Google は、Android 版 Chrome ブラウザにおいて、古い OS バージョンである Android 8.0 Oreo および Android 9.0 Pie のサポートを終了する計画を明らかにしました。これにより、対象のデバイスでは今後、最新版の Chrome を利用できなくなります。
Chrome 139 からサポート対象外に
Google Chrome のサポートマネージャーである Ellen T 氏が公式ヘルプコミュニティで発表した内容によると、Chrome はバージョン 139 から Android 10 以降を必須要件とします。
Chrome 139 は、現時点のスケジュールでは 2025 年 8 月 5 日にリリースされる予定です。したがって、Android 8.0 (Oreo) と Android 9.0 (Pie) をサポートする最後のバージョンは、その直前に公開される Chrome 138 となります。
サポート終了後、対象の OS を搭載したデバイスでは、Google Play ストアに新しいバージョンの Chrome がアップデートとして表示されなくなります。
サポート終了による影響
現在お使いのデバイスが Android 8.0 または 9.0 であっても、Chrome 138 を引き続き使用することは可能です。しかし、Google からは今後、新しいアップデートが提供されなくなります。
これにより、主に以下の2つの影響が考えられます。
- 新機能が利用できない: Chrome に追加される新しい機能やパフォーマンスの改善を受け取ることができなくなります
- セキュリティリスクが増える: 新たに見つかった脆弱性に対するセキュリティ修正が提供されず、危険性が高まります
長期的に見れば、Web サイトが新しいブラウザ技術に対応していくにつれて、表示の崩れや一部機能が利用できないといった問題も発生し、ユーザーエクスペリエンスにも影響が出るものと考えられます。
対象となるデバイスはまだ多数存在
Android 8.0 Oreo は 2017 年 8 月に、Android 9.0 Pie は 2018 年 8 月にリリースされました。発表から 7 年以上が経過していますが、Android Police によると、現在でも Android 8.0 / 8.1 Oreo は全世界の Android デバイスの 4% 以上で、Android 9.0 Pie は約 5.8% で利用されています。
これに対し、サポートが継続される Android 10 のシェアは 10.2% であり、今後も数年間はサポートが続くと考えられます。
今後の対策
お使いのデバイスがサポート終了の対象となる場合、いくつかの対策が考えられます。
代替ブラウザを利用する
Chrome の利用をやめるのであれば、他のブラウザに乗り換えるという選択肢があります。例えば、Firefox for Android は記事執筆時点で Android 5.0 Lollipop 以降をサポートしているため、有力な候補となります。
ただし、他の主要なブラウザも、同様に古い OS のサポートを終了する可能性がある点には注意が必要です。
デバイスのアップグレードを検討する
最も理想的で安全な対策は、お使いの Android デバイスを、より新しいバージョンの OS を搭載したモデルに買い替えることです。
これにより、Chrome の最新機能やセキュリティアップデートを引き続き受けられるだけでなく、OS 自体のセキュリティも向上し、総合的により安全で快適な利用環境を確保できます。
まとめ
今回、Google から古い OS バージョンである Android 8.0 Oreo および Android 9.0 Pie のサポートが 2025 年 8 月 5 日頃に終了することが発表されました。
定期的にデバイスを買い替えているユーザーであれば影響はさほどないと思われますが、古いデバイスを現在も利用しているユーザーは、Chrome 139 以降のアップデートを受け取ることができなくなるため、注意してください。