Google は 2025 年 6 月 24 日 (米国時間)、デスクトップ向け Chrome ブラウザの最新安定版となる Chrome 138 を Windows、Mac、Linux 向けにリリースしました。
今回のアップデートも、複数のセキュリティ脆弱性への対応が主な内容となっており、すべてのユーザーに早めの適用が推奨されます。アップデートは今後数日から数週間かけて順次展開される予定です。また、同日に iOS 版、Android 版の Chrome もアップデートされています。
なお、6 月 18 日時点で企業および教育機関の管理者向けに Chrome 138 のリリースノートが公開されています。変更内容については こちらの記事 で紹介しています。
デスクトップ版 Chrome 138 のアップデート詳細
今回のアップデートにおける、デスクトップ版 Chrome のバージョンは以下の通りです。
- Windows および Mac: 138.0.7204.49/50
- Linux: 138.0.7204.49
- Extended stable channel / 延長安定版 (Windows および Mac): 138.0.7204.50
11 件のセキュリティ修正
Chrome 138 には、合計 11 件のセキュリティ修正が含まれています。外部の研究者によって報告された脆弱性として、以下のような深刻度が「中 (Medium)」および「低 (Low)」のものが修正されています。
- CVE-2025-6555 (中): Animation における解放済みメモリ使用 (Use after free)
- CVE-2025-6556 (低): Loader における不十分なポリシー適用の脆弱性
- CVE-2025-6557 (低): DevTools における不十分なデータ検証の脆弱性
これらの脆弱性情報の詳細は、ほとんどのユーザーがアップデートを適用するまで、アクセスが制限される場合があります。Google は、内部監査やファジング (自動的なバグ検出テスト)、その他のイニシアチブによって発見された多数のバグ修正も行っています。
セキュリティの詳細については、Chrome Security をご覧ください。
その他の改善と新機能について
セキュリティ修正に加えて、Chrome 138 デスクトップ版にはいくつかの修正と改善が含まれています。変更点の一覧と詳細は、公式の変更ログで確認できます。
Chrome 138 で提供される新機能や大規模な取り組みについては、今後数日または数週間以内に Chrome および Chromium の公式ブログで詳細が公開される予定です。
モバイル版 Chrome 138 のアップデート
iOS 版 Chrome 138 もリリース
Google は同日、iOS 版 Chrome の安定版もバージョン 138.0.7204.53 へとアップデートしたことを発表しました。このアップデートは App Store を通じて今後数時間以内に利用可能になります。
今回の iOS 版のリリースには、安定性とパフォーマンスの改善が含まれています。
Android 版 Chrome 138 もリリース
デスクトップ版および iOS 版と同日、Google は Android 版 Chrome 138 (138.0.7204.45) のリリースも発表しました。この Android 版のリリースにも、安定性とパフォーマンスの改善が含まれています。
なお、Chrome 138 のリリースに関連して、Android 版は Chrome のアドレスバーの位置を変更(画面下に)する機能が導入されたことも発表されました。この機能は iOS 版ではすでに導入されているものです。
まとめ
今回の Chrome のアップデートは、デスクトップ版で 11 件のセキュリティ修正が含まれているほか、iOS 版および Android 版でも安定性とパフォーマンスの向上が図られています。
特に「解放済みメモリ使用 (Use after free)」のような脆弱性は、悪用されるとシステムの制御に影響を及ぼす可能性があるため注意が必要です。
常に最新バージョンの Chrome を利用することは、セキュリティリスクを低減し、Web サイトの互換性を維持するための基本的な対策となります。デスクトップ版、iOS 版、Android 版ともに、特別な理由がない限り、速やかにアップデートしましょう。
なお、ChromeOS のバージョン 138 安定版は、2025 年 7 月 22 日のリリースが予定されています。
出典: Chrome Releases