当ブログでも何度か紹介しているShokz(旧 AfterShokz)の骨伝導イヤホンですが、2022年3月1日から最新フラッグシップモデル「OpenRun Pro」がリリースされました。
「Shokz OpenRun Pro」は、これまでどおりオープンイヤーデザインとなっていて、特許取得済みの第9世代骨伝導技術を採用し過去のモデルに比べてクリアな中高音と深みのある低音再生を実現、さらに最大10時間のバッテリー駆動、急速充電対応、専用アプリ対応といった新機能も搭載されているのが特長です。
今回は実機を提供いただく機会に恵まれたので、Shokzの骨伝導イヤホン最新モデル「Shokz OpenRun Pro」のレビューをしていきます。
特長と基本仕様
まずは「Shokz OpenRun Pro」の特長と仕様をまとめておきます。
- オープンイヤーデザインで軽量
- 新技術搭載による深みのある低音再生を実現
- 5分で最大1.5時間利用可能になる急速充電対応
- 最大10時間の音楽連続再生
- デュアルノイズキャンセリングマイク搭載
- IP55 防塵・防水性能
- Bluetooth 5.1による接続(〜10m)
- 2年間の保証期間
- 専用アプリ対応
- マルチポイント・ペアリング対応
- 本体はフルチタンでシリコンラバー
- 対応プロファイル : A2DP, AVRCP, HSP, HFP
- 対応コーデック : SBC
- サイズ : 約107(W) x 45(H) x 130(D)mm
- 重さ : 約29g
過去のモデルと同じくフィットしてズレにくいオープンイヤーのデザインを採用しつつ、クリアな中高音や深みのある低音を実現する最新技術を搭載、もちろん防塵・防水性能やアプリ対応、またボタンサイズも過去モデルより大きくなったことで本体での操作性も向上して、全体的に過去モデルより進化しています。
この他の技術的な要素などについては、公式サイトの製品詳細をご覧ください。
では実機の紹介と使用感等をまとめていきます。
付属品
まず最初に付属品から。
箱を開けると取説や保証書などともに専用のケースに入った本体とUSB-Aのマグネット式充電器が同梱されています。
「OpenRun Pro」のケースはハードケースとなっていますが軽量で、充電ケーブルと本体をしっかりまとめておけるので持ち運びするときには便利&安心です。
充電器と本体外観
充電器はこれまでのモデルと同じく、専用のマグネット式充電器にUSB-Cコネクタがついたケーブルとなっています。
ポートがあればPCでもコンセントからでも充電は可能ですが、専用となっているので汎用性に欠けるのは少々残念なところ。USB-Cポートで充電できるタイプなら良かったと思いますが、それ以外では特に不満はありません。
続いて本体の外観ですが、ボディはフルチタンで製造されているため非常に軽量で、スリムなデザインとなっています。
本体を装着した状態で左側前に来る大きめのボタンは「マルチファンクションボタン」で、以下のような操作が可能です。
- 単押し : 再生/停止、受話・切話
- 2回押し : 次の曲
- 3回押し : 前の曲
右側に来るボタン類はボリュームの増減に加えて、プラスボタンを長押しで電源オン・オフ、プラスとマイナスボタンを両方長押しでペアリングモードになります。
ちなみにボリュームボタン側に充電コネクタがあり、充電中は横にあるLEDが赤色に点灯します。
カチッとくっつくので、充電中にズレてしまうことなどはありません。また高速充電に対応したおかげで、いざというときにちょっと充電して使うということも可能になりました。
実際の使用感
実際にこの数日、自宅や屋外でスマホやPCと接続して使用してみましたが、装着した感じは非常に軽量でフィット感もよく頭を振ってもズレたりしにくく、耳への圧迫感もないため長い時間装着していても負担はほとんど感じません。
ヘッドホンとして見れば、圧迫感がないことで夏場の使用やスポーツ・アクティビティなどで汗をかいてもベタついたり不快感は感じず快適に使うことができます。
本体も防水・防塵なので、雨が降ってきたとしても気にせずつけたままでいられるというのが強みです。
音質について
最新の骨伝導技術を導入しているということで、過去のモデルに比べて外で使っているときでもしっかりと音が聞こえるだけでなく、たしかに低音もちゃんと響くようになったと感じます。
ただ、例えば交通量が多い道など騒がしい場所だと聞こえづらいこともありましたが、音量さえ上げればしっかりと聞こえます。しかし音量を上げすぎると音が少し漏れるため、このあたりは調整が必要です(静かなオフィスで隣に座った人が意識を向けたら聞こえるかも程度)。
