今回の記事では、超軽量かつ超薄型のチタン製スマートリング「RingConn 第2世代 (RingConn Gen 2)」の実機レビューをお届けします。なお、レビューにあたり実機の提供を受けていますが、メーカーの意向とは関係なく、率直な感想をお伝えします。
RingConn 第2世代 (RingConn Gen 2)は、香港の RingConn LCC が、2024年夏に米国クラウドファンディングサイト Kickstarter で、約18,000人の支援者から合計440万ドル(約6.6億円)の支援を獲得して発売したスマートリングの最新モデルです。
日本では2025年2月19日から Makuake で出資を募っていますが、記事執筆時点ではすでに目標金額を達成しており、リターンは確実となっています。
スケジュールでは、2025年4月下旬にプロジェクトが終了し、同時期に支援者に向けてサイズキットの発送を開始する予定です。その後、5月中旬頃を目処に RingConn 第2世代の発送が予定されています。
RingConn 第2世代の特長
RingConn 第2世代の特長をまとめると、次のようなものがあります。
- 超軽量・スリムなデザイン : チタン製で軽くて丈夫。幅は約6.8mm、厚みは約2.0mm
- 高い耐久性・防水性 : 傷がつきにくく、IP68 防塵・防水性能
- 長時間持続するバッテリー : 最長12日間の使用が可能で、頻繁な充電が不要
- 詳細な睡眠モニタリング : 睡眠時間、睡眠段階、心拍変動、酸素飽和度、皮膚温度、呼吸率などを測定
- ストレス&活動量の測定 : 24時間ストレススコアを計測。ウォーキングやランニングも自動検出
- 高精度センサー搭載 : 心拍数、血中酸素レベル、皮膚温度、心拍変動(HRV)などの測定が可能
- 専用充電ケース : モバイルバッテリー機能付きケース
- 月額サブスクリプションなし : 購入後に追加費用なしで全機能を使用可能
- AI機能(ベータ版) : 2025年3月には大規模言語モデルを導入し、対話型AIによる健康アドバイスが可能
主に睡眠モニタリングに重点を置いていること、購入後に追加費用を必要とせずに、すべての機能を利用できて、すべての結果を見ることができる点が強みです。
デザイン
RingConn 第2世代はチタン製で軽量かつ丈夫。スリムなデザインのため装着感も良く、普段使いに適しています。
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なお、私は11号サイズで実用性も考えてマットブラックを選びましたが、ローズゴールド、フューチャーシルバー、ロイヤルゴールドの合計4色のカラーバリエーションも用意されているため、好みに合わせて選べるのも嬉しいポイントです。
1週間近く、ほぼ毎日装着していましたが傷付いておらず、耐久性に優れている点は安心です。さらに IP68 防塵・防水性能で 100m までの防水を備えます。手を洗ったり、シャワーや浴槽に浸かっても問題はありませんでした。
また、サイズ展開も豊富で、6号から14号の9サイズが用意されており、購入前にサイジングキットを使用して、自分にぴったりのサイズを選びやすいのも良いポイントです。
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サイジングキットには、色のサンプルも付いているため、実際にどんな色合いかを事前に確認することもできます。
一方、ケースについてですが、想像していたよりも大きめで、サイズは約65×65×25mm、重さは約80g(リング含まず)となっています。
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しかし、ケースにはバッテリーを内蔵しているため、常にケーブルに挿しっぱなしにする必要がなく、持ち運んでそのまま充電できることはメリットです。蓋も付いているため、この中に収納/充電しておけば、スマートリングを無くさないというメリットもあります。
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とは言え、別にケースやバッテリーの必要がない、かさばるのが嫌だという人もいると思います。その場合、オプションでチャージドックが別売りされており、こちらはモバイルバッテリー機能はないものの、よりコンパクトなサイズとなっています。
実際の使用感
RingConn 第2世代のセットアップは「RingConn」アプリを使うことになりますが、アプリは Android と iOS の両方に用意されています。セットアップは比較的簡単で、特に迷うことなく進められました。ただし、使用するにはアプリへのログインが必須となります。
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アプリ自体のインターフェースは分かりやすいものの、日本語の翻訳がやや不自然な部分も残されています。例えば、「バイタルサイン」のような表現が「生命体徴」と中国語っぽくなっていたり、一部のメニューで敬語が不自然になっている、語尾が統一されていないなどがあります。
とはいえ、重要な機能については意味がわかる程度には翻訳されているので、大きな問題にはならないと思います。
健康データの測定と精度
RingConn 第2世代は睡眠測定に重点を置いたデバイスですが、活動量やストレスレベルなど、幅広いデータを測定できます。
実際に他のウェアラブルデバイスと比較したところ、測定精度に若干の甘さがあるようにも思いましたが、基本的なデータに関しては問題なく取得できています。日常生活での健康管理を目的とするならば、十分に活用できるレベルです。
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これらの測定結果も RingConn アプリを利用して確認することができますが、やはり日本語の翻訳がイマイチなところが多々残されているため、これは今後のアップデートで修正されることに期待ですね。
