今回の記事では、Shokz からは初めてとなるイヤーカフ型のワイヤレスイヤホン「Shokz OpenDots ONE」の実機レビューをお届けします。
なお本レビューにあたりメーカーから実機の提供を受けていますが、内容についてメーカーからの関与はなく、実際に使用したうえでの率直な感想をまとめています。
「Shokz OpenDots ONE」は、日本のクラウドファンディングサイト GREEN FOUNDING に登場した直後から高い人気を得ています。
イヤーカフ型ならではの軽快な装着感に加え、16mm 相当のデュアルドライバーと Bassphere テクノロジーによるパワフルなオーディオ、Shokz 製品として初めて Dolby Audio に対応し、音質も強化されている点が大きな特長です。
公式ストアおよび Amazon.co.jp における販売価格は 27,780 円となっており、高額ですが価格に見合う仕様を備えています。
Shokz OpenDots ONE の主な特長と仕様
Shokz 初のイヤーカフ型オープンイヤーイヤホンとして登場した「OpenDots ONE」は、耳を塞がない快適さと音質にも妥協しないモデルとして設計されています。
イヤホンは Shokz では最軽量となる 6.5g でありながら、16mm 相当のカスタムデュアルドライバーと Bassphere テクノロジーにより、コンパクトながらも深みのあるパワフルなオーディオを実現しています。
さらに、Shokz のイヤホンとして初めて Dolby Audio に対応し、ライブ会場にいるかのような臨場感あふれるサウンドを楽しめるようになりました。
その他にも、装着したイヤホンが左右どちらの耳にあるかを自動で検出するダイナミックイヤー検出技術や、ワイヤレス充電対応のコンパクトな充電ケース、IP54 等級の防塵防水性能など、日常的な使い勝手を高める機能も充実しています。
Shokz OpenDots ONE の仕様は次のとおりです。
- 製品名: Shokz OpenDots ONE
- カラー: ブラック、グレー
- 重さ (イヤホン片側): 約 6.5g
- ドライバー: 16mm カスタムドライバー相当のデュアルドライバーシステム
- オーディオ技術:
- Dolby Audio
- Bassphere™ テクノロジー
- Shokz DirectPitch™ 技術 (音漏れ抑制)
- マイク: AI アルゴリズム搭載マイク
- 機能性: マルチポイント接続対応、ダイナミックイヤー検出技術 (左右自動認識)、着脱検知
- 操作: スマートタップコントロール(タップ、つまみ)
- バッテリー:
- イヤホン単体: 最大 10 時間
- 充電ケース併用: 最大 40 時間
- 急速充電対応(10 分の充電で 2 時間再生)
- ワイヤレス充電対応、USB-C 有線充電
- 防水防塵性能: IP54 等級
- 素材: チタン合金 (JointArc)
- アプリ: Shokz アプリ (iOS/Android 対応)
デザインと装着感
まず充電ケースですが、コンパクトな手のひらに収まるサイズ感で、Google Pixel Buds Pro のケースとほぼ同等です。シャツやズボンのポケットにもすんなりと収まり、持ち運びの際に邪魔になりません。

ケースの素材感も安っぽさを感じず、蓋の部分はサラサラとしたマットな質感、下部は少し光沢のある素材と、ツートンカラーのような仕上げになっています。ケースの開閉もスムーズで、しっかりとした作りです。
側面にある USB-C ポートで有線充電できるだけでなく、ワイヤレス充電に対応しています。


個人的にはワイヤレス充電対応は普段の使い勝手が良くなるため嬉しいポイントです。
イヤホンの本体は、Shokz 史上最小・最軽量となっており、片耳の重さは 6.5g です。イヤーカフ型のため、耳を塞がずに耳たぶに挟むようにして装着します。