ちなみに音は耳元ではなくやや前側から聞こえてくる感じがあるので、一般的なイヤホンやヘッドホンに慣れている人だと最初は違和感があるかもしれません。
全体的に音質は良くなっていて聞こえ方も過去モデルより良く聞こえるようになっていますが、インイヤーやオンイヤー・オーバーイヤーヘッドホンに比べると音は軽めに感じますので音にこだわりがある人向きではありません。
「OpenRun Pro」は、屋内や屋外で周囲に気を配りながらも音楽を聞きたい人、圧迫感が苦手な人、長時間装着する必要があって負担を減らしたい人、スポーツやアクティビティで濡れたり、汚れたりする可能性があって一般的なイヤホン・ヘッドホンでは心配な人などに向いたヘッドホンだと思います。
マイクについて
そして「OpenRun Pro」にはデュアルノイズキャンセリングマイクが搭載されたことで、通話などマイクを使うシーンでも使い勝手は向上しています。
そのためWeb会議や外での通話などでも活躍できるようになったと言えます。
実際に通話とWeb会議を小一時間ほど試しましたが、問題なくこなすことができました。
サンプルとして自宅とカフェで録音した音声(Google Pixel 6 Pro / レコーダーアプリを使用)が以下の2つです。
静かな環境であれば特に気にする必要もなく使えますし、カフェなどであっても大きな問題なく使うことができますので、かなり実用的なマイクだと思います。
自宅や職場などで、完全に耳を塞いでしまうタイプだと都合が悪い場合や長時間の会議などで頭や耳への負担を減らしたい場合などはオープンいやータイプの「OpenRun Pro」が良い選択肢になると思います。
アプリについて
「OpenRun Pro」では専用アプリを使うことができるようになり、アプリを使うことでイコライザーモードやマルチポイントペアリングの設定が可能になります。
アプリ自体は非常にシンプルで使い方に迷うことはないと思いますが、悪くいえば設定できる項目が非常に少なく、イコライザー・モードの選択(スタンダードかボーカルの2つ)、マルチペアリングポイントのオン・オフのみとなっています。
しかも最初はマルチポイントがオフになっているため、「OpenRun Pro」でマルチポイントペアリングを使うためには一度アプリを経由する必要があります。
ただ、この機能を使わなければアプリをインストールしなくても良いというメリット(?)もあります。せっかくの専用アプリなので、設定できる項目がもう少しあっても良かったかなと思いますが、このあたりは今後の進化に期待したいところです。
バッテリーについて
大体1〜2時間程度の連続使用しかしていませんが、音楽再生やWeb会議などでもバッテリーが切れる心配はなく、1日の業務でも十分使えるかと思います。
また急速充電にも対応したおかげで、5分で最大1.5時間の利用が可能になっているため空き時間でこまめに充電しておけば充電切れで困ることもなくなります。
ただこの充電器の汎用性がないことが最大のネックで、もし充電器を忘れたらどうしようもないため、USB-Cなど代用できるポートだともっと使いやすくなるかなという感じです。
それでも「OpenRun Pro」であれば専用ケースにケーブルをまとめておけるので、充電後や持ち運ぶときには必ずケーブルを入れておくということをすれば対処可能です。
気になる点と言えば…
さて、ここまで「OpenRun Pro」のレビューをまとめてきましたが、気になるとこで言えば充電方法やアプリくらいで、本体に関してこれといった大きな問題は感じませんでした。
唯一挙げるとすれば、装着したときのボタン操作が位置的にしづらいということですが、これも過去のモデルに比べてボタンが大きくなったことで、位置さえ慣れればそこまでの問題にはならないと思います。
そういった意味でも「OpenRun Pro」はこれまでのモデルから大きく進化して使いやすくなっていると思いますので、オープンイヤーデザインかつ骨伝導ヘッドホンとしてさらに良い選択肢になったと思います。
まとめ
ということで、今回は「OpenRun Pro」を色々と試してみましたが、オープンイヤーでも音がしっかり聞こえてマイクも実用的、バッテリー駆動時間も伸びて屋内でも屋外でも扱いやすくなったと思います。
通勤・通学時やスポーツ・アクティビティだけでなく、特にWeb会議でも使いやすくなっている点が良く、自宅や社内で周囲への意識をシャットアウトせずに行いたい人にとっても「OpenRun Pro」はオススメです。
「OpenRun Pro」は周りに意識を向けておきたいシーンで使いたい人にはベストな選択肢になると思いますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。