先日、国内アナウンスを待てずにebayを通じて購入したGoogleの完全ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds (2020)」。
ちなみにこれを購入する直前には、Appleの新型「iPhone SE」とともに「AirPods Pro」も購入してしまうという暴走行為をしてします。
折角なので、今回は「Google Pixel Buds」のレビューをところどころ「AirPods Pro」と比較しつつまとめていきたいと思います。
Google Pixel Buds のスペック
開封の前に基本仕様をおさらい。
ケースサイズ | 63×47×25mm |
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ケースの重さ | ケースのみ : 56.1g イヤホン込み : 66.7g |
イヤホンサイズ | 20.5×19.5×18.2mm |
イヤホンの重さ | 5.3g(片耳) |
接続 | Bluetooth 5.0 |
バッテリー | イヤホン: 連続再生5時間 (通話2.5時間) ケース: 連続再生24時間 (通話12時間) |
その他 | IPX4 Qiワイヤレス充電 10分間充電で最大2時間 |
同梱品 | イヤホン本体 ケース イヤーチップ(小・中・大) USB-C to Aケーブル クイックスタートガイド |
この他のデバイス詳細は、Googleの公式サイトをご覧頂く方が良いと思いますが、基本仕様としてはこんな感じです。
前モデルとは違い、今回の「Google Pixel Buds」は完全ワイヤレスイヤホンとなっているだけでなく、ケースがワイヤレス充電可能というのが良さだと思います。
有線充電の場合でも、USB-Cポートを採用しているので、手持ちのPixelスマートフォンはじめ比較的最新のAndroidスマホであれば別のケーブルを持つ必要がないのも良いポイントですね。
また、ノイズキャンセリング機能は搭載していませんが、カナル型で密閉されることやアダプティブサウンドと呼ばれる外部音に合わせて音量を調整する機能などが搭載されています。
ということで、ざっと本体をチェックしていきます。
Pixel Buds の外観チェック
では外観チェックの前に化粧箱等々から。
相変わらず、かなりシンプルな感じで入っています。
付属品はこちら。
USB-AtoC充電ケーブルと小・大のイヤーチップ、スタートガイド、そしてケースとイヤホン(イヤーチップ・中サイズがすでにセットされて収納されています)があります。
本体の外観
本体は、卵のような丸みというより少し楕円形になっていて、後ほど比較した写真を載せますが、「AirPods Pro」とほぼ同じサイズ感と思っていただければよいと思います。
縦のタイプですし、どちらかと言うと「AirPods」に近いかも。
なお表面(何もないツルッとしている方)には充電時に点灯するLEDがあります。
裏面はペアリング設定ボタンが付いているのでわかりやすいと思います。
こちらはフタがある側と反対(下側)のUSB-Cポート部分です。
この点は「AirPods Pro」と異なり、より汎用的なUSB-Cポートなのが嬉しいですね。
中身をチェック
ではケースの中身です。
イヤホンはこのように収納され、軸がない分「AirPods Pro」よりもケースが大きく感じますが、サイズ感は変わっていません。
またケース側の下側だけでなくケースの黒い部分にも通知LEDがあります。
イヤホンをチェックする前に、重さの実測値を紹介。
小数点以下が表示されないタイプなので四捨五入されていますが、公称値どおりと考えて問題ないですね。
イヤホンの外観チェック
ということでイヤホンの外観ですが、とてもシンプルなデザインで、ボタン等はありません。
その代わりに、左右の白い(メントスみたいな)部分がタッチコントロールセンサになっているので、タップや上下前後のスワイプ操作を使うことで音楽アプリの操作や通話、アシスタントなどを操作できます。
ケースと比べてもかなりコンパクトなイヤホンだと思います。
「AirPods」シリーズと比べて軸がないので、デザインで言えば良くも悪くもスタンダードなワイヤレスイヤホンという感じですね。
設定に関して
実際に「Pixel 3」と「Pixelbook」などを使ってペアリングなどを試してみました。
Pixel 3 とペアリング
おそらくAndroid 10にアップデートされたPixelスマートフォンであれば、AppleのiPhoneとAirPods同様にイヤホンケースのフタを開けると自動でペアリングモードになってくれます。
接続が完了すると初回のみ(初ペアリング時)には、ようこそ画面が登場して設定をするよう促されます。