耳を挟み込む部分にはチタン合金が採用されており、これによって様々な耳のサイズへのフィットと、安定した装着感を得ることができます。
実際に装着してみると、耳にぶら下がるという感覚はなく、比較的軽量なため負担には感じません。挟み込む力も強すぎないため、長時間装着していても圧迫感や痛みを感じるようなことはほとんどありませんでした。
このイヤーカフ形の大きなメリットとして、メガネやサングラスとの干渉がほぼありません。メガネを常用している方でも快適に使用でき、運動中に汗をかいてもずれたり蒸れにくく、ランニングやジムでのトレーニングなどでも安心です。
さらに、「ダイナミックイヤー検出技術」が搭載されており、左右の区別なく装着することができます。通常のイヤホンに慣れているユーザーは意識的に左右を分けると思いますが、左右を気にしなくてもいい点は便利かもしれません。もちろん、片耳だけでも使用可能です。

ちなみに、ケースの収納向きがちゃんと装着しやすい方向になっているため、そのままの向きで耳に挟むことができます。
操作性とアプリ
イヤホンの操作は、バッテリーが収納されている部分(耳たぶの裏に来る側)の上下をつまむか、側面をタップします。
これらの操作により、音楽の再生/一時停止、曲送り/曲戻し、音量調整、通話応答/終了、音声アシスタントの起動などを行うことができますが、デフォルトではタップもつまみも再生/停止(通話の応答/終了)が割り当てられており、アプリで動作を変更する必要があります。

最初はタッチする位置や「つまむ」という動作に少し戸惑うかもしれませんが、慣れてくると誤操作も少なく、快適に操作できるようになります。
特に「つまむ」操作は、イヤーカフ型イヤホンをしっかりとホールドしながら操作できるため、意図しないタッチを防ぐのに役立っていると感じました。
また、オープンイヤータイプなのでタッチ操作によって、イヤホンが耳に押し込まれるといった感覚もない点はメリットです。
このほか、着脱検知機能がある点も便利です。オープンイヤータイプなので、イヤホンを装着したままでも会話などさほど困ることはありませんが、ふとしたときに外してケースに戻さなくても、再生中の音楽が止まるため、誤爆がすくなくて安心です。
より細かい設定や機能を利用するためには、Android または iOS 向けの「Shokz」アプリを使用します。アプリを便利に使うためにはログインが必要ですが、ログインやアカウント作成をしなくてもアプリを使うことができます。

「Shokz」アプリでは、主に以下の設定や機能が利用できます。
- タッチコントロールのカスタマイズ:
- 1本指でのダブルタップ操作と、2本指でのつまみ操作の割り当ては固定されていますが、「長押し」の操作に割り当てる機能を変更することができます
- ただし、左右のイヤホンで個別に機能を割り当てることはできず、アプリ側で用意されているプリセット(例えば、長押しで左イヤホンは音量ダウン、右イヤホンは音量アップなど)の中から選択する形になります。そのため、カスタマイズの自由度はそこまで高くないと感じるかもしれません
- また、イヤホンの操作自体を「両方使う」「片方だけ使う」「どちらも使わない(操作無効)」といった設定も可能です


- イコライザー設定:
- プリには、「スタンダード」「ボーカル」「低音強め」「プライベート」の4つのプリセットEQモードが用意されています。さらに、5つの音域を自分で調整できるカスタムEQモードもあり、好みの音質に細かく調整することが可能です

- Dolby Audio のオン/オフ:
- 本製品の大きな特長である Dolby Audio のオン/オフもアプリから簡単に行えます。切り替えの際にイヤホンの再起動などは必要なく、すぐに音が変化します

- マルチポイント接続の有効化:
- Shokz OpenDots ONE は2台のデバイスと同時に接続できるマルチポイント接続に対応していますが、デフォルトではこの機能がオフになっています
- 利用するには、Shokz アプリから有効にする必要があります。一度設定すれば、例えばスマートフォンとPCに同時接続し、音楽を聴きながら着信に応答するといったシームレスな切り替えが可能になります

- イヤホンを探す機能:
- 万が一イヤホンが見当たらなくなってしまった場合に、アプリからイヤホン本体のスピーカーを鳴らして場所を特定するのに役立つ機能です。ただし、イヤホンがBluetooth接続範囲内にある場合に限られます
- なお、ケース自体を探す機能はありません。「デバイスを探す」ネットワークにも非対応です