また、プレスリリースでも触れられていたように、睡眠関連の機能は充実しています。一般的な睡眠時間や睡眠段階(覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠、深い睡眠)、睡眠時心拍と心拍変動、酸素飽和度、皮膚温度、呼吸率をモニタリングすることができます。手動もしくは自動で仮眠の時間も記録することができます。
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一方、睡眠時無呼吸モニタリングの機能も備えていますが、その正確性については検証が難しい部分です。私自身、他のウェアラブルデバイスでも測定していますが、特にリスク警告が出たことはなく、RingConnのデータがどの程度信頼できるのかは現状では判断が難しいですね。
ただ、他のデバイスよりも精度が高いことがウリなので、今回 RingConn 第2世代だから検出された可能性もあり得えます。いずれの場合にしても、「これから気をつけたほうがよさそう」という意識付けにはなるため、決して悪いことではないですね。
ちなみに、数日間付けていたら検出されなくなったので、たまたまその日がそうであったかもしれません。
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この他にもストレスレベルをモニタリングでき、毎時・毎日のストレススコアを追うことができます。
運動(アクティビティ)の測定
RingConn 第2世代は、ウォーキングとランニングを自動的に識別することができますが、アプリから手動で運動(屋外ランニング、室内ランニング、屋外サイクリング、屋外ウォーキング)の測定をすることもできます。
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ウォーキングの場合は、運動時間、距離、消費カロリー、平均心拍数/最大心拍数とその変動を、ルート(屋外の場合)を確認することができます。ただし、ルートについては RingConn 第2世代に衛星測位システムが内蔵されているわけではないため、ペアリングされているスマートフォンが必要になります。この測定精度は、スマートフォンの精度に影響されます。
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正直、運動の測定はそれほど詳細にできるわけではありません。日常生活のなかで、例えば通勤・通学などで歩く時間が長いときについでに測定するといった場合には十分です。もしくは、運動時にはスマートウォッチを使うほうが良いですね。
バッテリー性能
バッテリー持ちは非常に優秀で、頻繁な充電を気にせず使えます。私の使い方の場合、1日あたり8〜10%のバッテリー消費でした。そのため、10日はほぼ確実に使うことができます。
数日間の旅行や出張の際にも、充電を気にせずに済む点が大きなメリットです。平日ずっと装着し、土日などに1回充電するだけで十分なので、充電が面倒に感じるユーザーにも便利です。なお、充電ケースを併用することで、最大150日間の利用が可能になるため、充電に関してはほぼ困ることはないと思います。
ちなみに RingConn 第2世代のバッテリーがある程度まで減ると、アプリを経由して通知が届きます。
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気になった点
RingConn 第2世代を使用してみて、概ね満足で不満はありませんが、いくつか気になったところやアップデートに期待したいところをまとめておきます。
なお、ここまでにすでにお伝えしたところで言えば、日本語の翻訳と充電ケースの大きさ、運動測定は比較的軽度な内容のみの測定という3つが気になるくらいです。運動測定がメインの場合は、素直にスマートウォッチを使うか、RingConn は睡眠時や非運動時の日常使いとするほうがおすすめです。
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あと、RingConn 第2世代は Google Fitとの同期が可能ですが、ヘルスコネクトには対応していません。そのため、Fitbit アプリや Withings アプリなどとは直接の同期ができないため、これらのエコシステムに統合して使いたい場合は注意が必要です。
なお、アプリには「AI」機能がベータ版で搭載されていますが、現状では決められたプロンプトを送信すると、ちょっとした概要を教えてくれる程度です。これについては2025年3月に大規模言語モデルが導入され、対話型 AI にアップグレードされる予定となっており、より自然な質問で健康データの解釈やアドバイスが受けられると思いますが、どの程度使えるかが気になるところです。
まとめ
RingConn 第2世代は、睡眠や健康状態を手軽にモニタリングしたい方や、バッテリー持ちを重視する人には非常におすすめできるスマートリングです。
特に、長時間装着しても気にならない快適さと、シンプルなデザイン、追加費用がかからない、スマートリング単独で利用することができる(ブランドに縛られない)といった点はメリットですね。
価格については、RingConn 第2世代の通常販売価格は52,800円ですが、Makuake では早割価格により37,285円から購入することができます。
他のスマートリングと価格だけで比較すれば、例えば Oura Ring は4万円台後半から(さらに月額課金が必要)、Amazfit Helio Ring は35,800円で追加費用はかかりませんが、Amazfit スマートウォッチと連携することで真価を発揮します。Samsungの Galaxy Ring も高額&エコシステム縛りがあります。
そのため、特定のエコシステムに依存せず、単独でスマートリングを活用したいユーザーにとっては、RingConn 第2世代はとくにおすすめです。また、スマートウォッチを既に使用している方のサポートデバイスとしても適しており、初めてのスマートリングとしても導入しやすい価格帯ですので、ぜひ検討してみてください。