細かいところは端折りますが、以下のような感じで設定を進めていきます。
言われたとおりに進めていけばよいですし、わかってることはスキップすることもできるので、手間はまずないと思います。
ただ残念ながら、現時点(2020/05/15)ではGoogleアシスタントへの呼びかけ「OK Google」は日本語設定だと対応していないようですね。
設定が完了すると、スマホの設定からBluetoothのデバイス詳細画面に行けば、左右イヤホンのバッテリー残量や各種操作の確認、デバイスを探す(イヤホンに音が流れる)、タップ操作の変更、アダプティブサウンドのオンオフなどができます。
ただ、iPhoneとAirPodsの組み合わせのように設定画面へのショートカットができないんですよね。なので毎回設定アプリから行く必要があります。
とは言え、Appleの組合わせと違いノイキャンのオンオフ(そもそもノイキャンがないし)や外部音取り込みのオンオフがあるわけではないので、そこまで気になることもない、かな。
Pixelbook とのペアリング
これは比較的簡単というか、普通のBluetoothワイヤレスイヤホンと同じようにペアリングしていきます。
ケースの裏面にあるペアリング用のボタンを長押しすることで、おペアリングモードになりますので、それでChromebook側から接続すればOK。
ちなみに特にChromebook側から特に操作はできず、普通のワイヤレスイヤホン等と接続した状態以上にはならないと思ってください。
また、ペアリングを済ませておくと、Apple同士のようにわざわざ解除しなくてもスマホ側で接続すると自動でそちらに切り替わり、そこから反対にPixelbook(Chromebook)側で接続を押せば自動で切り替わってくれます。
Androidスマホとペアリング
あとは「Nokia 9」と試してみましたが、こちらも普通のワイヤレスイヤホンのようにペアリングを開始し、詳細設定は「Pixel Buds」のアプリを使って設定する必要があります。
アプリをインストールすれば、Pixelスマートフォンと同じ画面で設定することができるようになりますが、毎回専用アプリで設定することになるのでちょっと面倒かも。
Androidスマホでも問題なく使うことができるけど、よりスムーズなのはPixelスマホという感じですね。
AirPods Pro と外観だけ比較
ノイズキャンセリング機能などの違いはありますが、私はあまり音にコダワル派ではないですし、音の違いを伝えられるほど慣れているわけでもないため、目で見て違いがわかる部分をお伝えしておきます。
「Pixel Buds」と「AirPods Pro」とのサイズ感の違いはこんな感じです。
縦横の向きの違いはありますが、サイズ的にはほぼ同じような感じとなっていて、先程も書いたように「AirPods」と似ています。ただ「Pixel Buds」の方が丸みを帯びていることと、やや厚みがある点がひとつの違いだと思いますが、どちらもコインポケットには入るサイズとなっているので、実用面で特に困ることはないと思います。
また、「Pixel Buds」の表面は、卵の殻のようにしっとりしてるけどサラッとした独特な触り心地になっているので、「AirPods Pro」のツルッとした表面より触り心地が良いですし、滑りにくくなっていると思います。
あとフタを開閉する感じは、「Pixel Buds」の方が気持ち良いです。
どう表現していいかわかりませんが(笑)
実際に使ってみた評価
ということで、届いてからの数日間、「AirPods Pro」と比較しつつ使ってみました。
着け心地はとても良い
「AirPods Pro」と比べて軸がない分、顔に当たる感じもないので着け心地としてはすごく良いと思います。
外から見てもあまり気にならないサイズ感ですし、「AirPods Pro」より主張も激しくないですが、メントス感はあるので知っている人なら気づける感じかな。
音質で言えば、良すぎるわけでも悪いわけでもなく、こだわりがなければ日常生活で不満はないレベルです。
「AirPods Pro」と比較すると、ノイキャンも外部音取り込みもオフにした状態とほぼ同じような音という感じですので、ノイズキャンセリングが無いことを踏まえても、よほど煩い場所でない限りは、これでも十分だと思える良いラインだと思います。
反対に「AirPods Pro」のように外部音取り込みがないため、ずっと付けっぱなしにしておくというのができないとも言えるので、このあたりはどういう状況でイヤホンを着けているかが選択のポイントになりそうです。
アダプティブサウンドは未知数
「Pixel Buds」にはノイズキャンセリング機能がないかわりに、アダプティブサウンドという機能が搭載されていますが、残念ながらその効果を試せるような場所に行っていないので、その実力がどうかははっきりとお伝えできません。
