「Nokia 9 Pure View」は、昨年に情報が出てから追い続けてきたわけですが、先月末にようやく発表となり、3月20日前後から無事販売を開始しています。
本当はもう少し様子を見ようかと思ったんですけど、やっぱり我慢できずにポチってしまいました(笑)
実は米国では11日頃から発送開始しているなど、販売国によってタイミングに差があった影響ですでに入手しているユーザーが2~3週間前からYoutubeなどでもレビューをアップしています。
オーダーしてからも我慢できずにレビューを見まくっていたんですが、どうやら先行き不安な意見が多いのが気になります。
ということで、動画等でも指摘の多い部分に注目しながら「Nokia 9 Pure View」の実機レビューをしていこうと思います。
なお今回購入に関してですが、米国B&Hなども検討しましたがとにかく早く手に入れたかったので、在庫もあって発送が早い英国の通販サイト「Clove」を利用しています。
※注文は22日夜、到着は25日11時頃でした。
スペックおさらい
Nokia 9 Pure View | |
OS | Android 9 Pie |
ディスプレイ | 5.99インチ 2,880 × 1,440 Gorilla Glass 5 |
CPU | Snapdragon 845 1.7-2.8GHz(8core) |
RAM | 6GB |
内部ストレージ | 128GB |
リアカメラ | 12MP(RGB) ×2 12MP(モノクロ) ×3 ※Carl Zeiss製 |
フロントカメラ | 20MP |
インターフェース | USB Type-C(3.0) |
バッテリー | 3,320mAh Qiワイヤレス充電対応 急速充電対応(18W) |
その他 | ディスプレイ内指紋センサ IP67相当防水・防塵 |
サイズ | 155×75×8mm |
重さ | 172g |
「Nokia 9」のスペックはこのようになっています。
カラーもスペックもこの1種類だけですので、迷うこともないかと思います。
スペック個々についてのコメントは、これまで何度か述べているので割愛。
言うとすれば、Snapdragon 855でないことが気になる方もいらっしゃると思いますが、元々12月末にリリース予定だったこと、価格を考えると845でもこのタイミングですし仕方のないところかと思います。
とは言うものの、これでもハイスペックと言われるモデルの一角だと思いますので、世界初の5眼レンズを採用したAndroidスマートフォンであるということを考えれば、このあたりは妥協点かもしれません。
ただ、カメラについてが今回のポイントでもあるんですが、海外のレビューを見ていくとソフトウェアの面も含めて正直なところ評価がイマイチというのが最大の問題だと思っています。
デザインとかスペック面だけで見れば悪くないんですが、果たして実際に使ってみたらどうかというのを今回のレビューでまとめていければ良いなと考えています。
というところで、まずは開封。
開封&外観チェック
ではさっそく開封していきたいと思います。
化粧箱
まずは化粧箱の表面。
私の手元に来るために急いだらしく、ちょっと左右が潰れていますが本体に影響はないので問題なしとしましょう。
「Nokia 9」の箱のイメージはガッシリとしてますね。さすがに気合の入った感じです。
では箱裏へ。
こちらにはスペックが書かれています。今回は英国からの入手なので英語表記ですね。
さくっと箱を開けてみます。
いつもどおりのシンプルな内容。
付属品
こちらも毎度のごとく上位セットらしい内容。
取説に充電器、イヤホン、USB Type-Cコード、そして「Nokia 9」はイヤホンジャックがないので、USB-Cを3.5mmジャックに変換するコネクタです。
英国入手だと充電器のプラグ形状が違うのに注意。
ではさっそく外観をチェックしていきましょう。
前面
ちょいとテカってしまいましたが、ノッチのないタイプですので好きな人は好きじゃないかな。
ただご覧のとおり、下側にもやや広めのフチがあるので、最近はやりのフルディスプレイっぽさはないです。
良くも悪くも安定している、これまでどおりのスマートフォンといった感じ。
上部側面
まずこちらは上部の側面です。
「Nokia 9」にはイヤホンジャックがないためか、ここにSIMカードスロットが存在しています。
下部側面
こちらが下部です。
USB Type-Cとスピーカー、マイクですね。
なお「Nokia 9」はQi対応ワイヤレス充電機能を備えているので、環境によってはこのUSB-Cも重要じゃないかもしれません。便利な世の中です。
左右側面
左・右となっていまして、いつもならSIMスロットが存在している左側面には何もなく、右側面はいつも通り電源ボタンとボリュームキーとなっています。
背面
そして背面にはコイツ。
スマホに本当に必要かどうかさておいて、2つのRGBセンサと3つのモノクロセンサの計5つのレンズを備えています。
ただ実際に手に取って気づいたのは、よくあるカメラ部分の段差がほとんどなくツルっとしています。なので卓上などにもフラットにおけますし、レンズ部分のキズも思っているよりつきにくいような感じです。
が、かなり光沢のあるボディのおかげで想像以上にツルツルするので、置く場所には気を付けた方がよいと思います。
実機レビュー
