Qualcomm は 2026 年 5 月 28 日(現地時間)、エントリー向け Windows ノート PC を対象とした新チップ「Snapdragon C」を発表しました。
このチップは 300 ドル(約 4.8 万円)以上の価格帯を想定しており、これまで 500 ~ 600 ドル前後の製品に搭載されてきた Snapdragon X シリーズと比べ、より手頃な価格帯の PC にも採用できるようになります。
Snapdragon C の概要
Snapdragon C は、学生や家庭、店頭業務を担う中小企業向けを主な対象として設計されたチップで、Web ブラウジング、動画再生、ビデオ通話といった日常的な用途を想定しています。
CPU には、Snapdragon X シリーズで採用されているカスタム設計の Oryon コアではなく、Arm の IP をベースとした Kryo コアが採用されています。
GPU の詳細仕様や最大メモリ容量、製造プロセスについては現時点では明らかになっておらず、Computex 2026 基調講演(6 月 1 日)で追加情報が公開される予定です。
NPU 統合と AI 機能
Snapdragon C には NPU が統合されており、エントリー価格帯でも AI 機能を利用できます。ただし、Windows の Copilot+ PC 認定に必要な 40 TOPS の処理性能は満たしておらず、Microsoft の Copilot+ 機能には非対応です。
Qualcomm SVP 兼 GM(コンピュート・ゲーミング担当)の Kedar Kondap 氏は、「コストが上昇しユーザーの期待が変化するなかで、Snapdragon C はコストパフォーマンスに優れたコンピューティング、終日持続するバッテリー、AI 機能、静音設計を一台に集約します」と述べています。
初採用は Acer から、今年後半に投入
Snapdragon C を搭載する最初のデバイスとして、Acer から新しい Aspire Go 15 が発表されました。
また、Snapdragon C を採用する OEM パートナーとして HP と Lenovo も紹介されていますが、具体的なモデルや発売時期はまだ発表されていません。Snapdragon C 搭載デバイスは今年後半に市場投入される予定です。
Googlebook との関係
Qualcomm は発表に際し、Googlebook との関係について記者団から質問を受け、「Google との Googlebook パートナーシップについては、近いうちに詳細をお伝えします」と回答するにとどめています。
現時点では、Googlebook のチップパートナーとして Qualcomm、Intel、MediaTek の 3 社が公式に確認されており、今秋のリリースに向けて複数の OEM が開発を進めています。
Snapdragon X シリーズが上位モデルに搭載される一方で、Snapdragon C のようなエントリー向けチップが価格を抑えた Googlebook (Chromebook) に採用されることも考えられます。
開発中の Chromebook に採用される「Calypso」は?
一方で、Chromium Gerrit では Qualcomm の未発表 SoC「Calypso (Mensa)」の開発も進んでいることが確認されており、これは Snapdragon X Plus X1P-42-100 をベースとした SoC であることをお伝えしています。
X1P-42-100 は Oryon コアを採用し、45 TOPS の NPU を搭載する Copilot+ 相当の性能を持つチップであり、今回の Snapdragon C(Kryo コア、Copilot+ 非対応)とはコアアーキテクチャが異なります。
分かっている範囲で仕様が異なることを踏まえると、Snapdragon C とは別に、Calypso が上位クラスの Googlebook 向けチップとして独立して開発されている可能性があります。
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