navigator.install() メソッドが Windows、macOS、Linux 向けに追加されました。こちらも WebAppInstallByUserEnabled ポリシー等で制御が可能です。  

Chrome Enterprise Core の変更点

Chrome Enterprise Core 向けには、主に以下の機能が展開されています。  

生成 AI と SaaS アプリの使用状況レポート

管理コンソールにおいて、生成 AI ツールや SaaS サイトの利用状況を監視できるレポート機能が、Android、iOS、ChromeOS に段階的に展開されます。

これにより、アクセス数や機密コンテンツの転送イベントなどの指標を確認し、データ損失防止 (DLP) ルールを用いて制限をかけるなどのリスク評価が可能になります。  

Chrome Enterprise Premium の主な変更内容

Chrome Enterprise Premium 向けには、主に以下のアップデートが含まれています。

Chrome プロファイルシグナルの共有 (iOS)

iOS デバイスでも Chrome の組み込みのシグナル共有インフラが拡張され、管理対象プロファイルがデバイスのポスチャと ID シグナルを Google Workspace に安全に報告できるようになります。

サードパーティの MDM 統合を必要とせず、プラットフォーム間で一貫したポリシー適用が可能になります。  

今後の変更点

リリースノートでは、今後の Chrome バージョンで予定されている変更についても言及されています。これらは実験的または計画中のアップデートであり、安定版に導入される前に変更または延期される可能性があります。  

Chrome ブラウザの今後の変更点

  • Chrome リモートデスクトップにおける古い OS のサポート終了: 2027年第1四半期末までに、Windows 8.1 以前および macOS 11 以前への接続が完全にブロックされます。
  • WebRTC ピア接続メソッドのサポート終了と削除: 非標準の RTCPeerConnection.createDTMFSender() メソッドのサポートが Chrome 160 で終了します。
  • 古いバージョンの Windows 10 のサポート終了: バージョン 1809 より前の Windows 10 をサポートする最後のバージョンが Chrome 160 となります。
  • file:// 以外の URL ホストでのスペースの禁止: URL 標準仕様に準拠するため、Chrome 167 より file:// 以外のホスト名からスペース文字が排除されます。
  • iOS 版 Chrome の「Level up」機能: iOS 向けにブラウジング機能の学習を促す新機能が導入され (Chrome 157)、管理者は Chrome 160 よりポリシーでこれらを無効化できるようになります。
  • Digital Credential API におけるより詳細なプロトコル フィルタリング: 指定された交換プロトコルに準拠しない不透明なパイプラインのサポートが Chrome 161 で完全に削除されます。
  • WebRTC の DTLS 向けポスト量子暗号: WebRTC 接続でのポスト量子暗号を制御する一時的なポリシー (WebRtcPostQuantumKeyAgreement) が Chrome 168 で削除されます。
  • プロファイル作成フローのデザイン変更: デスクトップ版の初回起動時やセカンダリプロファイル作成時のデザインが更新され、メディアエフェクトや新機能の紹介、ウェルカムステップが追加されます。

Chrome Enterprise Core の今後の変更点

  • ローミングプロファイルポリシーのサポート終了: 2027年1月にポリシーが完全に削除され、Chrome でローミングプロファイルのデータが使用されなくなります。
  • HTTP 認証スキームでのプロキシサポートの個別制御: プロキシ専用の新しいポリシーが導入され、既存のポリシーからプロキシサポートが Chrome 161 で削除されます。
  • Chrome Management API を使用したブラウザ管理: 古い Takeout API および Enrollment Token API が Chrome 167 以降に非推奨となり削除されます。

Chrome Enterprise Premium の今後の変更点

  • カスタム HTTP ヘッダー: Android 版でも、指定された URL パターンに一致するネットワークリクエストへのカスタムヘッダー挿入機能が Chrome 160 より追加されます。
  • DLP コピー防止トリガー: ローカルクリップボードにコピーされる前に、対象のコンテンツをブロックまたは警告するトリガーが Chrome 160 よりデスクトップ版に追加されます。
  • モバイルでの DLP 貼り付け保護: Android 版でも Chrome 160 より貼り付けアクションに対する DLP ルールが適用されるようになります。
  • セキュリティ ガイドと設定チェックリスト: DLP ポリシーなどを簡単に構成できるガイド付きのチェックリストとテンプレートが Chrome 159 より管理コンソールに追加されます。
  • CAA シグナルレポートの証明書: エンタープライズが発行するクライアント証明書の詳細を収集して報告する機能が Chrome 159 よりデスクトップ版に追加されます。
  • EV 拡張機能なしでの CAA 向け Chrome シグナル共有: Endpoint Verification 拡張機能なしで、デバイスのセキュリティシグナルを直接報告する機能が Chrome 160 よりデスクトップ版に追加されます。
  • モバイルの Device Trust Connector: iOS および Android 版 Chrome でも、Chrome 160 よりデバイスとブラウザのポスチャシグナルを ID プロバイダと共有できるようになります。
  • ローカルポリシーの改ざんに対する CAA の強化: ローカル設定による企業ポリシーの上書きを検出し、CAA ルールを通じてアクセスを制限する機能が Chrome 160 よりデスクトップ版に追加されます。

今回の Chrome 158 では XSLT の機能停止が Stable で適用されるほか、今後は古い OS における Chrome リモート デスクトップの接続遮断や、ローミングプロファイル ポリシーの完全削除などが予定されています。

社内 Web アプリへの影響確認や、レガシー環境の移行計画を早めに見直しておくことをお勧めします。 

「優先するソース」に追加すると、HelenTech の最新記事を検索結果で見つけやすくなります。

著者情報

尾村 真英
Technical Writer
HelenTech を運営している 尾村 真英 です。これまでに 50 台以上の Chromebook をレビュー しており、主に小規模事業者を対象に Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行っています。
現在は、Chrome Enterprise 公式ユーザーコミュニティのモデレーターとしても活動し、Professional ChromeOS Administrator 資格を保有しています。
目次