ということでさっそく起動してみました。
ちゃんとAndroid Oneですね。
そういえば先日、中国に位置情報を含む一部が送信されてしまうというアクシデントが起こっていましたが、現在は対策済みということと「Nokia 9」には影響がないようなのでご安心ください。
そしてNokia Tuneが流れてセットアップ画面へと移ります。
日本語はOK
心配されている方も多いと思いますが、Android 9 Pieにアップデートされて12月の更新を受けているNokiaスマホは、ほとんどが日本語を初期設定から選択できるようになっています。
ただ技適云々に関しては、「Nokia 9」として認証を受けているわけではないのでご注意ください。
クセモノが指紋センサ
夢中になっててすっかり忘れていましたが、「Nokia 9」はなんとNokiaスマホ初となるディスプレイ内蔵式指紋センサを搭載しています。
ただコイツが思った以上にクセモノでして、登録時はすんなりと読み取ってくれるんですが、いざ実際に指紋センサでロック解除しようと思うとまぁ反応しないこと。
海外のレビューなどでは、カメラ以前にこの指紋センサが最悪という意見が多く出ていまして、私も実際に使ってみてあまりのひどさにツイートしてしまいました。
指紋センサの反応のしなささがやばい
— へれん (@Helen_Tech) March 25, 2019
本当、びっくりするくらいの反応の悪さですが、HMD Globalもこの意見が多かったからかわかりませんが、どうやらソフトウェアから修正を行うということで動きがあるようです。
なのでしばらく我慢すれば、それなりに使えるようになるはずなので、早期購入者限定のよくあるアレといったところでしょうか。
本体について
ちょっと上下のベゼルが広いかな?という気がしなくもないですが、ノッチである必要もなければ無理にフルディスプレイ(収納式フロントカメラ)にする必要もないので、スタンダードな形状として、これはこれでアリだと思います。
あとサイズ感的には「Nokia 7 Plus」とほぼ変わらないくらいなので、何となくその上位モデルが「Nokia 9」という印象を受けました。
ただ本体背面がとにかく磨き上げられているので、「Nokia 6.1 Plus(X6)」以上に指紋でベタベタになっちゃうのと滑りやすいところが難点かも。
色とかもカッコイイんですけど、それがちょっと。
動作面について
動作に関しては、最新ではなくなってしまったもののハイスペックなSnapdragon 845を搭載していますので、基本的な操作から何からなにまでとても快適に動作します。
参考までに実機で測定したAntutuのスコアを貼っておきます。
ゲームをやるにしてもほとんどのスマホゲームならこなせると思いますし、それ以外の作業的な部分に関しても快適に動作すると思います。
もちろんLightroomを使ってRAW画像を編集したりするのも動作性能的には苦ではありません。
おそらくほとんどのユーザーにとっては快適すぎる部類の機種かと思います。
気になるところ
動作・性能面についてはまったくといって良いほど問題はないと思います。
見た目に関しても、指紋がつきやすい難点はありますが、これはとくに使用上に影響が出るわけではないので、まあ仕方ないとしましょう。
とにかく問題視すべきは、指紋センサがどうしようもないくらい使い辛いというところでしょうか。
カメラについて気になるところがあるので後述しますが、これも気合入れて使おうと思うと気になるくらいなところなので、普段から使ってて気になる指紋センサが唯一の欠点と言ってもいいくらいかもしれません。
カメラについて
問題のカメラについてレビューや比較をしたいところですが、手元に他メーカーのスマホで比較材料になりそうなものがありません…。
とりあえず実際に今日一日使ってみたところ、私のように出かけたりランチしたりするときにちょっと写メを撮る、くらいの使い方であれば何ら問題がないどころか、かなりキレイに撮影できると思います。
ただ他のカメラがウリの高級機種(iPhoneやGalaxy、Mate Pシリーズ)などは使っていませんので、そこと比較できるわけでもないですが、海外のレビューを見ると結構苦しいようですね。
そんなわけで比較材料がないので、今回は「Nokia 9 Pure View」で実際に何枚か撮影してみて、カメラを使った感想を簡単にまとめておこうと思います。
なお、「Nokia 9」は普通のカメラアプリでRAWデータでの保存が可能になっていますので、Lightroomアプリを使用せずとも高画質のデータが利用可能になります。
ただストレージ容量がね…。
部屋(店内)で撮影
今日行ってきたパン屋で撮影した写真を載せておきます。
もちろん「Nokia 9」のカメラ機能とLightroomを使い撮影していますが、補正などはしていない素の画像となっています。
最後の1枚はモノクロモードで撮影しています。
最終的にはウデとセンスの問題になりそうですが、私があれこれ撮影した範囲では問題なくキレイに取れていると思います。
外で撮影
意外と外で撮影していなかった…。
楽しくて変なものばかり撮影してしまっています。すみません(笑)
ちょっとどんよりとした曇り空でしたが、意外としっかりと撮影できているように思います。
なんというか、ちゃんと目で見ていた色味が再現されているなあという感じ。
