HP EliteBook Ultra G1q AI PC を実機レビュー。性能とバッテリー駆動時間のバランスが優秀 [PR]

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今回の記事では、日本HPがリリースしている Snapdragon X Elite を搭載した Copilot+ PC の「HP EliteBook Ultra G1q AI PC」の実機レビューをお届けします。なお、このレビューにあたり実機の貸し出しを受けています。

HP EliteBook Ultra G1q AI PC は、Microsoft が定義する Copilot+ PC のハードウェア要件を満たしており、AI 活用に最適化されている Windows ノートパソコンです。Copilot+ PC として認定されるためには、Snapdragon X Plus または X Elite を搭載、16GB 以上の DDR5/LPDDR5 RAM、256GB 以上の SSD または UFS ストレージを搭載している必要があります(記事執筆時点の最小システム要件)。

Copilot+ PC のみがサポートする機能として、自動スーパー解像度、ライブキャプション、ペイント コクリエーター、写真の強化された機能、リコール、Windows Studio Effect があります。さらにこれらの機能を処理するために、40 TOPS を備えたニューラル処理装置(NPU)が必要になります。

実際に今回レビューしている HP EliteBook Ultra G1q AI PC のスペックは次のようになります。

目次

スペック

OSWindows 11 Home
ディスプレイ14インチ グレア
2,240 × 1,400
300nits
低ブルーライト
タッチ対応
CPUSnapdragon X Elite X1E-78-100
RAM16GB LPDDR5X
内部ストレージ512GB M.2 SSD
外部ストレージ
ウェブカメラ5MP
IR カメラ (Windows Hello 対応)
プライバシーフィルター
ポートUSB-C (USB4.0 / 40Gbps) ×1
USB-C (10Gbps) ×1
USB-A (3.2 Gen 2) ×1
3.5mm コンボジャック
ネットワークWi-Fi 7
Bluetooth 5.4
バッテリー駆動時間最大27時間
その他MIL-STD 810H (19項目)
Poly Studio デュアルスピーカー
防滴バックライトキーボード(英語配列)
サイズ312.9×223.5×14.4mm
重さ約1.35㎏

この HP EliteBook Ultra G1q AI PC は Qualcomm の Snapdragon X Elite を搭載したことで、性能を保ったままバッテリー駆動時間を延ばすことに成功しています。長時間出先にいて充電できないような状況が続く場合、このデバイスのバッテリー駆動時価の長さは非常に魅力的です。

デザイン

HP EliteBook Ultra G1q AI PC の筐体素材には CNC マグネシウムが使用しており、カラーはアトモスフィアブルーと呼ばれるネイビー系の色合いになっているため、普段使いや学校、ビジネスの場でも使いやすい見た目です。本体は MIL-STD 810H の19項目をクリアした堅牢性を備え、HP 独自の HP Total Test Process による品質テストをクリアしています。

高級感のある見た目だけでなく、実用的で完成度がとても高い筐体です。

本体の左側面には2つの USB-C ポートが搭載されていますが、それぞれ規格が少し異なっています。1つは USB4 規格に対応する 40Gbps の転送速度を備え、もう一つは一般的な 10Gbps の USB-C ポートとなります。どちらも DisplayPort 1.4 をサポートしているため、外部モニターへの出力が可能です。

本体の右側面には USB-A (3.2 Gen 2) ポートと 3.5mm コンボジャックがあります。ポートの数は最小限という印象ですが、細かいことを言えば USB-C を左右1つずつが理想的で、ビジネス用途なら HDMI ポートがあればなお便利でした。A ポートももう1つあれば便利ですね。とは言え、オフィスで使うならドッキングステーションやハブモニターなどを使うことで解消できます。

ディスプレイ

ディスプレイは14インチのグレア液晶で、2,240×1,400 とアスペクト比 16:10 を採用した高解像度となっています。これまでの HP のビジネス向けハイエンドだとアスペクト比 3:2 の 13.5インチを採用する傾向が多かったように思いますが、珍しいですね。