しかしこの数日使った感想では、少なくとも日常生活の中でノイズキャンセリング機能が絶対に必要だと思う環境がなければ、「Pixel Buds」は十分役目を果たしてくれる感じです。
バッテリーも日常生活で不満はなし
この数日、ちょっとした移動のときや散歩に出たときなどのお供、Pixelbookで作業するついでに音楽等々に「Pixel Buds」を使っていましたが、3〜4時間ほどならとくに問題はなかったです。
充電についても、ちょくちょくワイヤレス充電器の上に置いているということもありますが、気になる点はとくにないです。
長時間移動などの場合、確かにバッテリーの問題は重要だと思いますが、そもそも5時間以上連続再生可能なモデルは限られていますし、そこまでの移動時間なら素直にヘッドホン使えばいいやと思うので、日常生活では不満はありません。
ちなみに私はコレがあるので、すでにノイズキャンセリング機能のあるヘッドホンなどがあって使い分けることに抵抗がなければ、「Pixel Buds」でも十分かなと思います。
マイクも十分使える
何度か試しにGoogle Meetやレコーダーを使ってみてマイクを試しましたが、案外悪くないと思います。
試しに「Pixel Buds」を使ってレコーダーで録音してみました。
実際の使用感で言えば、「Pixel Buds」は十分実用的なマイクで支障が出ることはない思いますが、「AirPods Pro」に比べてやや音がこもった感じで聞こえるため、よりクリアな音声を届けたいのであれば「AirPods Pro」かなという印象です。
日常生活の通話やちょっとしたときのやりとりであれば「Pixel Buds」で問題ないと思いますが、腰を据えた会議などは「AirPods Pro」や「AirPods」が向いていると思いますし、もちろん専用のマイク等を使う方が良さそうです。
機器同士の連携はAppleに負ける
総じて「Pixel Buds」は高評価だと思いますが、やはりAppleのエコシステムの前にはややスムーズさというかシームレスさで負けていると思います。
機器の切り替えやペアリングのスムーズさ、Apple同士であればMacからもiPhoneからもiPadからも同じように設定やショートカットが使える便利さは「Pixel Buds」にはありません。
「Pixel Buds」はPixelスマホ以外はアプリを入れなければいけないし、Chromebook(Pixelbook)と連携するわけでもないし、切断・接続がApple同士に比べてやや遅れがあるし、機器同士の連携を考えていくと物足りない部分が出てきます。
現状ではAirPodsとiPhone/Macと比べると物足りないと言えるので、今後の改善に期待したいと思います。
というか、このあたりAppleはさすがという感じですね。
この数日間使ってみて、こんな感じでしょうか。
Pixel使いなら買っても後悔しない!
ということで、まとめるとすれば、「Pixel Buds」はApple製品を使っていない方やMacBookは使っているけどスマホがPixelシリーズである方なら買っても損はしない、とても使い勝手の良いワイヤレスイヤホンだと思います。
音質や着け心地にも文句はないですし、ノイズキャンセリングがないこともそこまでデメリットとして考える必要はないと思います。
Androidスマホを使っているなら選択肢に含めても良いますが、すでにApple製品がメインとかiPhoneを使っているとか、他の良いノイズキャンセリング付きイヤホンを使っている方などであれば、無理に購入する必要はないというのも正直なところ。
あるいは、ヘッドホンなどと使い分けずに一つのイヤホンでノイキャン付きやら何やらが欲しい方などは、「AirPods Pro」などに限らずこの価格帯だと他にも素晴らしいイヤホンがあるのでそちらを選ぶ方が無難ですね。
何というか、Pixelスマホ使いがAppleのように他の機器との連携感を味わいたいとか、「AirPods」のデザインに抵抗があるとか、着け心地が良い方を好むということであれば、「Pixel Buds」はベストな選択肢だと思います。
ただ、PC(Chromebook)やアプリなどを含めて連携面やスムーズさではAppleに負けているので、ここは改善して欲しい点です。そもそも、残念ながら現時点(2020/05/15)では、国内でPixel Budsの正式発表はありませんのでまだしばらく待つ必要がありますし、その間に”OK GOOGLE”が日本語で使えない問題などが解決してくれると嬉しいですね。
個人的にはノイズキャンセリングが必須ではないPixelスマホユーザーなら無条件でオススメできるワイヤレスイヤホンだと思いますので、発表された際にはぜひ検討してみてください。