この点については海外のレビューで指摘がありまして、他の高級機種だとここでオートに補正が入るため、見てキレイな写真を撮影できるようですが、「Nokia 9」の場合はあえてなのか補正がいれず、色味なども実際に目で見ていたものと近い色合いで再現されているそうです。
確かに、この点については良し悪しだと思いますし、一般的には手を加える必要がなくキレイに撮れた方が良いので、他の機種のカメラ性能の方が良いという結論になってしまうようですね。
使用感は…
海外のレビューを噛り付いてみていたのでカメラは不安要素でしたが、実際に使ってみると意外とというか、これで十分なくらいキレイに撮影できると思います。
ただ本当に5眼レンズが必要だったかどうかについては正直サッパリなところですが。
自分で撮影した写真にあれこれ手を加えてみたい、という方には「Nokia 9」はとても相性の良い機種になるように思います。
ただ反対に、とにかく撮って簡単にキレイに仕上がって欲しいというのであれば、やはり「iPhone」や「Galaxy」などを選ぶ方が良いのかもしれません。
おそらく、RAWデータで撮影することを前提としている感じがありますし、むしろ連携をウリにしていたAdobe Lightroomで撮影して、そのまま編集する…という流れになるんじゃないかと思います。
結局のところ、写真を撮ることだけでなくそれを編集する必要が出てくるように思いますので、やっぱり使い手は選ぶような感じがしています。
全体を通して
購入前の不安要素だったカメラについては、何も問題ないどころか楽しみを見いだせるくらいに良いものだと思います。
ただ反対に、普段から使うもので、便利であって欲しい指紋センサの反応がイマイチというのが大きな問題点のように感じました。
この点もHMD(Nokia)公式で、ソフトウェア上での修正に向けて動いているという話が出ているので、とりあえず様子を見たいと思います。
スペック的にもとくに問題はないですが、「Nokia 9」はストレージに注意が必要かもしれません。
レビューのために数時間テキトーに写メを撮っていただけですが、すでに15%近くストレージを消費してしまっているので、1日ガッツリ撮影する感じだとすぐにストレージが枯渇するかと思います。
残念ながら現在リリースされているモデルはmicroSDが使用できません。
今後リリースされるデュアルSIMモデルだとmicroSDが使える可能性もあるようですが、それでもまだまだ悩まされることになると思います。
それを補佐するためのAdobe LightroomやGoogle Photosによるクラウド保存なわけですが、こちらも有限(Photoだと無限版は低解像度)なので、撮影した写真をいかに管理できるかが肝要かと思います。
こういったところも含め、創意工夫を楽しめる方であれば「Nokia 9」を選ぶのはアリだと思います。
まとめ
ということで、待ちに待った5眼レンズを搭載したノキアのフラッグシップ「Nokia 9 Pure View」についてざっくりとレビューしてきました。
事前情報で仕入れたカメラの問題はさほど気にならず、指紋センサの最悪さが残った初見レビューでした(笑)
だからと言って、「Nokia 9」を購入したことは後悔には思っておらず、むしろ楽しいスマートフォンを手に入れることができたという楽しみというか喜びが勝っています。
しかし冷静に考えると、今回購入には700ドル(全込み大体75,000円)くらいかかっているわけですが、この価格が妥当かと言われるとちょっと悩ましいかもしれません。
私のように、5眼レンズが珍しい、Nokiaが好きというのであれば全然アリだし問題もないと思いますが、少しでもコストパフォーマンスの高い機種を選びたいとか、より簡単でキレイに撮影できるスマホが良いとなると、あえて「Nokia 9」でなくとも良い気がします。
例えば、同じNokiaでもコスパとカメラの性能のバランスを採るなら「Nokia 8.1(X7)」あるいは「Nokia 7 Plus」をオススメすると思います。
あるいは価格を考慮せずにとにかくカメラの性能が良く簡単にキレイに撮影したいとなれば、「iPhone」や「Pixel」、「Galaxy」あたりに行ってしまう方が良いかもしれません。
では誰に「Nokia 9」をオススメするかと言えば、5眼レンズというユニークさに惹かれる(=他にないもの)方や写真撮影に拘りがあって試してみたい方、もちろんノキアが好きな方だと思います。
少なくとも私は後悔していませんし、それよりもこれから楽しく使っていこうと思っていますので、こういうジャンルに楽しみを感じる方であればむしろ「Nokia 9」にチャレンジして写真撮影しまくると良いのかも。
ただ一般的なフラッグシップモデルとして手に取ると、ちょっと違和感を覚えてしまうかもしれない、「ノキア」のフラッグシップであるというところが大事だと思います。
そんなわけで、今回購入した「Nokia 9 Pure View」は使う人や使い方をちょっと選ぶかもしれませんが、楽しめるスマートフォンに仕上がっていますので、ノキアのスマホの中でもカメラやユニークさに興味を惹かれる方は検討する価値はあると思います。
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