ちなみにディスプレイの拡大/縮小の推奨設定は 2,240×1,400 / 150% となっていますが、より広い解像度で使いたい場合には次のようなオプションが利用可能です。

  • 125% : 1792×1152
  • 100% : 2240×1440

以外と細かく設定はできませんが、Windows だとカスタムスケーリングが利用可能なので、状況に応じて調整することで高解像度をうまく活用できます。

100%で表示

タッチ操作にも対応していますが、クラムシェルタイプのデバイスなのである程度の角度まで行くと天板が開かなくなります。高解像度で発色なども良く、低ブルーライトディスプレイなので長時間の作業でも目の負担が軽減されます。

ビジネス用途とすれば快適でしたが、唯一気になった点として、画面の明るさが 最大300cd/m2 のため、窓際の席やカフェのテラス席など日当たりが良い場所で使うと明るさが物足りなく感じました。

なお、ウェブカメラにはプライバシーシャッターが搭載されており、Windows Hello に対応した IR カメラもあります。そのためログイン時などの認証はスムーズで、5MP のウェブカメラもビデオ会議での使用に十分です。

キーボードとタッチパッド

キーボードですが、何と嬉しいことに HP EliteBook Ultra G1q AI PC は標準で英語配列キーボードを選択することができます。国内販売モデルの多くは日本語配列(JIS配列)が半強制的になっていますが、このデバイスはむしろ英語がデフォルトです。当然、賛否はあると思いますが、海外標準の英語配列キーボードなのでキーの配置に無理はありませんし、余計なキーも追加されていないためスッキリとしています。

ファンクションキーも使いやすいものがそろっており、マイクとスピーカーがミュートになっているとキーの LED インジケーターがオレンジ色になるためわかりやすくなっています。

打鍵感についてですが、キーピッチは 19.0×18.4mm、キーストロークは 1.0mm となっていて、少し浅めですが軽く入力ができるため文字入力は非常に快適でした。私的にはこういうポコポコした感じのキーが好みなので、英語配列という点と合わせてとてもオススメです。

タッチパッドについても、感圧タッチではなく一般的なタイプですが、ビジネス用途で使うなら十分なサイズと反応で特に不満はありません。

パフォーマンス

肝心のパフォーマンスについてです。Qualcomm の Snapdragon X Elite を搭載する Windows PC を試すのは今回が2回目になりますが、これまでの Arm チップの印象を覆すほどにとても快適です。参考までに実機で測定した各種ベンチマークスコアを紹介しておきます。

ベンチマークソフトスコア
Geekbench Single2,447
Geekbench Multi14,337
Geekbench OpenCL20,622
Geekbench Vulkan24,401
Octane 2.0 Plus Single81,115
Octane 2.0 Plus Multi954,510
JetStream2294
Speedometer 2374
Speedometer 328

ノートパソコン向けの CPU のなかでも非常に高性能で、インテル第12世代や第13世代の Core i7 U シリーズ、Core Ultra シリーズなどよりも上のスコアとなっています。実際の使用でも特に不満を感じることはありませんでした。

ただ、このモデルは 16GBRAM となっているため、例えば Chrome のタブを同時に30個開くなどすれば若干のラグはあります。しかし、バックグラウンドで Notion や Microsoft Word、Figma などを開いたまま Chrome のタブを15個程度開いて作業するといった、一般的なビジネスシーンでの使用であればほぼ問題はありません。

また、ファンの音も比較的静かで、ベンチマークなど高負荷時にはしっかりと音は聞こえますが、それ以外ではとくに音が気になることはありませんでした。発熱も特に問題はありません。そのため、会議室や静かな場所で使うときにも安心です。

さらにバッテリー駆動時間も優秀で、ブラウザベースで負荷の少ない作業が中心なら1時間当たり10%程度、ローカルで負荷をかけた状態や Windows Updates が走ったときでも1時間あたり15%前後の消費でした。つまり、うまく使えば性能を落とさずに 8~9時間利用することができます。

