Google が以前から進めてきた Chrome アプリのサポート終了が、ついに ChromeOS でも最終段階に入ります。
Windows、macOS、Linux といった主要 OS ではすでにサポートが終了していましたが、2025 年 8 月 19 日に安定版 (Stable) がリリースされる予定の ChromeOS 139 以降、ユーザーが Chromebook にインストールした Chrome アプリは動作しなくなります。
一般ユーザーへの影響
今回の変更により、ChromeOS 139 にアップデートすると、Chrome ウェブストアからユーザー自身がインストールした Chrome アプリは起動しなくなります。
すでに ChromeOS 139 が適用されているベータ版チャンネルなどでは、Chrome アプリを起動すると以下のような通知が表示されます。

現在 Chrome アプリを利用している場合は、PWA (プログレッシブ ウェブアプリ) や Android アプリといった代替手段への移行をご検討ください。
一方で、Google がプリインストールしている「Text」アプリは影響を受けないため、そのまま使い続けることが可能です。

管理対象デバイス・キオスク端末への影響
組織や学校などで管理されている ChromeOS デバイスについては、管理者による設定によって当面の間、Chrome アプリを引き続き利用できる場合があります。
- ユーザーセッションとマネージドゲストセッション (MGS)
- 管理者が Google 管理コンソールを通じて強制インストールしたアプリは、ChromeOS 139 以降も引き続きサポートされます
- キオスクセッション
- キオスクセッションでは Chrome アプリがデフォルトで無効になりますが、管理者が新しいポリシー
KioskChromeAppsForceAllowed
を有効にすることで、ChromeOS 150 まではサポートが延長されます
- キオスクセッションでは Chrome アプリがデフォルトで無効になりますが、管理者が新しいポリシー
Chrome アプリの段階的なサポート終了スケジュール
Google は、管理対象デバイスを含めた Chrome アプリの完全なサポート終了スケジュールを提示しています。LTS (長期サポート) チャンネルを利用しているデバイスには、一部猶予期間が設けられています。
- 2025 年 7 月 (ChromeOS 138 予定)
- ユーザーがインストールした Chrome アプリをサポートする最後のバージョンとなります
- ChromeOS 139 以降、Chrome アプリが利用できなくなります
- 2026 年 7 月 (ChromeOS 150 予定)
- キオスクモードの Chrome アプリをサポートする最後のバージョンとなります (LTS では2027 年 4 月までサポート)
- 2027 年 2 月 (ChromeOS 156 予定)
- 管理者によってユーザーセッションにインストールされた Chrome アプリがデフォルトで無効になります 。再有効化にはポリシー設定が必要です
- 2028 年 2 月 (ChromeOS 168 予定)
- すべての Chrome アプリのサポートが完全に終了します (LTS では 2028 年 10 月までサポート)
管理者が行うべき対応
組織内で Chrome アプリを利用している場合、管理者は Google 管理コンソールから該当のアプリを削除し、代替手段への移行を進める必要があります 。
管理コンソールの [アプリと拡張機能] ページには、Chrome アプリのサポート終了を知らせる通知バナーが表示されているはずです。ここから組織内で利用されている Chrome アプリを確認し、以下の手順で削除を進めることができます 。
- Google 管理コンソールにログインします
- [デバイス] > [Chrome] > [アプリと拡張機能] へ移動します
- 通知バナーの [Chrome アプリを表示] をクリックするか、アプリ一覧から削除したい Chrome アプリを検索します
- 対象のアプリを選択し、右側のパネルで削除したい組織部門またはグループを指定します
- アプリの行をクリックし、表示されたパネルで削除アイコンをクリックして操作を完了します
まとめ
Chrome アプリのサポート終了は、ウェブ技術の進化に伴う自然な流れであり、今後は PWA (プログレッシブ ウェブアプリ) などのモダンな技術への移行が推奨されています。
一般ユーザーの方は、現在利用しているアプリが Chrome アプリに該当しないか確認し、必要であれば代替アプリを探す準備を始めることをお勧めします。
組織の管理者は、計画的に Chrome アプリからの移行を進め、ユーザーへの影響を最小限に抑えるための対応が求められます。
今回の ChromeOS 139 における Chrome アプリのサポート終了についての詳細は、ヘルプページをご確認ください。