MediaTek Kompanio Ultra は、Lenovo や Acer の最新 Chromebook Plus モデルに搭載され、その性能と電力効率で高い評価を得ています。
今回、この高性能プロセッサ搭載するタブレットタイプの Chromebook 「Tanjiro」が開発中であることが報告されました。また、現状ではどのメーカーからリリースされるかは分かりませんが、開発中の状況から Acer である可能性が高いと予想されます。
新しい Chromebook タブレット「Tanjiro」
ChromeOS のコードリポジトリ内で、「Tanjiro」というコードネームの新しい開発ボードが発見されました。

この「Tanjiro」に関するファイルから、デバイスのタイプを示す 2 つの情報が確認されています。
1 つは、着脱式キーボードベースとの接続を示す I2C_DETACHABLE_BASE
という記述です。これは「Tanjiro」がタブレットデバイスであることを示す明確な証拠となります。

2 つ目は、別の構成ファイルに含まれる CONFIG_AP_ARM_MTK_MT8196=y
という記述です。MT8196 は MediaTek Kompanio Ultra の型番であり、これにより搭載プロセッサが確定しました。

メーカーは Acer の可能性が高い
コードを少し掘り下げたところ、「Tanjiro」のバッテリーに関する情報として cosmx,ap20cbl-3
という記述を見つけました。

「ap20cbl」はバッテリーの型番を示すもので、以前 MT8189 に関するコードでも発見したように、このバッテリーは Acer の Aspire シリーズに搭載されているものと同一です。過去に Karis (Acer Chromebook Plus Spin 714 CP714-1H) や Dochi (Acer Chromebook Plus Spin 514 CP514-4H) など Acer の Chromebook Plus にも採用されています。
ちなみにこのバッテリーは、最近発表された Kompanio Ultra を搭載する「Acer Chromebook Plus Spin 514 (CP514-5HN)」を示すコードネーム「Hylia」で、開発中に採用されていたものです(最終的に「AP23CBP」に変更)。

これらの情報から、最終的に変更される可能性はあるものの、現在開発中の「Tanjiro」は Acer 製の Chromebook Plus になる可能性が高いと考えられます。
タブレットに最適なプロセッサ
Kompanio Ultra は、高い処理能力により高解像度ディスプレイでのマルチタスクを快適にこなせ、優れた電力効率も相まってハイエンドな Chromebook タブレットに最適なプロセッサと言えます。
特に Android アプリとの互換性や安定性も期待でき、タブレットは Google Play ストアのアプリ利用が中心となるため、この性能は大きな利点となります。また、ファンレス設計が可能なため、搭載するデバイスを非常に薄く、軽く、静かに作ることができます。
まとめ
現時点で「Tanjiro」に関する情報は限られていますが、いくつかのヒントから、高性能な ARM ベースの Chromebook タブレットが公式に開発中であることが確認でき、Acer からリリースされる可能性が高まりました。
このデバイスがいつリリースされるかもまだ分かりませんが、ユニークな Chromebook Plus デバイスになることが期待されます。
出典: Chrome Unboxed