パフォーマンスとバッテリー駆動時間のトレードオフは Windows PC あるあるでしたが、Snapdragon X チップを搭載した HP EliteBook Ultra G1q AI PC は両立できているため、ビジネスユーザーにはとても嬉しい仕様です。

組み込みの機能

HP EliteBook Ultra G1q AI PC には Copilot やオンデバイス AI を含めたいくつかの AI 機能や HP Wolf Security Pro など独自のセキュリティや便利機能が搭載されています。

とくにビジネスにおいて AI 機能と NPU を利用することが多いのはビデオ会議だと思いますが、HP EliteBook Ultra G1q AI PC には Poly のオーディオチューニングを搭載したスピーカーと、AI 対応の Poly Camera Pro により、ビデオ会議中の画面の明るさや背景ぼかし、自動フレーミングとパンなどに対応します。

これは Copilot+PC だけが使える Windows スタジオ エフェクト によるもので、これまで CPU に処理させていたものを NPU で AI が処理することにより、デバイスへの負担とバッテリーの消費を抑えることができます。Windows に組み込まれていることで、Google Meet、Zoom、Teams などインストールアプリ、ウェブアプリに限らず使うことができることも魅力です。

このときにちゃんと NPU も動いていることが確認できます。実際にこれがどの程度の影響を与えているのかは正直わかりませんが、デバイスにかかる負担の軽減と少しでもバッテリー駆動時間が延びるのであれば歓迎です。

これ以外にも PC で再生される音声をリアルタイムで字幕表示をするライブキャプション、スクリーンショットを活用して過去の作業履歴を検索することができるリコールなどを利用できます。ちなみに、Copilot キーを利用することでどこからでも AI コンパニオンの Copilot を呼び出すことができますが、これには NPU は使用されません。

アプリの対応状況

Arm チップの Windows デバイスと言えば、切っても切れないのがアプリの対応状況です。現在では主要なアプリのほとんどは Snapdragon X Elite または X Plus チップを搭載するデバイスに対応してきているため、困ることはなくなってきました。

例えば、実際に私がインストールして使用している以下のようなアプリは問題なく使うことができます。

  • Google Chrome
  • Google ドライブ
  • Google Ads Editor
  • Google Web Designer
  • Figma
  • Notion / Notion Calendar
  • Spotify
  • Visual Studio Code

また、Adobe のアプリも記事執筆時点では Illustrator と InDesign、After Effects を除いてすべて Snapdragon X チップに対応しています。ただし、Photoshop と Lightroom のみネイティブですが、それ以外はエミュレーションを介して動作します。

一方、困っているのは「Google 日本語入力 (Google IME)」がインストールはできるけどちゃんと動作しないことでした。ほぼ困ることはなくなりましたが、業務アプリの対応状況次第では Snapdragon X チップのデバイスよりも Intel チップ搭載モデルを選ぶほうがよいかもしれません。

まとめ

今回は HP の Copilot+ PC 準拠の HP EliteBook Ultra G1q AI PC をレビューしてきましたが、パフォーマンスとバッテリー駆動時間のバランスがとても良く、組み込みの AI やセキュリティ機能などを含めてビジネスユーザーにはとても良い選択肢です。とくに出張など出先で充電できない時間が長く続くユーザー、外と家またはオフィスを移動することが多く、どこでも同じパフォーマンスでデバイスを使いたいユーザーにはお勧めです。

記事執筆時点では、HP EliteBook Ultra G1q AI PC の販売価格はHP公式オンラインストアで252,780円からとなっています。ビジネスユーザーは検討する価値がありますので、ぜひチェックしてみてください。

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著者情報

Masahide Omuraのアバター Masahide Omura Product Marketing Manager

Professional ChromeOS Administrator 取得者。これまでに40台以上の Chromebook を試し、業務でも Chromebook や Google Workspace の導入・活用支援も行う。本業はアクセス解析や広告運用、ときにPMM。プロフィールはこちら

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