CES 2022では昨年と同様にChromebookは数は少ないものの、インパクトのある機種が複数発表されています。
発表されたChromebookにはインテルの第12世代Alder Lakeを採用したもの、MediaTekの新しいKompanio 1380を採用したもの、新機能が搭載されたものなど期待できる機種がAcer、ASUS、HPから計5機種登場しました。
すでに個別記事でスペックなどまとめていますので、この記事ではCES 2022で発表されたChromebookについて振り返ってざっくりとまとめていきます。
Acer
まずはCES 2022直前にAcerが発表したのは、「Acer Chromebook Spin 513(CP513-2H)」と「Acer Chromebook 314(CB314-3J)」、「Acer Chromebook 315(CB315-4H)」の3機種になります。
このうち「314」と「315」は、日本でも発売されている同名の機種からのアップデート版と言えるもので、CPUがどちらもCeleron N4500/N5100、Pentium N6000を選択できるようになってWi-Fi 6などをサポートしています。それ以外の面では、ポートやデザインを含めて大きな変更はありません。
それに対して「Acer Chromebook Spin 513(CP513-2H)」は、前モデル(CP513-1H)から大幅な変更がされており、3:2のアスペクト比の13.5インチディスプレイ(2256×1504)を搭載し、MediaTekの新しいチップセット Kompanio 1380を採用しました。
なお前モデルは、Snapdragon 7cを採用した13.3インチでフルHDディスプレイ、4G-LTEサポートモデルが存在したという点で違いがあります。
今回の新しいモデルでは4Gサポートはありませんが、それ以外の面で大きく改善していると思います。
ただ、Kompanio 1380を搭載するChromebookはこれが初めてとなるので、実際の性能面は未知数というところです。
なお、「315」は1月中に北米でリリース、「314」と「Spin 513」は6月に北米でリリース予定となっているため、もし日本で登場するとしてもそれ以降になるはずです。
ASUS
続いてASUSから1機種だけですが、16インチの「ASUS Chromebook Flip CX5(CX5601)」が発表されました。
このモデルは現行「CX5(CX5500)」からのアップデートと言えますが、インテル第12世代CPUを採用しただけでなく16インチにサイズアップし、16:10のアスペクト比(1920×1200)に変更されています。
最大16GBRAM、最大512GB PCIe SSDを搭載することができるハイスペックモデルですが、指紋センサなどには対応していないため、機能面ではやや物足りない点はあります。
しかし15.6インチの現行モデルと同じくテンキーが搭載されているため、ハイスペックでテンキー付きChromebookが必要であれば期待したいモデルだと思います。
なお、現時点では海外でも発売時期と価格が明らかにされていません。
HP
CES 2022の最後を締めるのは、早くも2022年の最高峰Chromebookと言ってしまえるハイエンドモデル「HP Elite Dragonfly Chromebook」です。
日本でも発売されている「HP Chromebook x360 13c」こと「HP Elite c1030 Chromebook」の後継機種であり、もともと完成度の高いモデルをさらに改善した、ChromebookだけどChromebookらしくない仕上がりのモデルとなっています。
まず、ディスプレイがアスペクト比3:2を採用した13.5インチである点は現行と変わりませんが、解像度が現行同様1920×1280だけでなく、待望の2256×1504が追加されました。
これだけでも喜ぶべきなんですが、今回もHP SureView(プライバシースクリーン機能)搭載モデルがあり、磁気的ワイヤレス充電対応のUSIペンをサポートし、さらにChromebook初となる触覚タッチパッド(MacBookなどに搭載されている)が搭載されている点もポイントです。
CPUはIntel Evo準拠の次世代インテルプロセッサと書かれているのみで詳細は不明ですが、過去のリークなどからインテル第12世代Alder Lakeを採用している可能性が高いです。
最大32GBRAM、最大512GBストレージ、ポート類も充実してUSB-C Thunderbolt 4だけでなくHDMIを搭載、そして何よりWi-Fi 6Eとオプションで5G+LTE(もしくはLTEのみ)のセルラーモデルもあります。
現時点でChromebookの盛れるものは全部盛ったと言えるべきモデルで、4月に発売予定とされているものの選択できる構成や肝心な価格については不明です。
最上位モデルは間違いなく、日本で言えば20万以上になる高価格帯になると予想できますが…このあたりは発表を待たないと何とも言えないところですね。
まとめ
ということで、CES 2022で発表された合計5つのChromebookについてざっくりと振り返ってきました。
機種数は少なかったですが、新世代CPUや新機能搭載など期待できるChromebookが発表されたので、今後が楽しみです。
あとは昨年のインテル第11世代のように、CPUなどの供給が間に合わず発売がズルズル延期になってしまって結局手に入らないといったことがなければ良いのですが。
またどのChromebookも日本でのリリースが期待できるモデルと言えますが、もし日本発売されるのであればとくに「HP Elite Dragonfly Chromebook」は英語配列も購入できるようしてもらえると嬉しいかなと思うところです。
ちなみにCESとは直接関係ありませんが、国内ではインテル第11世代を搭載した「HP Chromebook x360 14c」がリリースされました。