- その他の設定:
- イヤホン装着のスマート検出(着脱検知)機能のオン/オフ
- 左右を区別せずに使えるダイナミックイヤー検出技術のオン/オフ
- ファームウェアのアップデートもアプリ経由で行うことができます
音質とバッテリー
Shokz OpenDots ONE の音の印象ですが、まず基本的な音の印象ですが、オープンイヤー型にありがちな「音が遠く聞こえる」といった感覚や、「シャカシャカとした軽い音」といった物足りなさはほとんど感じません。イヤーカフ型で耳を完全に塞がないにも関わらず、しっかりと音を聴くことができます。

オープンイヤーなのでデフォルトの状態では、響くような重低音が出るわけではありませんが、イコライザーで調整したり、Dolby Audio をオンにすることで、しっかりと低音を感じることができます。中高域もクリアで、音をしっかりと聴き取ることができます。
また、Dolby Audio をオンにすると音全体の音量が少し抑えられるような印象で、特にボーカルがやや引っ込むように感じられました。しかし、音の重みと深みが増し、奥行きが広がるような印象に変わります。
個人的には、音楽の種類によってはボーカルが少し遠く感じることもありましたが、全体的な音の迫力と没入感が増すため、基本的に Dolby Audio はオンのままで良いと思います。
このあたりは好みや聴くコンテンツによって使い分けるのが良いかもしれません。アプリで簡単に切り替えられるので、色々と試してみるのがおすすめです。
周囲の音の聞こえ方については、さすがオープンイヤーといったところで、音楽を再生していてもインターホンや家族の呼びかけなど、必要な生活音は十分に聞こえます。音楽を流しながらでも、ある程度の声量であれば会話も可能です。
音漏れに関しては、オフィスやカフェなど、ある程度周囲に音がある環境であれば、隣の人に迷惑をかける心配は少ないと思います。電車などで隣に人がいる状態でも、よほどの大音量でない限りは問題ないと思います。
バッテリー性能
バッテリー駆動時間は、イヤホン単体で最大10時間、充電ケースを併用することで最大40時間の再生が可能です。また、急速充電にも対応しており、わずか10分の充電で約2時間の音楽再生ができます。
実際に数日間使用してみたところ、通勤中や作業中に3~4時間程度連続して音楽を聴くような使い方であれば、バッテリー切れを心配することはほとんどありませんでした。こまめにケースに戻せば、1日を通してバッテリー残量を気にせずに使用できます。
また、充電ケースがワイヤレス充電に対応しているため、使わないときにはワイヤレス充電器の上に置いておくだけで充電できるため、いざというときのバッテリー切れも心配はありません。この手軽さはやはり便利です。
まとめ
ここまで、Shokz 初のイヤーカフ型ワイヤレスイヤホン「Shokz OpenDots ONE」のデザイン、装着感、操作性、音質、バッテリー性能などをレビューしてきました。
「Shokz OpenDots ONE」のメリットとデメリットをまとめると、次のようになります。
- メリット:
- イヤーカフタイプで小さく軽く、圧迫感も少なくメガネとも干渉しない
- 左右を気にせず装着でき、Dolby Audio でしっかりとした音を聞くことができる
- 十分なバッテリーとワイヤレス充電対応で、日常使いに安心
- 耐水性能で雨が降っても大丈夫
- 少し気になった点:
- タッチ操作のカスタマイズ性はもう少し自由度がほしい(※追記: 公式によると、現在タッチ操作のカスタマイズが開発中とのこと)
- 独自の「つまむ」操作には、少し慣れが必要
「Shokz OpenDots ONE」は、とにかく快適さを重視し、長時間装着していても疲れづらく、周囲の音も聞きながら音楽を楽しみたい方、イヤーカフタイプでもしっかりとした音で聴きたい方、特にメガネユーザーや耳裏になにかが当たる感覚が嫌なユーザーにはおすすめできるモデルです。
現在、公式ストアおよび Amazon.co.jp では 27,880 円で販売されています。