2025 年 5 月のアップデート以降、一部の Google Pixel デバイスでバッテリー消費の増加や本体の発熱といった問題が報告されていますが、この問題に対する新たな回避策が Reddit で共有されています。この回避策で問題が解消したユーザーが多数いることから、原因として特定のシステムサービスがバックグラウンドで過剰に動作している可能性が指摘されています。
2025 年 5 月 29 日 : Google がこの問題は 5 月のアップデート以降に発生したバッテリー消費増加の問題について、問題の修正のために Instagram アプリを更新するよう通知しました。詳しくは こちらの記事 をご覧ください。
5月アップデート後のバッテリー問題
先日の記事でもお伝えした通り、Google Pixel 6 シリーズから最新の Pixel 9 シリーズに至るまで、幅広いデバイスで 2025 年 5 月のセキュリティパッチ適用後にバッテリー持続時間が著しく短くなったり、軽度の使用でも本体が発熱したりする現象が報告されています。
新たな回避策
Reddit の Google Pixel コミュニティ (r/GooglePixel) で、このバッテリー問題に対する一つのトラブルシューティングとして、「Android System SafetyCore」および「Private Compute Services」という2つのシステムサービスを無効化、またはアンインストールすることで症状が改善したという報告が多数挙がっています。
これらのサービスは、通常ユーザーが直接操作することの少ないシステム側の機能です。
- Android System SafetyCore: Google Messages 内の画像に含まれるセンシティブな内容をスキャンするためのサービス
- Private Compute Services: 「自動字幕起こし」や「この曲なに?」といったプライバシーに配慮したオンデバイスでの機械学習機能を提供するためのサービス
これらのサービスが、何らかの原因でバックグラウンドで過剰に動作し、バッテリー消費に影響を与えているのではないかと推測されています。ただ、筆者の環境でアプリ情報を見た限りでは、特に問題は起きていないように見えます。


回避策の実行手順
- Pixel スマートフォンの [設定] アプリを開きます。
- [アプリ] をタップします。
- [〇個のアプリをすべて表示] > [ ⋮ ] (画面右上の縦の三点リーダー)> [システムアプリを表示] をタップ
- アプリ一覧から 「Android System SafetyCore」 と 「Private Compute Services」 を探して、タップします。
- アプリ情報画面で [無効にする] または [アンインストール] (バックグラウンドでの使用に関連する項目や、アップデートのアンインストールなどの選択肢が表示される場合があります) をタップします。
- 上記の設定後、デバイスを再起動する
この回避策の注意点
この回避策を実行することでバッテリー消費が改善する可能性がある一方で、いくつかの機能が利用できなくなったり、動作がスムーズでなくなったりする可能性があることに注意が必要です 。
- Google Messages のセンシティブな画像のオンデバイススキャン機能の停止
- スマートリプライや自動字幕起こしなどの機能の動作への影響
これらの機能への影響を許容できるか検討した上で、回避策を試すようにしてください。あくまで Google による正式な修正が行われるまでの一時的な措置となる可能性があります。
また、現時点 (2025 年 5 月 27 日) で、Google はこの問題の根本的な原因や、これらのサービスとの関連性について公式なコメントを発表していません。しかし、多くのユーザーから同様の報告が挙がっていることから、今後のアップデートで何らかの改善が図られることが期待されます。
まとめ
今回のユーザー間で発見された回避策は、Google Pixel のバッテリー消費問題に悩むユーザーにとって、試してみる価値のある情報かもしれません。ただし、一部機能の利用に影響が出る可能性があるため、その点を理解した上で、自己責任において試すようにしてください。
根本的な解決のためには、Google からの正式なソフトウェアアップデートを待つ必要があります。影響を受けているユーザーは、Pixel スマートフォンのフィードバック機能を通じて Google に問題を報告することも、早期解決につながる可能性があります。
なお、筆者もこの回避策を自身の Pixel 9 Pro で試してみましたが、残念ながら現時点ではバッテリー消費に関して特に大きな変化は見られませんでした。環境や使用状況によって効果が異なる可能性も考えられます。
出典: PiunikaWeb